表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/87

海底神殿 ②

 私は壁にたたきつけられた。

 宝石を取ったことで出現した巨大な蛇。儂のお宝を盗むなと喋っていた。魔物がしゃべるのか。いや、それはまぁどうでもいいとして。

 こいつ、ボス級のモンスターだな。


「っし、やりましょうか」

「儂の宝を返せェ!」

「嫌ですよ」


 私は看破スキルを発動。

 弱点は喉元、尻尾の付け根付近の二つ。私はダガーを片手にウミヘビの背後に回り込む。そして、急襲スキルを発動し、弱点にダガーを突き刺した。

 ウミヘビはいってぇと泣き叫ぶ。


「大事な宝物なら大事に大事にしまっておくべきだったでしょう。私のような略奪者に奪われる可能性があるんですからね」

「こんの……!」


 ウミヘビは巨大な体で私の周囲を囲みだした。

 私は囲まれぬように逃げ出そうとしたが、判断が遅かった。すでに囲まれてしまっている。私を逃がすまいと体で囲み、そして、徐々に範囲が狭くなってきている。

 頭上には蛇の顔が。上から脱出も無理か?


「一瞬の気の弛みが命取り、ですね」


 私は蛇の身体を上っていく。

 蛇は大きく口を開けて、私を食べようとしてきているが、私はダガーをふるい、蛇の顔をのけぞらせる。

 急襲スキルを使ってしまったが……。のけぞらせる威力を出すためには仕方がない。


「っと、脱出成功」


 蛇はとぐろを巻いている。

 あの中にいたらいずれ絞め殺されていたことだろう。


「くそう……。貴様ぁあああああ!」


 勢いよく噛みついて来ようとしたので、私は回避。

 壁にかみついた蛇。壁が砕ける。そして、その壁は溶けているようにも見えた。しゅうう……と煙を上げている。

 

「毒ですか」

「死ねぇえええええ!」


 私は回避しようとしたが、回避した先に尻尾の攻撃が迫っていた。

 私はダガーでパリィ。だがしかし、尻尾の攻撃を防ぐことに集中しすぎていたためか、噛みつき攻撃が目の前に迫る。

 私は冷静に頭を落ちつかせる。そして、噛みついてくる牙をダガーで受け止めた。


「噛み砕いてやるからのぅ!」

「チッ」


 私は抵抗をやめて口の中に入る。そして、口が閉じられていく。

 ダガーを手にして、私は口の中を攻撃し続けることにした。だがしかし、口が一向に開く気配はない。


「さて、どうしたものか……。このまま奥へ行くと消化されてしまいそうですね」


 私が悩んでいると、先ほど手に入れた水晶玉が何やら光りだしていた。アイテムイベントリからその光輝いている水晶を取り出す。

 これは一体何なのだろう。鑑定してもわからなかったが……。もう一回鑑定してみると、これを飲み込めという指示が出ていた。


「……これを飲み込めって無理でしょう」


 まぁ、従ってみるが。

 私はあんぐりと大きく口を開けて、その水晶玉を口の中に入れる。私の口の大きさとぴったりぐらいで、私は頑張ってその水晶玉を飲み込んだ。

 こぼれないように手で口を押えて。


《海鳴りの水晶を吸収しました》

《スキル:海神 を取得しました》


 というアナウンスが流れてきた。

 海神とはどういうスキルなのだろうかとみてみると、大量の水を生成するスキルらしい。そして、水中での移動速度強化、水中での呼吸可能と、水中戦をするにあたってはめちゃくちゃうれしいスキル。

 私はとりあえず使ってみることにした。


「海神」


 すると、私の目の前に大量の水が流れ出してくる。


「おわっ!?」


 大量の水は早くも蛇の体内を埋め尽くした。

 私は水の中にいるようで、身体が浮き始める。が苦しくはない。海神スキルの水中効果は永続的に発動するらしい。

 すると、突然光が差し込んでくる。


 私はその大量の水とともに吐き出されたのだった。


「なんじゃこの大量の水は……。げほっ、げほっ」

「ふぅ、やっと出られましたね」


 新たに海神スキルを取得できてよかった。これがなきゃ外へは出られなかっただろう。


「じゃ、次はこちらから行きましょう」


 勝つこと以外、私は見えていない。

 この蛇もいずれ漫画に登場させよう。














評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