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海底神殿 ③

 ダガーで蛇の喉元を突き刺した。

 ヒットアンドアウェイに徹し、相手の攻撃を躱し、こちらの攻撃を当てて逃げるを繰り返す。


「なんなんじゃこいつはァ!」


 ウミヘビは尻尾を大きく振る。だがしかし、そんな隙が多い攻撃はすでに私にとっては無意味である。大ぶりの攻撃は避けやすい。

 壁を駆け上り回避、そしてそのままダガーで突き刺し、ウミヘビは倒れていく。


「この儂がッ……!」


《シースネイクを撃破しました》


 というアナウンスが聞こえ、経験値が入ってレベルが上がったのだった。

 私のほうは解決。他の皆さんはどうなっているのだろう。とりあえずシュカさんにメッセージを送ってみると、シュカさんは今現在交戦中だという。

 右に行く廊下をヒャッキと行ったとき、水晶玉を見つけてそれから襲われているということ。

 そして、スチルにも同じメッセージを送ったところ、スチルも一人で交戦していたらしい。


「この先に道が続いているから行ってみることにする。シュカさんが困っているならそっちを優先してくれて構わない……。うーーーん」


 私のほうも実は奥に進む道がある。

 水が溜まっている池の中に魚が泳ぎ、その先に続く道がある。私もスチルと同様に先へ進んでみてもいいかもしれない。

 シュカさんのほうはヒャッキもいるし、大方大丈夫だろう。


 私は先へと進んでいくと、道が途切れていた。

 だがしかし、水の中に入れるような入口がある。私はせっかく海神スキルがあるのでとりあえず潜ってみることにした。

 透き通るような水の中。限りなく透明に近い。


 水の中に入ると、奥へ続く道がまだあった。

 私は奥へ、奥へと進んでいく。宝探しというのはこういう気分なんだろうな。このわくわく感は半端ない。ボスみたいなやつを倒したその先になにかがある、それは……。


「すっごい。マジでお宝だ!」


 進んだ先には水のない囲まれた部屋があった。

 石で囲まれ、外の景色も見れないような部屋。部屋の中心には椅子が置かれており、骸骨と、その骸骨の頭には金色に光る王冠が載せられていた。

 私は部屋に上がり、王冠を手に取る。骸骨が動いで襲い掛かるということは……なさそうだ。


「さて、王冠ゲットですね。でもここは不思議な場所というか……。窓もない、出入り口は先ほど私が出てきた一つだけ……。ここってもしかして」


 牢獄だろうか。

 部屋を探索していると、机の上に古びた本が一冊だけ置いてあった。内容に目を通してみると、日記帳のよう。

 

「私は罪を犯しました……」


 この日記の主は罪を犯したのだという。

 罪のない国民を縛り首にしてしまった、罪深き魂を清めるために、私は神に祈りを捧げ続けることにしますと書かれていた。

 

「神様に祈ることで罪が浄化されるなんて……。まぁ、信じる者は救われるということですか。救われた感が大事ってことでしょうかね」


 私にはよくわからない。

 だがこういうのもアリか。主人公は実は罪人で、自分の魂を清めるために善行を積む旅をしているというのはいいんじゃないだろうか。

 絶対に良いことをしなくちゃならないので、ダークヒーロー的な感じで描けるだろう。


「あの日見た〇×△□を見てから、それ以降の記憶がありません……。なんですかこれ」


 文字化けしてる?

 ……まぁ、いいか。とりあえず私のインスピレーションを刺激してくれてありがたい限りである。ログアウトしてネタを描き溜めたいが……。とりあえずここから出ることにしよう。

 私は王冠をかぶり、水中へ潜ったのだった。












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