#1-1 追放の時。英雄少女のご破算用。
「アンタをこのパーティーから追放する!」
「追……放…………!?」
ある初夏の頃あいだった。
所属していたパーティメンバー三人に、それぞれ詰められていた。
「ああ。だいぶ我慢したがもうムーリだよ。火薬が浴びるほど手に入る今、アンタの出る幕はない」
「毎日頑張ってるのになんでって思ってるだろ? 何故なら、オマエがクッッッッソほど役に立たねェからだ! ショボイんだよオマエのチカラは!」
「そーだそーだ、教わった酒をリーダ以上に飲みやがって。この万年アル中千鳥足めッ! とっとと出てけッ!」
ガタガタ数の差と不安で震えながらも、折れたらマズイと踏みとどまる。
「まったまった! あたしの能力が弱いのは認めます!! 認めますけど!!!」
「なら話は終わりだろ。回れ右!」
「ホラこのかわい子ちゃん達飛べますよ! 遠隔着火とかできますよ! まだまだ器用にやれますってあたし!!」
チッと舌打ちが聞こえる。泣き脅しとばかりに見せたあたしのピヨちゃん達が気に触ったか。
それでももうなんでもやるしかない……!!
「こんっっっっっっなにカワイくて健気なのに……かただの火薬じゃ入れない、あんなとこやこんなとこに入って大活躍るんですって!!」
「あのなーそれっぽっちでワンパン討伐しくじるリスクと釣り合うかぁ? アンタの枠をもっとデカイのを撃てる奴にすりゃ……いやもうそりゃいい」
自分で言うのもなんだが……相手が自分以上の酒豪だからか、すっかり酔いも覚めた様子でリーダが続けようとする。
しかしその背後、誰かが倒れるのをあたしは見逃せなかった。
「アンタのもうひとつの問題は…………」
「あー待った、ちょっとお待ちを」
「は?」
制止し、慌てて緊急事態に向き合う。
他のヒトよりもボロボロで、見るからに体調の悪そうな子を介抱する。
「……どったのお嬢ちゃん?」
「えっ……あの……えっと……もう昨日からなんもたべてなくて……おまつりまで待てばなんとかなるかなって……」
「あっちゃー……無理はこたえるよねぇ。んじゃあ、ハイあたしのお昼! 味は保証するよ♪」
「わぁ、おいしそう…………いいの?」
「もっちろん! それでゲンキ出るなら安いもんよ!」
「ぅぅ……ぐす……ありがと、おねえちゃん!!」
「いえいえ♪ そのかわり、入れ物はちゃーんとキレイにして返してねー! 明日の今くらいにここで待ってるから!」
「うんっ!」
しっかり約束して見送る。コレで、よっぽどよっぽどじゃない限り、また会って事情を聞いたりできるだろう。
と、やることやって本題に戻る……いや戻れるかな?
リーダがもう、頭を抱えて項垂れているが……。
「……あーっと、それでもうひとつの理由って……マサカ?」
「ああそのマサカだ! そういう! トコだぞ! このヒーローガールッ!! うちは慈善事業じゃあないんだよヴァーーーーーーーーーカ!!!!」
「ひぇえええ!! いやさすがにちゃんと小遣いの範疇ですし! 変なトコから使ったりもしてませ────」
「違うそうじゃないッ!!! もういいッ話にならん! とっとと出てきなぁ! ったくやっとスッキリできるよ…………あは、あっはっはっは!!」
「そ……そんなぁ……!」
…………結局、我を通すだけの実力がなかったのか。
それとも時代の節目に飲み込まれたのか。
それとも……誰かを助けようとしたのが悪いのか。
結局、あたしことエイル・クロースは、パーティーを追放され路頭に迷うことになった。
〈アレ、リーダさん間違った事言ってなくない……?〉
「て思うじゃん? 違うんだなーコレが」




