第1803話 財政健全化13
続きです。
新技術の開発は、人間の欲望に突き進みかねない、という危うい面はあるものの、それを理解した上で賢明に避け、今後も続けるべきと考える。というのも日本は匠の国、ものつくりの国であり、新技術を使った商品を世界に売ることにより発展してきたからね。
バブル経済崩壊(1991年頃)後、30年の構造転換期を経て、日本は貿易大国から投資大国へ変貌しつつあるが、投資と言っても、単にお金を貸したり、株を買うような、浮ついたものではなく、海外に製造拠点を展開し、そこに資金と技術を投じ、現地の労働力と資源を活用して、利益を得るもので、そこに汗水たらして働く要素がある。単に右から左へお金を動かすだけの金融とは性質が違うのだ。
日本の投資は外国と協力し、共存共栄を目出すもの。
労働の要素がそこにある。不労ではない。
たまに日本は金貸しで稼ぐようになったと語る者がいるが、実態を把握していない。金融という商売がある以上、そういう面があることは否定しないが、それが主ではない。海外でプロジェクトを組んで事業を行う場合、プロジェクトファイナンスというのがあったりするが、それも、ただ貸して終わりということはなく、プロジェクトを成功させるため、現地に入り、現地の人と一緒に働く。金を出すが、出すだけで終わりではない。そこから関係が広がっていく。
よって、投資大国になっても、新技術の開発は継続すべきであり、所有(株式保有)と経営を分離せず、あくまで自ら海外に展開する小会社(株式保有会社)を経営するスタイルでいくべきだ。人の褌で相撲を取る金融大国は目指すべきではない。自分で経営する会社の株式を持つのはいいが、そうでない会社の株式を買い、その値上がり益と配当金を目当てに生きる会社(持ち株会社)はまるで人の生き血を吸う寄生虫のようだ。他人の労働成果を横取りして、ご飯を食べて嬉しいか? そんな人生まっぴらごめんだ。
僕らはここに借りを返すために来た。借りを増やすためではない。
働くことによって、お金を得る。そして、そのお金を貯め、必要に応じて、消費や投資をする。これが正しい経済のあり方だ。働かずにお金を得たり、欲望を満たすため、借金してモノを買ったり、お金を貸して不労収入を得る行為は経済の形を歪めるもの。人の生き方としても正しくない。
さて、次に進もう。次は(八)農業の保護だ。これについて先ず言えるのは、
日本の自給率の低さだ。カロリーベースで約38%、これはG7諸国で最低だ。
カナダ 204%
フランス 121%
アメリカ 104%
ドイツ 83%
イギリス 56%
イタリア 55%
日本 38%
これは2021年度のデータだが、今もそんなに変わらない。
日本は2024年度も約38%のまま。
原因はいくつもあるが、最大の原因は、農業の保護が不十分な状蓼で市場を海外に開放し、海外の安い農作物がどっと国内に流れ込んだことによるものだ。貿易自由化のため、仕方ないと思われがちだが、日本に大量に農産物を輸出してる国は自国の農家に多額の補助金を出しており、しっかり保護している。
例えばアメリカは農産物において自国で保護主義を採用しつつ、日本に自由貿易を迫るというダブルスタンダードをやってのけた。まったくもっておかしな話だが、自動車などをアメリカへの輸出に頼っていた日本は強く出れず、譲歩せざるを得なかった。
ただ、日本は主食のお米を守ることができ、これは今後も維持してもらいたい。日本は今のラインを維持しつつ、農業の振興に力を入れ、自給率向上を目指すべきだ。100%が最善だが、そこまでいかずとも、80%ぐらいまでは上げてもらいたい。8割自給できれば、腹八分で何とかなる。
自給率を上げるために政府がすべきことは多い。農業人材の育成、農地の維持・集約化を進め、農業基盤を強化する。労働生産性を高め、効率的な生産体制を構築することにより、スマート農業を導入する。農家の所得を下支えする補助金制度を強化する。それと安定供給体制の構築だな。業務用加工品や米粉用米など、需要に応じた国産品の生産体制を整備する。
スマート農業とは、AI・ロボットなどの先端技術を農業に活用し、省力化、生産性・品質向上、経営の合理化、環境負荷低減などを実現する新しい農業の形。経験や勘に頼っていた作業をデータ化・自動化することで、深刻化する担い手不足の解消や、新規就農者の参入促進を目指す。
