表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/87

忘却の森へ

 看破スキルで敵の弱点を見つけ、急襲スキルで一撃の火力を上げる。

 始まりの街付近に生息する中ボス的存在のキラーベアーを一撃で屠る火力が出ていた。


「少しばかり速度が出過ぎですね。慣れなければ」


 体感的に、時速60km出る車に乗っているような速さだ。

 自分の体でこんな速度が出るなんてすごい。けど、速すぎても微妙か。どうりでレベルアップした際、素早さだけは上昇しないわけだ。パラメーターで弄るしかないが、高めすぎるとものすごく速くなる。お好みで調節しろということだろう。


「とりあえず速度感に慣れていきましょう」


 私は木の上に飛び乗り、忍者のように木の上を飛び走る。こういうことしてみたかった。

 パルクールは都市おいを描いている際、ネタに使いたかったのでやったことがある。それの延長線上にあるかもこれは。


「獲物発見」


 私は急襲スキルのデメリット効果である攻撃力の低下が解除されたことを確認して、木から飛び降りる。

 そのまま看破スキルを使用して弱点を看破、そのままダガーを弱点に突き刺した。


 フォレストチーターというモンスターで何かを追いかけていたようだ。

 顔を上げて何を追いかけていたかを見てみると、プレイヤー。


「あ、ありがとう」

「いえ、こちらとしても経験値になりますので」


 私は木の上に飛び乗り、また森の中を駆けていく。

 この森のモンスター。奥に行くにつれてレベルが上がっている。先ほどのフォレストチーターはレベル15程度だったのだが、奥に行くにつれて20とどんどん上がっているように見える。


「ここから先は警戒しながら進んだ方が良さそうですね」


 目に見えたモンスターのレベルが35を超えた。

 どこまで来たのかとマップを確認すると、忘却の森中間地点と表示されている。

 中間で35レベルか。奥は40……50くらいか。ギリ隠れながら進めば奥地に到達できるか?


 私は慎重に進んでいく。

 すると、数人のプレイヤーたちが下で何かと戦っていた。ライオンに鳥の翼が生え、尻尾は蛇のようになっている。

 キマイラみたいだな……。


 名前もキマイラと表示されている。

 傍観していると、一人キマイラの攻撃にやられていた。一人が消え、動揺しつつも剣を構えて向き合う3人のプレイヤー。

 レベル60……。さっきまで35だっただろうに。加勢した方がいいか? いや、私のレベルはあの人たちより弱い。加勢したところで……。


 いや、つべこべ考えるのは無駄か。


 私はMP回復ポーションをガブ飲みし、木から飛び降りる。


「ガウ!?」


 看破スキルを使用し、弱点を攻撃した。

 キマイラにクリティカルダメージが入る。


「誰だ?」

「手助け要りますか?」

「……あぁ、頼む! が……レベル29か」

「不安ですよね。まぁ、足手纏いにならないよう気をつけます」

「ヘイトを少しでも買ってくれるだけありがたいか……」


 私の方にギラリと顔を向けるキマイラ。

 キマイラは口から何かを飛ばして来た。私はダガーで打ち返す。


「ガウ!?」

「ダガーでパリィ!? すっげ……」


 私は地面を強く蹴り飛ばす。

 素早く懐に潜り込み、ダガーを突き刺した。看破スキルを使用していないのでクリティカルは出なかった。

 レベル差もありそこまで削れてはいない。だがしかし、問題はない。


 キマイラが尻尾を向けてくる。

 蛇が私めがけて飛んできた。毒蛇だったら嫌だ。私は攻撃を躱す。

 一撃でも当てられたら死にそうだな。気をつけて攻略していこう。


「ヘイトをなるべく私に向けます! 皆さんも攻撃を!」

「あ、あぁ」

「何もんなの……? あの人」

「PS高すぎんだろ……。よくこんな奴が無名のままでいるもんだ……」

「あの素早さやりづらいだろうに」











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