第106話 勉強会 ※各国位置概略付き
メリッサが大公城に来てから、僕、メリッサ、テネシア、イレーネの四人で一緒に食事をとる機会が増えたが、メリッサの会話から王宮で受けた教養の高さを感じさせる場面が多々あった。
「大公妃様は博識だな」
「本当にいろいろご存じです」
テネシア、イレーネも感心することしきりだった。「それなら夕食後に勉強会を開いたらどうか?」と提案したところ、あっさり皆の賛同を得られた。テネシア、イレーネは里で読み書き計算を習っていたので、基礎的素養は備わっていた。しかし貴族として活躍するためにはさらなる知識が必要だろう。メリッサの話はこの国の貴族、王族のこと、内政のこと、歴史、地理と多方面に及んだが、実際に役立つ知識を中心に教えてもらった。当然、僕も横で聞いている。これは僕の勉強でもあるからね。
メリッサ「この国は王政で、王が権力を持っています。それを支える形で大臣がいますが、各大臣は有力貴族が担っています。また王政を維持するため、王城に近衛兵隊、王都内に衛兵隊がいます。兵隊は平民出身が多いです」
テネシア「貴族が役人、平民は兵士が多いということかな?」
メリッサ「そうですね。ただし兵士の上層部は貴族が占めてます」
イレーネ「つまり王が貴族を、貴族が平民を治めてるということでしょうか?」
メリッサ「王が全体を治めていますが、一人だけでは現実的に難しいので、多くの貴族の手を借りてますね」
テネシア「そうなると、大臣や役人は王と考えの近い人でないと難しいということだな」
メリッサ「確かにそうですが、時には王に苦言を呈し、王の至らない点を補佐できる人も重要です」
僕「それはザイス筆頭大臣が当てはまるな」
なかなか、突っ込んだ内容だな。テネシア、イレーネも政治に関心があるようだな。しかし、さすがメリッサは王の近くにずっといただけのことはある。王族関連の知識は僕もぜひ吸収したい。
メリッサ「この国は中央に王都、東西南北が辺境となりますが、王都が中央の南側に位置してますので、実質的な辺境は東西北になります。中央は内政で重要ですが、辺境も防衛で重要です。そのため、辺境を強くする必要があり、広大な領地になっています。現在、東部は大公様が治めていますが、北部は他の貴族である辺境伯が治めています。そして西部は大きな森林地区が天然の防壁となっており、王領となっています」
テネシア「北部にも大きな領主がいるのか?」
メリッサ「……ええ、そうですね」
イレーネ「西部の森林地区に人は住んでるのですか?」
メリッサ「いえ、自然のままで、領民も代官もいないとのことです」
僕「北の辺境伯というのは位が高いのかい?」
メリッサ「……ええ、そうですね。辺境伯は侯爵と同じくらいでしょうか」
僕「そうか(一瞬、メリッサの表情が曇ったけど、気のせいかな)」
そうか、北部に辺境伯がいるのか……でもウラバダ王国の避難民の件もそうだが、ずいぶん国境防衛がゆるいような気がするような。まあそのお陰で避難民が来れたのは結果オーライなんだろうけど、国境を防衛してる存在感が希薄だよな……それと一瞬、メリッサの表情が曇ったのも気になるな。西部の森林地区も開拓できたら面白そうだ。
メリッサ「大陸には全部で六つの国があります。ロナンダル王国、バナン王国、ハロル王国、ヒルロア王国、チルザーレ王国、そしてウラバダ王国です。我が国は隣国のバナン王国を含め、他国と友好関係にありますが、ウラバダ王国だけは政情が不安定で、関係を閉ざしています」
テネシア「ウラバダ王国か……あそこはどうしようもないな」
イレーネ「いい話は聞かないですね……」
ウラバダ王国だけは要注意だな。大陸に六つの国か……将来はギルフォード公国も友好関係を広げたいものだ。
各国の位置関係だけど、我が国、ロナンダル王国の北にウラバダ王国、南にバナン王国。西にハロル王国となる。チルザーレ王国はウラバダ王国のさらに北、ヒルロア王国はハロル王国の北になる。すべての国が海に面してるので、海運はもっと成長するだろうな。
※各国位置概略※
【北】
チルザーレ王国
ヒルロア王国 ウラバダ王国
【西】 ハロル王国 ロナンダル王国 ギルフォード公国 【東】
バナン王国
【南】
※補足※
大陸は六カ国(王国)、島は一カ国(公国)
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