また、国民もできることが多い。食料・農業に関心を持ち、なるべく国産・旬の食材を選び、米中心の和食を心がける。パンも米粉のものを食べる。地産地消を意識し、食べ残しをなくす。また関連団体が、食育や食品ロス削減、国産消費拡大キャンペーンなどを展開するといいだろう。
自給率にこだわる理由は、食は人の命を健康に直結し、それを外国に抑えられるということは、それ自体が国のとっても国民にとっても大きなリスクとなるからだ。単に経済合理性だけの話ではない。いくら安くても、それで命と健康を外国に握られたら愚の骨頂。工業先進国であっても、それは変わらない。
お金はたくさんあるけど自給率30%の国と、お金は普通ぐらいで自給率100%の国なら、後者の方が安定している。どんなにお金があっても、食を断たれたら終わりだからね。食は生命線であり命綱。
だが、政府の対応の不味さもあり、現在、お米の値段は5㎏あたり4,000円台後半が相場で高止まりした状態が続いている。一方、アメリカ米は5㎏あたり3,000円前後であり、価格差がかなり大きい。これでは「国産米を食べて自給率を増やそう」とは中々ならないだろう。
しかし、アメリカ米は安い。遠いアメリカから船で運ばれて経費がかかり、さらに関税もかかっているのに、この値段だ。アメリカ政府から補助金を受け、大規模農場で効率的に作っているからだが、安さだけに魅かれて買うことに懸念を禁じ得ない。
と言うのも、お米をはじめとするアメリカの農産物には、グリホサートという成分が入った農薬が使われているからだ。このグリホサートは、2015年にWHO(世界保健機関)の専門家機関により、グループ2A(おそらく発がん性がある)と評価されている。つまり、発がん性の疑いがある(強い)ということだ。
グループ1 発がん性がある
グループ2A おそらく発がん性がある
グループ2B 発がん性がある可能性がある
グループ3 発がん性について分類できない
グループ4 発がん性がない
上から2番目の等級であり、「ある」と断定していないものの、
それに近い状態ということだ。この意味は非常に大きい。
食は単に安ければいいというものではない。
価格以上に安全性が求められる。
2018年8月、アメリカ・カリフォルニア州のサンフランシスコ地裁は、「がんになった原因は除草剤の成分(グリホサート)によるものだ」と訴えていた原告(末期がんの男性)の主張を認め、農薬メーカーの会社に2億8,900万ドル支払うように命じたことは象徴的だ。(後に7,800万ドルに減額)学校の用務員だった原告は校庭に農薬を繰り返し散布し、体内に吸収して被害を受けたというが、同様の訴訟がアメリカで数万件も起きているのだ。
アメリカ国内でも問題となっている農薬が使われた農産物をホイホイOKにして本当に大丈夫なのだろうか? この後、がんが増えたら、国は責任を取ってくれるのだろうか? 取るわけがないし、取るつもりもないだろう。本当に無責任なことをしてくれる。
グリホサートには、発がん性だけに留まらず、自閉症、神経毒性、生殖や出産への影響など様々な人体への影響が指摘されており、アメリカ、ヨーロッパ、カナダなどで規制が広がっているが、日本ではこの動きに逆行し、2017年にグリホサートの残留基準値を大幅に緩和するという暴挙を行った。
小麦 5ppm → 30ppm(6倍)
てん菜 0.2ppm → 15ppm(75倍)
大麦 20ppm → 30ppm(1.5倍)
ライ麦 0.2ppm → 30ppm(150倍)
とうもろこし 1ppm → 5ppm(5倍)
そば 0.2ppm→30ppm(150倍)
ごまの種 0.2ppm → 40ppm(200倍)
ひまわりの種 0.1ppm → 40ppm(400倍)
以前の基準だと高い確率で検出(OUT判定)したため、そうならないよう、外国の圧力を受けて基準を上げたと推察するが、それじゃ、いったい何のための基準だ。パブリックコメント(厚生労働省の意見公募)では、数多くの反対の意見が寄せられ、賛成する声はなかったらしい。
