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第1807話 財政健全化17

 一万一千文字達成。財政健全化はここまで。

 関連回 第1805話 財政健全化15

 財政健全化について、(一)から(十二)の項目ごとに論じ、だいたい主なことはカバーしたと思ったが、もうひとつ思い付いたので追加したい。


(十三)海外への援助、だ。


(十一)デジタルの強化の中でも少し触れたが、さらっと触れる程度では不十分だと思ってね。これもがっつり財政に絡む内容であり、一項目にすべきと判断した。日本は世界中の国と付き合いがあり、そのこと抜きに財政健全化はありえない。


 貿易収支    -6兆6,247億円

 サービス収支  -4兆0,480億円

 第一次所得収支 41兆7,114億円

 第二次所得収支 -4兆7,095億円

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 経常収支    30兆3,771億円


 これは2024年度の経済収支の内訳だが、このうち、第二次所得収支(Secondary Income Balance)がODAや国際機関への分担金など、対価を伴わない贈与や援助の収支となっている。数字では-4兆7,095億円の赤字だ。だが、最初に断っておく。この数字を僕は許容し、むしろ前向きに評価する。その理由を説明しよう。


 日本政府が主体となって行う海外援助をODA(政府開発援助)と言うが、主な原資は、一般会計予算、財政投融資資金(円借款の原資)、国際開発金融機関への出資金(出資国債)、各省庁の特別会計などがあり、特に円借款の資金の約7割は税金に頼らない財政投融資や回収金が活用され、返済される仕組み(有償資金協力)で、これが大きな特徴となっている。これにより、支援は日本の経済活性化にも繋がり、国際社会への貢献と国益追求を両立させている。


 日本は、経済は一流、政治は二流、外交は三流、と言われたりするが、なかなかどうして、外交もいい線いっている。派手に喧伝しないだけで、地道によくやっている。でなければ、先進国や経済大国になれる訳がない。


 ODAの主な原資について整理すると、こんな感じ。


・一般会計

 税金から支出される部分で、主に無償資金協力や技術協力に充てられる。


・財政投融資特別会計

 郵便貯金や簡易保険の積立金などを活用した資金で、

 円借款の主な原資となり、低利で貸し付けられる(有償資金協力)。

 国際開発金融機関(世界銀行など)への出資金: 国際機関を通じて

 開発途上国を支援するための資金源だ。


・各省庁の特別会計・回収金

 ODA事業で発生した回収金(円借款の返済金など)や、

 各省庁の自己資金が原資となる。


 それから、資金の使われ方について整理すると、こんな感じ。


・円借款

 開発途上国に円で貸し付けられ、相手国政府が返済する資金。

 日本の建設会社などが受注するケースも多く、日本経済にも貢献する。


・無償資金協力

 返済義務のない資金で、インフラ整備や人道支援などに使われる。


・技術協力

 専門家派遣や研修員受け入れなどで技術や知識を提供する。


 日本のODAの特徴として、税金に依存しない資金(財政投融資など)を多く活用し、「貸して(有償資金協力・円借款)」、「返してもらう」、「また貸す」というサイクルで効率的に運営している面が強い。援助は、途上国の発展支援だけではなく、日本の資源確保や輸出促進、国際社会の安定を通じて国益にも繋がるという考え方が根底にある。


 他の主要援助国が無償(贈与)を主体とする(約85%以上)のに対し、日本は歴史的に有償(融資)の比率が高い傾向にあり、途上国の自助努力を促す目的があるが、近年は無償の割合も増加傾向にあり、全体のバランスが取られている。


 過去、日本のODAは、ひも付き援助、タイドローン(Tied Loan)などと批判されたが、国益のことを考えれば間違えておらず、逆に他の主要援助国のように、ポンとお金を渡す方がいかがなものかと思う。受け取る国からすれば、無条件でポンの方がいいのかもしれないが、残念ながら発展途上国は民度が低く、もらったお金を権力者が着服する可能性が多分にある。善意でお金を渡しても、彼らが袖の下に通せば、その国が発展することはない。


 実際、ヨーロッパ諸国が援助したアフリカは発展せず、日本が援助したアジアは発展してる状況を見れば、日本のやり方が正しかったように思う。主に円借款を採用したことより、借りた国は返すため、嫌でも努力しなければならなくなる。そして、アジアの国々は努力し、経済を発展させた。日本も戦後、国際機関などからお金を借り、それを元手に経済を発展させた経験がある。自ら経験したノウハウをアジアの国々に活用したのだ。


