表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/87

ざわーくらうど

 シュカさんたちとの戦いの後もレイドバトルを挑まれる私。 

 私は思った以上に強いらしい。自分ではそんなつもりはないのだが、私自身の強さの認識とほかの人の強さの認識に齟齬が生じている。

 まぁ、私が改めたということで、私は絶賛悪役ロールプレイ中。


「私をその程度で倒せると思っているんですか?」


 殴り飛ばす快感。とっても心地がいい。

 やはり私は暴の思想に染まってしまったらダメっぽい。武闘家が天職みたいなもので、人を殴って倒すという行為に愉悦を感じてしまっている。

 

 編集に出した漫画、魔法使いじゃなくて武闘家にしたほうがよかったかなぁ。いや、武闘家も出そう。いてもいいはずだ。


「ふぅ、結構稼げましたね。今現在のポイントは93ポイント……」


 4回くらいレイドバトルをやらされて全勝。いまだに負け知らず。

 ただ、1位とはまだ差は縮まっていない。アジュラさんもレイドバトルを挑まれ過ぎているようで、私と同じポイント数ゲットしている。


 3位のざわーくらうどさんも85ポイントとまだ勝利しているようだ。


「この上位から均衡が崩れませんね……。皆さんレイドバトルばっかしているのでしょうか」


 いまだに上位の入れ替わりが起きていない。

 そう考えながら歩いていると。


「あん?」

「おや」


 3位のざわーくらうどさんが目の前にばったり現れた。


「あんた2位の……」

「ユメミです。初めまして」

「ざわーくらうど。よろしく」

「やります?」

「やらねえよ。旨みねえだろ。レイドバトルで稼いだほうがうまいし、強いだろお前」

「みたいですね」

「後半戦ならまだしもまだまだ前半戦だろ。ここで体力を使うのはナシ。疲れるわ」


 ということだった。

 私としてはやってもよかったのだが、アジュラさんとざわーくらうどさんは体力をなるべく温存しておきたいらしい。まぁ、理由はわかる。

 

「んで、なんであんたそんな強いの? 漫画家だろ。あまり身体動かさねえ職業なのに」

「漫画家だからこそですかね?」

「どういう意味だよ」

「私、バトル漫画を描いていたんです」

「知ってる。異能ホラーバトル漫画だろ。あたしも読んでた」

「バトル漫画を描くにあたって大事なのはやはりバトルでして。いっつも脳内でシミュレーションしてました」

「シミュレーションね……。でもそれだけでうまくなるわけじゃねえだろ」

「そうですかね? 私は割と感覚でプレイしているので、割とシミュレート通りにいってますが」

「普通はできねえよ」


 そういわれてしまった。

 私がおかしいのだろうか。


「ざわーくらうどさんはなぜ強いんですか?」

「現実でいろいろと武道やってっからだよ。その動きを応用して戦ってんの」

「なるほど」

「空手とか柔道とか……。合気道もやってた」

「結構やってますね」


 ……ということはざわーくらうどさんも武闘家か。上位全員武闘家ってすごいな。


「ユメミさんはなんかやってたのか?」

「ネタになると思って少々カポエイラとか齧っていたぐらいですね」

「カポエイラか。ずいぶんとまぁ……」

「体験したいならバトルしましょうよ」

「嫌だっつの。誰が強いってわかってるやつと戦うかよ」



 その時だった。

 私たちの周りには10人のプレイヤーが立っている。


「体力回復はさせてもらえないみたいですよ?」

「こんな時に来るのかよ。あー、まぁ、お互い生き残ろうぜ」

「そうですね」


 私は重い腰をあげ、構える。

 

《レイドバトル:ユメミ を開始します》


「私の無敗伝説がいつまで続くか見物ですね」











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