このデータを見ると、そばを食べるのが怖くなってくる。食べるなら国産にした方がいいだろうが、外食では原産地表示がないので、ないものはほぼ輸入ものだろう。健康にいいと思って、そばを食べたのに、実は発がん性物質を体内に摂り込んでいると知ったら、多くの人はショックを受けるに違いない。
こういう情報こそ、もっと表に出すべきだが、政府は国民から追及されるので隠そうとし、食品メーカーは売上が下がると困るので隠そうとし、マスコミはスポンサーである食品メーカーに忖度して報道しない自由を発動する。
日本では、ひまわりの種を食べる人は少ないだろうが、このデータを見ると、リスなどのペットに与えるのが躊躇われる。可愛いペットをがんにさせたくないもんな。ごまも国産でないと怖い。
国の役割に防衛があるが、それは軍事だけでなく食も含まれる。軍事であっても兵站は重要だが、これは平時から一貫して取り組むべきものだ。こういう事例に触れると、日本は本当に独立国なのか? という疑念すら湧いてくる。いったいどこを見て政治をしてるのやら。おそらく、そこかしこに外国を利するために動く工作員が紛れ込んでいるのだろう。本当に日本人の生命と健康を大切に考えるなら、こういう売国的判断は下さない。
国産の米が高いので麺類やパン類に代替する消費者も多いだろうが、小麦は多くが輸入ものであり、グリホサートを使用してる可能性が高い。以前の基準なら、はじいてくれたが、外圧に負け、そのまま入ってくるようになってしまったのが痛すぎる。
欧米では減っているガンの死亡者数が日本では逆に増 えている。 2人に1人がガンになり、3人 に1人がガンで死ぬ。 死因の第1位がガンである状態は40年以上続いているが、間違いなく食生活の影響が大きいだろう。
こういうことがあるから、僕は食の自給を大切だと考えている。その為にはお米が鍵だ。これを増産し、さらに米粉を増やして、パンや麺も米粉のものを普及させるのだ。国産なら小麦粉でもいいが、とにかく海外産の炭水化物を減らす。過去の減反政策の影響で日本には休耕地がたくさんあり、これを稼働させればいい。
原発もそうだが、水田もそう。使えるのに使わないのはもったいない。エネルギーも食も国内でまかなえる分はしっかり国内で利用する。その分までわざわざ外国に頼る必要はない。国富を流出させ、国を不安定にさせるだけだ。
江戸時代とそれ以前、日本は海外に頼らず、自給(ほぼ100%)できていたが、実は明治、大正、昭和のある時期まで高い自給率を誇っていた。戦後直後の昭和21年(1946年)でも自給率88%だったからね。それが、昭和35年(1960年)に79%、昭和50年(1975年)に54%、平成2年(1990年)に48%という具合に一貫して減り続けた。
データから判ることは自給率低下は戦後からであり、間違いなくGHQによる戦後政策の影響であろう。彼らは日本を自立できない国(アメリカ依存の国)にするため、軍隊を奪ったが、同時に食を選ぶ権利も奪った。それまでパンを食べる習慣がそれ程なかった日本に、どんどんパンを普及させ、アメリカ産の小麦が浸透するようになった。これにより日本は胃袋をアメリカに掴まれるようになってしまったのだ。
学校給食でもパンが出され、それに合わせ、牛乳が出されたが、これは欧米流をそのまま持ち込んだものであり、日本人の体のことを考えたものではなかった。日本人は古来米食中心のため、小麦粉に含まれるグルテンを消化する能力が欧米人に比べて低い傾向にあり、実際、日本人の約7~8割はグルテンが体質に合わない可能性があり、消化しにくく、腸壁に付着しやすい。それにより、アレルギー反応を起こしたり、腹痛・肌荒れ・慢性疲労・集中力の低下・気分の落ち込み、などの不調の原因となっている。
また、欧米人に比べて乳製品を食べる習慣が少なかった日本人は乳糖不耐症の人が多く、牛乳の乳糖を分解する酵素であるラクターゼが少ないため、お腹がゴロゴロしたり、下痢をしたりすることが度々あった。牛乳はカルシウムが多くて健康にいいとされるが、牛乳を大量に摂ると血中カルシウム濃度が急上昇し、余分なカルシウムが必要以上に排出されて、逆に骨が弱くなるという説もあるんだよな。
