第13話 商売繁盛
開店から半年ほど経過したが、売り上げが急上昇中だ。山で取れた自然素材以外はほとんど【加工】レベル2(品質改善)をしてるため、当然と言えば当然だ。値段も適正な価格にそろえている。決して暴利をむさぼることはしない。みんなにしっかり給与を払えてるし、護衛の二人にも以前に借りていた盗賊の報奨金を倍返しした。それぞれ金貨二百枚、日本円で二千万円だ。しかし二人とも受け取ろうとしない。聞くと「失くすから」とか、「落とすから」とか、「使わないから」とか、言ってくる。しかたないので収納で預かっておこう。本人から希望があればいつでも手渡ししたい。
「アレス様、売れ行き絶好調です。業務を拡大したらいかがでしょう」
「そうだな。今の店はこのままでいいとして、いずれは中心部(王都)で大きな店を持ちたいな」
「それでは業務を広げつつ、中心部の物件を調べておきます」
「頼むよ」
この姉弟は本当に商才がある。販売や煩わしい手続きは全部、代行してくれる。そのお陰で商品の開発、製造に集中できるのだ。
護衛の二人も武器の販売が増え、そこそこ忙しくなっているようだ。だが店内の仕事ばかりではストレスがたまるだろうから、交代で息抜きを許している。息抜きと言っても、二人の場合は店裏で剣の素振りをしたり、朝夜、山で魔法の練習をしたりだ。最近、魔物討伐に行けてないので、今度の休日にでもいくか。
――――
――――――
開店から一年後
ついに中心部(王都)に二号店を開くことができた。一号店は平民、一般向けだったが、二号店は高級エリアであり、貴族向けとなる。扱う商品も高級なものを揃えた。ここの開店にあたっては大商人イムルの力に頼った。この中心部エリアは実は王都と呼ばれる場所でもあり、王室御用達の店も多いそうだ。そしてこの地で商売するために、貴族特有の流儀もイムルに教えてもらった。そして従業員も少しずつ増やしていった。
「一号店の店長は弟のバーモ、二号店の店長は姉のメラルに頼む」
「自分は山の家で商品の準備に専念し、定期的に店に商品を持ってくる」
「午前中に一回、午後に一回、巡回に行くから、その時に店の報告をしてほしい」
「「分かりました!」」
今まではお店の護衛や武器の販売でテネシアとイレーネには苦労をかけたが、新しい従業員を増やし、本来の仕事である僕の護衛に専念できることになった。今まで助かった。二人に感謝だ。
この世界に来てから、スキルもレベルアップした。
【収納】レベル1(そのままの状態)→レベル2(収納内で分別分解可能)
【転移】レベル1(一度確認した場所)→レベル2(千里眼で確認した場所)
【加工】レベル1(品質不安定)→レベル2(品質改善)
【複写】レベル1(物だけ)→レベル2(物以外:スキルも)
特に転移は千里眼スキルとセットでレベルアップし、行ったことが無い場所でも千里眼でイメージできれば、行けるようになった。また複写は物以外のスキル等も可能になったため、他人のスキル攻撃に触れたら、今度は自分がそのスキルを使えるようになるらしい。でも痛いのは嫌なので、今のところ未経験だ。
<二号店(王都店舗)にて>
「この剣は素晴らしい。こんな剣は見たことがない!」
「このアクセサリーも綺麗だわ!」
連日、貴族や騎士が訪れる。お目当ては武器や宝飾品だが、高額でも高品質のため飛ぶように売れている。現在は鎧や防具にまで人気が広がっており、王宮にも噂が届くようになったとか。もっと品質を上げないとな。
最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。もし拙作を気にいって頂けましたら、評価やブックマークをして頂けると大変有難いです。




