第114話 ヨウス森林地区の開発
王城から帰り、テネシアとイレーネに、以前いた森が自分の領地になったことを伝えるとびっくりしながらも大いに喜んだ。まあお互い、勝手に利用していた負い目は多少あったからなぁ……今後は自由に使えるので結果オーライと解釈しよう。
「……しかし、開発ってどうしようか?」
未開発で領民ゼロ、代官不在だから、今のところ領主としての責任がほとんどない。資源が出たら二割を献上するだけだ。なので、資源だけスキルで集めて一部献上するのもあり。これなら、大した開発もいらない。僕だからできる話だけどね。でも……これでいいのか?
自分一人で完結してしまったら、領地運営に……ならないな……ここは領民ゼロだから、ある意味、無人島と同じ。なら無人島の開発を参考にしようか? チートで森林地区の麓に居住地区をつくり、そこから資源採掘場所まで、行きやすいようにお膳立てするか? インフラだけお膳立てすれば、やりやすいよね。
あとは人だな。無人島の場合、漂流船や避難民で、たくさん集まったけど、ここはどうするかな。募集するか? でも林業、鉱山は重労働だからなぁ……
林業と鉱山なら、林業の方がハードルは低い。鉱山は場所が奥過ぎるし。林業なら麓近くでもできる。外から来た人には林業、鉱山は僕のチートスキルだろうな……
とりあえず、山の麓に二百人程度の小さな村をつくり、そこで木を切って、木材にしてもらい、商会に買ってもらうようにするか。人は領内から募集しよう。
~~村づくり開始~~
山の麓の平地で、王都寄りの場所を定める。この辺りでいいかな。
「【収納】【収納】【収納】【収納】【収納】!」
「【加工】【加工】【加工】【加工】【加工】!」
「【複写】【複写】【複写】【複写】【複写】!」
木や土が堀り起こされ整地され、その上に木材で家が組み上がっていく。住居、仕事場、村長(代官)の館、集会所、炊事場、等どんどんできあがっていく。道も近くの街道まで整備し、獣が入ってこないよう、村を壁で囲った。だいたいこんなもんだろ。のこぎりや家具等もたくさん作ろう。
~~人材募集~~
ヨウス森林地区の麓で、村民(林業従事者)募集
森の木を切って、木材を作り、出荷する仕事
住居あり 家族と住めます。
現在、仕事やお金がなくて困ってる方へお勧め
こんな感じで領内で商会を通じて募集したところ、百人ほど集まった。まずまず。早速、希望者を村へ集め、説明会を開催した。
~~入居説明会~~
一通り説明した後の質疑応答。
「家はどこに住めるんですか?」
「代官が割り振るので、相談してほしい」
「何もない状態で来ましたが、すぐ生活できますか?」
「初期の食料、生活必需品を揃えてあるので大丈夫だ」
「森には危険な獣はいませんか?」
「危険な獣はずっと奥の方にいる。ただし警戒は必要だ」
「木材を作るほどお金になるのですか?」
「その通りだ」
「木材は買い取ってもらえるのですか?」
「商会が買い取る」
こんな感じで説明が終わり、居住も開始された。代官はメラルの紹介でウリナスという元商会スタッフの男性を選んだ。
当面、自立できるまで面倒を見るつもりだ。僕もこの世界に来た時に初期の衣食住等の準備品があって、どれほど助かったことか、身に染みている。
そして、後から熟考したけど、鉱山の件は当面、胸にしまっておくことに決めた。
理由としては……
場所が悪すぎる(森の奥、魔物が多い、ウラバダ王国近く)
鉱山労働求人の厳しさ
国境側にあり他国に狙われる可能性
今の情勢ではそっとしておくのが無難と感じた。情勢が整うのを待つことにしよう。
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