他にも、牛乳はカルシウムが豊富だが、マグネシウムは少ないため、過剰摂取でカルシウムとマグネシウムのバランスが崩れ、骨からカルシウムが溶け出す「脱灰」を促進する可能性が指摘されている。
カルシウムは骨の素材になるだけでなく、神経細胞にとって「信号」を伝える重要な役割を果たしており、これが不足することで神経が過剰に興奮したり、逆に反応が鈍くなったりする。その結果、精神的に不安定になりやすく、イライラしたり、怒りっぽくなるが、その際、牛乳を飲むといいと言われたりした。だが牛乳を過剰に摂取すると、かえってカルシウムを輩出し、逆効果になる可能性がある。
戦前に比べると、戦後の子供は、辛抱ができず、落ち着きがなく、情緒不安定で、すぐキレる。と評されることがあるが、食の欧米化の影響があると推察する。もっと国産の食材を摂り、和の食事を心がけてほしいものだ。それこそが日本人の心身を整え、本来のあるべき状態にしてくれる。
健康で長生きしたければ、健康に適した食を摂るのが基本だが、その際、腸を気にするといい。人の体は健康に悪いものを摂ると腸が悲鳴をあげ、お腹を壊すようにできている。そのひとつがリーキーガット症候群だ。
これは、腸のバリア機能が低下し、未消化物や毒素などが腸から漏れ出して血液中に侵入し、全身の様々な不調や慢性疾患(アレルギー、自己免疫疾患、疲労、肌荒れ、集中力低下など)を引き起こす状態で、腸管漏出症候群とも呼ばれるが、原因は、小麦のグルテン、アルコール、ストレス、食品添加物、薬剤など多岐にわたり、症状が出た場合、食事(グルテンフリー、添加物控えめ)や生活習慣の見直しで改善される可能性がある。
小麦のグルテンにしても、牛乳の乳糖にしても、日本人は耐性のない人が割といるので、それらを摂って体の不調を感じるなら、やめるのは賢明であろう。小麦粉は米粉に変えればいいし、牛乳は豆乳に変えればいい。と言っても、外国産のお米と大豆ではグリホサート摂取のリスクが付きまとうから、国産由来が良く、そのためには、生産・流通・販売・消費に関わる人たちが一丸となって取り組んでいかないとな。
今は国産のものが高いが、それは消費者が安い外国産を選ぶからだ。国産のものを選ぶ人が増えれば、生産・流通・販売が増え、やがて安くなっていく。この好循環をつくるため、政府は積極的に支援するべきだ。食の国産化の奨励、それはどこの国もやっていることだ。遠慮する必要はない。
その昔、政府は減反政策という愚行を犯した。農家の米作りを上から押さえつけて制限し、それにより米の供給量が減り、消費者は割高なお米を買わされることになった。政府は減反した農家に補助金を支給したが、税金を使って生産量を減らしてどうする。
余るぐらいたくさん採れるなら、米粉にして活用すれば良かった。そうすれば、外国産の小麦粉を減らし、自給率の改善につながったはずだ。また、日本のお米は海外で人気があるので輸出だってできる。国民が必要とする量以上採れたって、まったく困ることはない。海外に援助したっていいんだし。
とにかく今、お米をつくる体制作りが緊急の課題だ。日本の米農家は高齢化と後継者不足が深刻で、約9割が60才以上、稲作農家の平均年齢は70才を超え、生産量の維持が困難になっている。こうなる前にもっと早く手を打つべきだったが、長年の農業政策の怠慢がこの事態を招いてしまった。それにより国産のお米の出荷量がジリジリ下がっているが、今の米不足は天災ではなく人災だ。
今、お米を守らないと、外国への食の依存度を増し、海外の情勢に振り回される不安定な国となってしまうだろう。そうなれば、ますます海外にものが言えなくなり、外交的自主性まで脅かされる。それだけは絶対に避けなければならない。国難と捉えて対処するべきだ。
日本人にとってお米は単なる食べものではなく特別なもの。天照大御神が孫のニニギノミコトに神聖な稲穂を授け、「これで米を作り、国民を豊かにせよ」と命じたことから、日本は「豊葦原の瑞穂の国」と呼ばれるようになり、お米は日本の豊かな国づくりの源、神様からの授かりものとして、今日まで大切にされてきた。この伝統を何としてでも守らないと。
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