 欧米の援助は上から目線で下に与えるもの。気前よくポンと出すが、後は勝手にやってくれ、というスタイルだ。口では開発途上国の発展という綺麗ごとを言うが、その実、発展など願わず、いつまでも援助漬けの状態を願う。権力者が着服し、被援助国のためではなく、援助国の利益のために動くようにさせたいのだ。ある国では高額な設備を無償供与され、大々的に喧伝されたが、その後、メンテナンスがなく、すぐに使えなくなり、無用の長物となってしまったが、そんな例は枚挙に暇がない。


 だが、それでいい。欧米は開発途上国が自分たちと同じような先進国になることを望んでいない。それは先進国クラブと言われるOECD加盟国のメンバーを見れば、一目瞭然だ。38か国は白人主体の国ばかり、アジアからは日本と韓国だけ、アフリカからは一か国もない。だが、それでは体裁が悪いので、欧米は人権国家を標榜し、表面上そのように振舞っているのだ。それが見せかけの援助につながっている。


 対して日本の援助は相手と同じ目線。お金を出すが、しっかり働いてもらうため、返済を要件とし、開発途上国が主体的に開発に取り組む「自助努力」を重視する。ただ貸すのではなく、開発途上国の人材育成や技術移転にも協力する。日本はその国の発展を本当に願い、だからこそ、それが相手国に通じる。


 アジアの中でも特に、韓国、台湾、香港、シンガポールは四小龍と呼ばれ、日本に次ぐ急速な工業化と高い経済成長率を達成し、世界的に注目された。これらの国はかつての日本統治領であり、日本を手本に発展したが、その際、日本は惜しみなく援助した。


 欧米から見れば、自分のライバルを育てる愚行に映るだろうが、日本はライバルではなく、仲間を増やしたい、共存共栄を図りたいという一心(善意)から援助してきた。その思いにアジアの国々は応え、日本はアジアで栄えある地位を築いたのだ。残念ながら一部、日本の善意が通じなかった国があったが、勉強代と思うしかない。


 善意は素晴らしいものだが、

 現世において誰にでも通じるものではない。


 善性の高い人ほど、相手に尽くすことに喜びを感じ、

 尽くせば必ず相手に通じると考えがちだが、

 それは高級霊界の話だ。低級霊界出身者の多い現世では必ずしも通用しない。


 約2500年前、仏陀はそれを悟り、

「縁なき衆生は度し難し」と言っている。

 仏(高級霊)は全ての人を平等に救おうとするが、

 自ら仏の教え(縁)を拒む人には、その慈悲が届きにくい。


 ODAを含む、国の第二次所得収支は-4兆7,095億円と赤字になっているが、この項目は援助という性質上、黒字を求めるものではないので赤字はまったく問題ない。むしろこの程度の赤字でよく済んでいる。


 ニュース報道などで、日本の首相や大臣などが外国に行く度に、億単位、場合によっては兆単位の援助の約束をするので、外国にお金をばらまいている負のイメージがあるだろうが、その多くが「贈与」ではなく「貸与」であり、しかも日本の企業がスクラムを組んでガッチリ絡んでいるので、日本の国益にもなっている。もちろん開発途上国の発展は大事だが、それだけで終わらない。先々の友好関係も見据えている。


 日本の援助で発展した国は日本に好感を持ち、日本製品を買ってくれたり、日本企業の進出を受け入れてくれるようになる。日本に旅行するようにもなるだろう。国際会議の場で日本の提案に賛成してくれるかもしれない。一時赤字であっても長い目で見ればプラスになる。タイの自動車市場では長い間、日本車が9割近くのシェアを占めていたが、単に自動車の性能がいいだけではこうはならない。最近は中国のEV車が割って入り、7割ぐらいにシェアを落としたが、それでも高い水準を維持しているし、中国のEV車がボロを出しているので、またシェアを回復するんじゃないかな。


 EV車は「エコになる」という宣伝で普及したが、実際はまったくエコではなく、むしろ環境への害が大きいということが明るみになっている。バッテリーの劣化が激しくて、長期使用に耐えられず、暑さにも寒さにも弱い。ガソリン車なら給油はすぐ終わるが、EV車だと普通充電で数時間(一晩ぐらい)、急速充電でも30分から1時間かかる。ほとんどの人は「二度と買いたくない」と言う。


