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塩の結晶 ②

 弓で狙いを定め、矢を放つ。

 ソルトゴーレムの身体に突き刺さった。塩の結晶体であるから刺さらないと思っていたがそこはゲーム。ダメージは入る。

 ただダガー装備時より威力が出ていない何故なのかと少しの間考えてみる。

 クリティカルが出ていない。


 このゲームのクリティカルの仕様はどんなものなんだろう。

 たまに発生するものなのか、それとも弱点を攻撃した際に発生するものなのか。後者かな?


 ダガーは目の位置に攻撃した際に発生したはず。弱点は目か?


 ただ目は小さい。ピンポイントで狙うには難しい。

 

「グォオオ」


 ソルトゴーレムは大きな手を叩きつけてくる。

 私は回避し、矢を打ち込んだ。目玉に突き刺さるがクリティカルが出ていない。

 ……後者じゃない。となるとクリティカルはたまに発生するもの。

 武器種によってクリティカルが出る確率が変わるのかな。まあ、検証してる余裕はないか。


「ユメミ、大丈夫か?」

「大丈夫です。動きは理解しました。今のところは」


 私は矢を放つ。

 ソルトゴーレムの体力がやっと半分を切った。すると、ソルトゴーレムはぴたりと動きを止める。そして、ジタバタと暴れたかと思うと、青い身体が赤色へ染まっていく。


「攻撃パターンの変化ですね。ボス級の魔物にはあると見て良いでしょう」


 ソルトゴーレムは何か砂のようなものをばら撒く。

 白い粉。舐めてみるとしょっぱい。塩?


 すると、その塩が浮き上がる。

 浮き上がった塩は私たちを包み込んだ。


「不覚……!」

「包まれてるのにダメージはない……。ただ、見えない。早く脱出しないと攻撃をくらいますね」

「急ぐぞユメミ! ここまで削って死にましたは私は嫌だぜ!」

「わかっています」


 私たちを塞ぐ塩の壁は硬い。

 塩釜焼きの塩みたいな……。私たちは塩釜焼きでいう魚か。

 ダガーで塩の壁を攻撃していく。しろんちゅさんはピッケルで壁を破壊しようと何度もピッケルを振り下ろす。


 そして、塩の壁が崩れ落ちる。


「退避ッ!」


 横に私たちは逃げると、私たちが包まれていた塩の壁目掛けて超極太ビームが放たれていた。

 脱出していなかったからアレ一撃で死んでたかもしれないな。流石にまずかった。


「ただそう何度も使えるような技ではないでしょう。被弾覚悟で弓ではなくダガーでいきますか」


 もう一度使わせないためにも、やられる前にやるしかない。

 ダガーを構え、私は駆け出していく。

 攻撃は基本避ける。ダガーで受けられるわけがない。


 ソルトゴーレムが腕をこちらに向けたかと思うと、ロケットパンチを放ってきた。


「そういうことも可能なんですか」


 ビーム以外にも遠距離攻撃出来たとは。

 まぁいい。寸前で躱せたし、当たらなければどうということはない。モーションも大雑把で読みやすい。

 

「まずは一撃」


 クリティカル。

 ダガーで切りつけたら一発でクリティカルが出た。クリティカルが出やすい武器種なのかな。


「よっと」


 ソルトゴーレムはその大きな体で倒れかかってくる。

 でかい図体に倒れられたらダメージを受けることは免れない。当たらない位置まで避け、ダガーを突き刺した。

 ゴーレムの首筋あたりにダガーが入り、弱点クリティカル!と表示される。


 弱点は首筋か。

 大きく削れ、ソルトゴーレム討伐まであと一息。


 ソルトゴーレムは塩をばら撒いて来ようとしていたので、私はダガーを片手に駆け出し、首筋を突き刺した。

 ソルトゴーレムは塩を撒く手を止め、そのまま背後に倒れる。そして、サラサラと消えていく。


《大型モンスター:ソルトゴーレムのノーダメージ討伐を確認しました》

《称号を獲得しました》










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