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キマイラ討伐せよ!

 キマイラが巨大な腕を振り下ろす。

 この速度感にも慣れてきた。


「こちらですよ」


 キマイラの下に潜り込み、ダガーで攻撃を加えていく。

 レベル差はあるが、ヘイトは攻撃を一番している私の方に向く。火力はレベルが私よりも高い、キマイラと最初に戦っていたプレイヤーでもあるゼース、アーティナ、ルォキの三人に任せるのが最善手だろう。


「なるべく彼らとは反対方向に誘導を……」

「はぁああああ! 破砕の大剣(クラッシュブレイド)!」


 ゼースさんが大剣をキマイラの尻尾に突き刺した。


「爆破魔法、エクスプロージョン」

「ユメミさん回避して!」

「っと」


 ルォキさんが魔法を唱え、腹部あたりで爆発が起きる。

 私は味方の攻撃にも気をつける必要があるよな。この人たちはパーティを組んでいるからフレンドリーファイアがない。ただ、私は組んでないので攻撃が当たる可能性がある。

 魔物との戦闘状態となると、パーティを組まなきゃ味方にやられる。普段なら攻撃できないシステムになってるらしいんだが……。リアルさの追求だろうか。そういうのは嫌いじゃない。


「そちらを向いている暇はありませんよ。看破(スコープ)


 弱点は尻尾の蛇、そしてお腹。

 私は高く飛び上がり、ダガーを構えた。


急襲(レイド)


 ダガーが光り出す。

 私は看破した弱点目掛けてダガーを突き刺すと、クリティカルが出て、先ほどの二人と同じような火力が出ていた。

 三倍クリティカルで二人の攻撃と同等か。まぁ、時間が経てば必ず出るんだから時間をかければいけるだろう。


「ユメミ、来るわよ!」

「わかってます」


 空中で身動きが出来ない。

 私の前に巨大な足が迫る。私はダガーを構えた。そして、タイミングよく弾く。


「その状態でパリィ!? なんでそんな芸当できんの!?」

「ま、まだ来るぞ!」

「ふぅ〜……」


 集中しろ、私。

 私はやってくる攻撃を見定め、パリィを連続で決める。ダガーだからこそ、連続パリィが出来る。武器のモーションが少ないから。


 私は地面に着地し、距離を取る。


「流石に何回も連続でやるとキツイですね」

「すっげ……」

「人間業じゃないわ……」

「こんなん見せられたら俺らも気合い入れて勝ちに行くしかねえじゃんかよ! レベル低いとか気にしてる暇ねぇわ! ユメミさんが必死に頑張ってヘイトを買ってくれてんだ。無駄にすんなよ!」

「もちろんだともよ!」


 蛇が私に巻き付いてこようと伸びてきたので、私は躱して蛇の上に飛び乗った。

 そしてキマイラの上に登り、私は再び急襲を使う。看破してないから火力は劣る。ここは弱点位置じゃないのは分かってるから使っても無駄だろう。


「ギャオウ!」

「素でクリティカル出ましたね」


 そもそもとしてダガーはクリティカルが出やすい傾向にある。


「爆発魔法エクスプロージョン」

大粉砕(スマッシュ)!」


 キマイラの体力は残りわずかとなった。


「イケる! このまま押し切るぞ!」


 そうは問屋が卸さない。

 キマイラは天高く、大きく吼えた。










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