 ODAが効果的にできるのは日本円に国際通貨としての価値があり、円による貸し付け(円借款)が機能することが背景にある。円借款の原資の一部は市中銀行の貸出を通じて行われる信用創造(預金通貨の創出)によって賄われるケースがあり、これにより外貨準備を取り崩すことなく国内資金で円借款が実行され、対外的な円の供給が増えることで国際的な「円経済圏」の形成にも繋がるのだ。


 日本国内で使う円を信用創造したら、国内の円の供給量が増えて、インフレとなってしまうが、国外で使う円なら、そのリスクを緩和できる。例えば、日本がある発展途上国に、ODAを提供し、その際、100億円を円借款するとしよう。その際、日本銀行がお金を刷ることにより、資金を用立て、税金負担を免れるのだ。そして、そのお金を使って発展途上国が日本企業に開発事業を依頼し、まわりめぐって日本に円が戻ってくる。中には日本に戻らず、そのまま外国で流通する円もあるが、その方が国内のインフレを防げるし、海外における「円経済圏」の形成になるので、まったく悪いことではない。


 ローンとはいえ、円借款の金利は非常に低いし、何かあれば、日本政府が相談(返済猶予など)に乗ってくれるので開発途上国は安心。どこかの国のように施設や港を差し押さえたりしない。また、開発事業者である日本企業は、お金の出所がはっきりしているので、リスクの大幅な軽減となる。海外で親方日の丸が通じるのはどれほど心強いことか。


 ODAを通じて円借款すれば、海外での円の流通量が増え、円で取引できる「円経済圏」の拡大につながる意義は非常に大きい。域内の円建て決済が増えれば、為替リスクや取引コストが減り、企業進出や貿易が促進される。日本人が旅行に行った際も現地でそのまま円が通用し、円で現地のモノが買える。


 円は米ドル、ユーロに次いで、世界で3番目に取引総額の大きな通貨だ。米ドル、ユーロとともに、ハード・カレンシー、三大通貨とも呼ばれている。その地位を築けた要因として、ODAを通じた円借款の果たした役割は大きい。


 戦前の日本は大東亜共栄圏の構想を抱き、アジア諸国との共存共栄を志していたが、戦後、その夢はほぼ叶ったと言っていいだろう。残念ながら一部の国の指導者は覇権主義の亡霊に憑りつかれ、周囲の国に脅威を与えているが、早く浄化されて大人しくなってほしいものだ。


 日本のODAの目的は、国際社会の平和と発展に貢献し、それを通じて日本の安全と繁栄を確保することだ。具体的には、貧困・紛争・感染症・環境問題などの地球規模の課題解決、開発途上国の経済社会基盤整備・人材育成、そして「人間の安全保障」の推進を通じて、Win-Winの関係を築きながら世界と日本双方の利益を目指す外交・安全保障政策の一環と位置づけられている。


「海外援助は無駄」という議論があるが、僕はそれに与しない。援助を通じて相手国との関係を強化し、国際社会で主導的な役割を果たすことができるようになる。国際社会での信頼と評価を高めることは日本の国益に大いに適うことだ。


 今はほとんど無くなったが、戦後間もない頃は戦勝国によって日本悪玉論が世界中に流布され、日本は辛い立場にあった。だが積極的に国際貢献することにより、それを解消していった。国際貢献こそが世界で日本が活路を見出す道であり、今後もそうあり続けるべきだろう。その先に世界平和がある。


 そうそう、ODAは円借款だけでなく、ドル借款もある。日本は円の発行国だから、円を保有してるのは当然だが、実はドルもかなり保有してる。


 どうしてドルをいっぱい持っているのか? 

 それは長年コツコツ買ってきたからだ。何で? 円でだ。


 経済成長期、日本企業はアメリカなどへの輸出で稼いだが、この際、相手国からドルを受け取っていた。日本企業は国内の社員に給料を払うため、ドルを円に換える必要があり、為替市場でドル売り円買いをしたが、これにより、円高ドル安に振れることになる。外国で日本製品を売れば売るほど、円高になるのはこういう仕組み。それに円が上がるとなると、投資家も円買いに走り、ますます円が高くなる。


 昔は1ドル360円という固定相場制だったから、そういうことはなかったが、ニクソンショックを受けて変動相場制に移行し、1ドル300円、1ドル200円、という具合にどんどん円高が進むことになった。


