キマイラ討伐完了!
瀕死にまで追い詰められたキマイラは天高く飛びあがる。
太陽と重なり、姿が一瞬太陽の光によってかき消された。太陽の光が私たちを照らし、太陽の光の道をキマイラが突撃してくる姿が一瞬見えた。
私はダガーを構える。狙いは私、大技が来る。
「見えない……!」
太陽の光がまぶしい。姿が完全に太陽光によってかき消されている。
ルートがわかる。が、タイミングがわからない。今どこの位置にいる? パリィをするには相手の位置がわからなければタイミングを合わせることはできない。
山勘で対応? 確実的じゃない。
「ちっ、どこにいやがる……!」
「甲羅の盾」
私の頭上に透明な甲羅のような形の盾が現れる。
「狙いは俺らかもしれねえんだぞ!? あいつにやるのか!?」
「ユメミに狙いがいってることに賭けてんのよ! ここまで来たら倒れたポセード以外の全員生還! これ以外ない! あいつが死んだらキマイラはもっときつくなるのよ!」
「だな……。あいつのPSはすごすぎる。ヘイトを買ってくれねえとぎりぎりの体力でも削り切れるかどうかわからん。ま、正直あの盾で守り切れねえと思うけどな」
「防御バフで一撃で死んでるから私、一番お荷物よね」
「……太陽の光を何とか遮断できねえか?」
「間に合わねえ。もう攻撃は始まってんだ。どこの位置にいるか」
その時、甲羅が割れる。
私はダガーで攻撃をはじき返した。
「グルル……」
「た、助かりました」
「……マジ?」
「甲羅の盾が割れるタイミングでパリィしたの!?」
「グゥゥ……」
キマイラは私を見る。
そして、一歩、また一歩と後ずさりをし始めていた。逃げるモーションに入っている。
「逃げるぞ!」
「逃さないわ! 超大盾!」
大きな盾がキマイラが逃げる逃走経路の上に現れた。
私は看破ですでに割れているが、弱点を再び看破する。そして、急襲スキルを使用した。
ほかの二人も追撃しようとしている。私は弱点めがけて、ダガーを振り下ろした。
「大粉砕!!!!」
「爆発魔法エクスプロージョン!!!」
爆発が起き、大剣が蛇の頭に突き刺さる。体力は残り僅かだ。
私は弱点にダガーを突き刺すと、キマイラは白目をむいて、その場に倒れて、消えていったのだった。
「「「っしゃあ!!」」」
「ふぅ……」
私はその場に座り込んだ。
攻撃を受けちゃいけないと、全神経を集中させていた緊張感が緩む。ドラゴンといい、私はジャイアントキリングばかりしているような気がする。
三人が私の周りに寄ってきた。
「助かったぜ。あんたすげえな」
「よくこんなプレイヤーが無名のままでいたよな」
「そうね……。有名プレイヤーなら知っていそうなものだけど……。とりあえず忘却の森から私たちは出るけどあなたはどうする?」
「私も出ます。さすがに疲れたので」
「じゃ、帰りも一緒にいこーう!」
私は立ち上がり顔を上げると、なにかカメラのようなものが飛んでいることに気づいた。
「撮影しているんですか?」
「ん? あぁ。俺らゲーム配信を生業にしてんだ。ふざけた神々っていう適当なチャンネル名なんだけどな。知ってるか?」
「すいません、私動画とか配信とかはあまり見ないので……」
「そうか……。ま、いいんだ。あ、映っても大丈夫か? 今聞くことじゃねえと思うけど」
「構いませんよ」
動画配信者のふざけた神々……。
あとで調べてみよう。




