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第27話「想いの架け橋」【Kパート アフター・レポート】

 【11】


「結局今回は、出番なしの無駄骨だった……っと」


 喫茶店で自分の端末を叩き、”ママ”へと送る資料を作る菜乃羽。

 ももが大蛇になった時、菜乃羽は緑地の上空、シャフトを挟んで反対側のビルの上からレールガンを構えていた。

 もしもももの暴走が手がつけられないほどになり、他の面々に被害が出ることになったときに始末できるように。


 けれど、その心配は杞憂に終わってくれた。

 経緯は不明だが、どうやらももはあの力のコントロールが可能になったらしい。


 アンドロイド行方不明多発事件の方も、アーミィとポリスの合同でことに当たることによって終息となった。

 暴走した個体そのものは鎮圧せざるを得なくなったが、1機のロストもなくロボット体は修復。

 それぞれの家に無事に帰っていった……というのは、今朝見たニュースから得た情報だ。


「そして、事件の関係者でありながら事件解決に貢献してくれた、謎多きV.O.軍の青年……っと」


 スピア・ランサーと名乗った青年は、アーミィからの逮捕に対し特に抵抗はしなかったという。

 本来であれば厳しい尋問の果てに事件の裏を聞き出すところであろう。

 だが現場にいたひとりの魔法少女と、事件に巻き込まれたひとりの少女の嘆願によって、その身柄は拘束されつつも穏便な流れで取り調べが行われているという。

 菜乃羽の予測では彼は末端のいち兵士。

 それゆえにその口からあまり有益な情報は得られないだろうと考える。

 その後の扱いがどうなるか……までは、流石に予想はできない。


「さあて、次は……大元帥から直々の命令。最前線へのパイロットの異動か」


 事件の翌日、アーミィ支部へと一つの命令書が届いた。

 それは葵咲良、内宮千秋、両名の最前線への異動命令。

 コロニー・クーロンからV.O.軍の部隊が完全に撤退したと判断しての指示なのだろう。

 そしてこの命令の裏には、いよいよアーミィがV.O.軍との戦いにピリオドを打とうとしている意図が感じられる。

 いよいよ始まる決戦は、はたしてどちらに流れが向くのか。


 手に入れた情報を整理して入力した文書をメッセージに添付し、送信。

 椅子の背もたれにもたれかかりながら、菜乃羽はうんと背伸びをした。


「ママも、そろそろ正念場だね。さ・て・と……」


 コーヒーを飲み干し、携帯電話を通じて支払いを済ませた菜乃羽は荷物を持って立ち上がる。

 向かう先はこの喫茶店のある宇宙港の奥、チャーター機の発着場。


「久しぶりに、宇宙航行と行きますか……!」


 

──────────────────────────────────────


登場戦士・マシン紹介No.27


【バジ・クアットロ】

全高:7.8メートル

重量:11.8トン


 真っ赤なバリア・ジャケット装甲を纏った、ドラクル隊仕様のクアットロ。

 ランス・ランサーの愛機であったが、殿しんがりを務めるスピア・ランサーへと託された。

 本来であればビーム・ライフルをはじめとした様々な武器を装備しているが、アラゾニアが勝手に用意したツクモロズ核晶コア制御の無人クアットロへと装備を偏らせたため、装備がビーム・セイバー1本となっていた。



 【次回予告】


 リンの中のレスから情報を引き出そうとする華世たち。

 彼はツクモロズの情報と引き換えに、華世たちの私生活を知ろうと求めた。

 夏休みに入る前の平和な日常の1ページが、今語られる。


 次回、鉄腕魔法少女マジ・カヨ 第28話「青春の回顧録」


 ────在りし日に思いを馳せるのは、今が苦難に満ちているから。

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