 円高ドル安になればどうなるか? 海外の日本製品がドル換算で高くなるため、売れなくなる。そうなると輸出に注力する日本企業に大きなダメージとなり、国内の税収が減る。


 それでは日本が困るということで、日本銀行が市場介入(円売りドル買い)し、円高ドル安の是正をしたのだ。原資の円は主に信用創造によるもの。俗にいう日銀砲というものだが、最も有名なのが2004(平成16年)始めに行なわれた大規模な市場介入だろう。この前年夏頃より、イラク情勢の影響を受け、投資ファンドは近く円高ドル安が来るだろうことを見越し、円買いを進めていた。このため、1ドル=117円程度で落ち着いていた円は高騰、1ドル=105円まで値上がりした。この時、伝説の日銀砲が火を噴いたのだ。


 その時の様子を描いた有名なコピペ(ネット掲示板の書き込み)がある。


□-------------------------------


 日銀砲の威力


 日銀上司「いいか、これから1分ごとに10億円づつ

      円売りドル買い介入を行う」

 日銀部下「1分ごとに10億円も?」

 日銀上司「そうだ1分ごとに淡々と売り続けるんだ。

      これから24時間売り続けるんだ。」

 日銀部下「24時間ですか?」

 日銀上司「そうだ。為替相場に終わりは無いんだ。もちろん

      交代要員も用意してあるが出来るだけ頑張ってくれ。」

 日銀部下「は〜?・・・でも1分間に10億円だと1日に1兆円以上

      の資金が必要ですが?」

 日銀上司「今、30兆円用意してある。当面はこれを使う」

 日銀部下「それを使い切ったらどうするんですか?」

 日銀上司「財務省が保有している200兆円もの米国債のうち、

      比較的短期のものを最大100兆円売って新たな介入資金を作る」

 日銀部下「米国債なんか売っちゃっていいんですか?」

 日銀上司「円売りで買ったドルで新たに米国債を買い、

      国庫に返還するので問題は無い。とにかく相手が

      折れるまで淡々と売り続けるんだ。休んだらヘッジの

      思う壺だ」


 これを35日間続けました。

 この結果アメリカのヘッジが2000社倒産しました

 その結果、米国内で行方不明になったり自殺した人も大量にでた。

 死屍累々。ある米国人ヘッジが言った 「今後日本に手を出すな」


□-------------------------------


 創作だが、日銀砲が火を噴き、円高を止めたのは本当のこと。

 これにより、日本は国内の輸出企業を守ることができた。


 ちなみに2008年(平成20年)、サブプライム問題(信頼性の低い人に対するローンが破綻した問題)により、ドルとユーロが暴落し、それに伴い円が高騰して、1ドルが100円を割り込み、日経平均株価も1万円を割り込む、危機的状況となったが、当時の政権が無策無能だったため、日銀砲が火を噴くことはなく、極端な円高で日本経済は窮地に追い込まれた。円高による企業倒産に歯止めがかからず、希望の星であった国産の半導体メーカーも倒産してしまったんだよな。あの時代は本当に悪夢だった。


 日本の半導体メーカーの倒産を喜んだのは、とある国だが、あの政権はその国にスワップ枠を勝手に拡大したし、本当にろくでもなかった。裏でその国とつながっていたのだろう。実際、幹部がその国の民族団体の会合に出席していたしな。


 話を戻そう。いずれにしても、過去の日銀による介入(円売りドル買い)などにより、国はドルをかなり保有しており、それを発展途上国への融資に使えるということだ。だから、首相や大臣が海外に億や兆の援助(円単位)をしても、国民はそんなに心配する必要はない。おそらく原資の大部分は税金ではなく信用創造によるものだ。


 日本の外貨準備高は中国に次ぎ世界第2位で、約1.3兆ドル、1ドル150円で換算すると、195兆円だ。ここから、100億円、1000億円、援助したって、どうということはない。


 2022年、インドに対し、官民総額5兆円の投資を約束したが、高速鉄道や都市インフラ整備支援、脱炭素分野での協力強化などが目的で、日本の新幹線方式を採用できたのも、これがあったからだ。マスコミの報道では「5兆円援助」の見出しが躍り、まるで日本がインドに5兆円を与えるかのようなミスリードを誘うものだったが、実際は「あげる」のではなく「貸す」のであり、5兆円の出所も大部分は税金ではない。海外に援助することによって、日本の国民が貧しくなる。よって、海外の援助はしない方がいい、と持っていきたいのが見え見えだ。そんな報道ばかり見れば、


「海外に回すお金があったら、国内に回して欲しい」


 という気持ちが生じるのも理解できる。僕も事情を知らない頃はそう思っていた。だが、国内で大金を一気に放出したらインフレになってしまう。円が少ない海外だからこそできる離れ業だ。国内で野放図に円の供給量を増やすわけにはいかない。よって、日本の景気(金回り)を良くするには、給付金などでお金を配るのではなく減税の方がいい。これならインフレを抑えられる。


 手続き的にも、回収したり、信用創造したりして、お金を準備し、それを配るより、最初から取らないのがもっとも無駄がない。しかも、中抜きが発生せず、そこに群がる虫どもを排除できる。


 国が保有するドルを円に換え、それを減税の財源にすれば良さそうに思えるが、ドル売り円買いすると、円高要因となるため、これまで大規模に実施できず、それゆえドルで米国債を買うということをしてきた。長期保有するならドルより米国債の方が有利だからね。


 だが最近は、1ドル150円台という円安の状況なので、国が保有するドルを円に換え、それを減税の財源にして良さそうな状況になっている。長い間、海外の為にしか使えなかったドル資産を国内のために使える好機が到来したのだ。しかも今保有するドルはドル安の時に買ったものだから、今売れば、それだけで為替差益が発生する。これを財政健全化の財源に充てたらどうだろうか。ドルの大量売りはアメリカの顔色を伺う必要があるが、幸い、アメリカも円安ドル高の是正を望んでいる。やるなら今だが、タイミングを計っているのかもね。


 円高は国内の物価を上げるのがデメリットだが、輸出企業にとっては追い風になるからね。それにより、税収も増えている。またインバウンドで観光収入が増え、地域活性化に貢献している。輸入品の物価が上がるのだって、逆転の発想をすれば、国産品の回帰につながるからな。それに海外に進出した企業の一部が国内に戻ってくるので雇用が増える。


 さらに円安になれば、ドルベースで日本株が安くなるので、海外投資家が購入に走り、東京証券取引所の日経平均株価は5万円を超え、史上最高値を更新している。5万円越えはバブル期でもなかった数字で、実は円安は総合的に見て日本経済に恩恵をもたらす部分が大きい。


 よくよく考えれば、日本の高度経済成長期は今よりもっと円安だった。その状態に近くなっているわけだから、輸出企業が勢いづくのも当然だろう。今の日本は円安でブーストがかかっている状態だ。これじゃ政府も簡単に是正しないよな。国民が物価高で苦しんでいるが、それをうまく国産化につなげ、自給率アップにつなげられる。


 ただ、日本の土地も安くなってしまうので、海外勢、特に敵性国に買わせないためのルールづくりと運用が必要だ。日本に来て日本のモノを買うならいいが、土地は国家の三要件のひとつであり、これを外国人が簡単に買えるのは本来おかしい。永住許可がおりた者など対象者を制限するべきだ。


 あと、中国など外国人の土地購入を認めない国に対し、日本も認めるべきではない。相互主義の観点から、それは当然のことだ。中国では外国人が中国に会社をに設立する際、49%までしか株式の保有を認めず、自国の企業が決定権を持つことにしているが、であれば、日本も中国に対して、そうすればいい。それが公平というものだ。


 海外援助に話を戻すと、これは移民対策にもなる。日本はこれ以上、移民を受け入れるべきでないのは、日本の為にならないからだが、同時に移民を出す国の為にもならない。例外はあるももの、誰が好き好んで自国を離れ、他国で働きたいと思うだろうか。ほとんどの人は生まれ育った自国で働きたいはずだ。それでも自国を出るのは自国に働く場がないからだ。


 ならば、その国に日本企業が進出し、その国の人を雇えばいい。そうすれば丸く収まる。日本はお金や技術を提供し、その国は資源や労働力を提供する。こうすればWin-Winだ。


 日本への移住を希望してる人の中には、日本が心の底から好きという人もいるだろうが、実際はそれより、致し方なくという人が多いと推察する。はっきり言えば出稼ぎのためだ。前者と違い、このタイプは日本に特別な思い入れはないので移民として受け入れるべきではない。その代わり、日本企業がその国に進出し、彼らを雇えばいい。その方がずっと健全だ。呉越同舟ではダメ。


 どこかの国は海外に企業が進出しても、現地の人を雇わず、自国から大量に人を引き連れ、現地にお金を落とさないというあこぎなことをしているが、そんなことをすれば、国の信頼が落ち、反発を招くだろう。日本はその反対なので、国の信頼が上がり、好感を持たれている。


 国内で人が足りないからと言って、安易に外国人に頼ることは反対だ。不足してる職業は日本人がやりたがらないものが多いが、日本人がやりたがらない職業を外国人にやらせようとするなら性根が腐っている。介護だろうが、土木建築だろうが、運送だろうが、自分たちのことは自分たちでするべきだ。


 ある国は、手を汚さない綺麗で楽な美味しい仕事は自国民でやり、そうでない仕事は他国民にやらせ、まるで階級社会の様相を呈しているが、そんなことをしたら、まわりからどう思われるか。移民を受け入れているから感謝される? いや反感や嫉妬を抱かれるだろう。出稼ぎの移民を受け入れても、国際的な信頼を高めることは難しい。


 あと、援助というと少しニュアンスが違うかもしれないが、最近、日本はアメリカの高関税を回避するために、アメリカへ80兆円投資することを決めた。これも案の定、マスコミがギャーギャー騒いだが、実際の投資金の大部分は日本の大手民間企業が担うものであり、税負担は限定的だ。投資先は半導体、AI、医薬品、造船など経済安全保障分野が中心で日本の利益にも適う。


 利益の9割を米国が受け取り、1割を日本が受け取るという報道がされたが、日本政府は「失ったのは数百億円程度」と説明し、関税回避によるメリット(10兆円規模)を強調しているが、これについては日本政府の説明が正しいだろう。それに1割戻ってくれば御の字だ。10年で回収できる。もっと期間を要する案件だってたくさんあるんだから騒ぎ過ぎ。


 もともと日本は世界でもっともアメリカに投資している国であり、2024年に120兆円にも達している。今回の件がなくても日本企業はアメリカに投資する予定であった。それを大々的に発表したに過ぎない。


 マスコミが外国への援助や投資をネガティブに書きたがるのは、それが日本の国際的な立場を強めることを知っており、その邪魔をしたいからだ。彼らは日本が世界で信頼され、評価が上がることが気に食わなくて仕方ない。何が何でも泥をかぶせたいのだ。ほんとにどこの国の人間なのやら。


 円安の不安を煽る報道もそう。物価高はあるものの。他国の物価高に比べれば、かなりマシな方。輸出企業が業績をあげ、国の税収が増え、日経平均株価が上がり、インバウンド需要が増え、海外に移転した工場の一部が日本に戻り、求人が増え、食料や資源など、高くなった外国産から国産に変える動きが増え、全体的に見て日本経済にプラスのことが多い。円安で日本への出稼ぎが減るだろうから移民抑制にもなる。


 こうして見ると、円安は今ある日本の様々な問題を一気に解決してくれる神の一手かもしれない。GDPなどの指標はドルベースなので下がるが、そんなものは気にする必要はない。重要なのは表面上の数字ではなく実態の経済だ。それに日本はドル資産をかなり保有してるので、リスク分散ができている。


 それなのにマスコミは、まるで円安によって日本経済がダメになるかのような論調を展開する。なぜか? それは円安によって日本経済が強くなることを彼らは望まないからだ。円安により日本の輸出競争力が強くなると、相対的に輸出競争力が弱くなる国があるからね。その国と裏で通じている記者は気が気でないのだろう。


 円安で日本が滅ぶ? 嘘を言うな。

 1ドル200円の時、日本は滅んだか? 

 1ドル360円の時、日本は滅んだか?

 怒涛の勢いで経済成長していたではないか。


 かつての日本はメイド・イン・ジャパンで世界を席巻したが、品質は高いものの、円高で価格競争力を失い、ジリ貧となっていた。だが今回、円安になったことで価格競争力が高まり、再び日本製品が世界で売れまくっているのだ。アメリカの関税15%にしても、円高でそれ以上に価格競争力がついているから、実はどうということはない。1ドル120円から150円になれば、ドルベースで20%も安くなる。1ドル160円になれば、さらに勢いが増すだろう。最大のライバルである中国が市場から排除されつつあるのも好材料。こういう客観的事実をマスコミはもっと報道しないと。

 最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、いいね、ブックマーク、評価をして頂けると大変有難いです。

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