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根源的な闇

「なに……それ?」


「僕にも分からないんだよ。今までどんな事でも……それこそ、世界全てを焼き尽くすような戦争でも、大地を飲み込む天変地異でも、あらゆる命が消えゆく病魔でも、どうにかする気になればカタストロフィを避ける方向にねじ曲げることができた。だというのに」


 アイテールはよく分からない円盤をチラリと、睨むように見つめてから続ける。


「君の死をなかったことにしようとすると世界レベルでありえない不都合が生じる。まあそもそも……本来なら人ひとりの死をねじ曲げることなんてしないんだけど、ナナミが君に接触した時点で僕は何度も試したんだ。これを放置したらろくでもないことになる……ってさ。だけど……君が巻き込まれた事故をなかったことにしようとすると……うーん、まあ……簡潔に言うと、この世界か君の世界は滅びる結末に行ってしまう」


「そんなセカイ系じゃないんだから……」


「困ったものさ」


 アイテール相手だと例えが伝わりやすいのだけは助かるね。


「そもそもナナミの存在も消せない以上、あいつが干渉してる可能性もあるかもしれない。それにしたってどうしてそこまで君に固執するのかもよく分からないけどさ」


 いつもの、舞台で演じてるかのような『そういうフリ』じゃなくて、本気で考え込んでいるアイテールを見ると色々不安になる。あらゆる世界を統括するような全知全能の神様が、これ? 何度そう思ったか分からないけど、改めてそう思う。……けどまあ、神話に語られた天空の神や創世神、宇宙で星になったあまたの神々……わたしの世界で伝えられている神々も神話を読み解くと案外くだらなかったりするから、そういうもん?


(いやいや……あれはあくまでも人が考えたから人間くさいだけであってアイテールの場合は……)


 アイテールの場合は?


(……)


 深く考えると沼にハマりそうな思考。世界を作った全知全能のアイテールを創った存在がいないなんて言いきれない。えっと……いや、余計な妄想はやめておこっと。


「運命を操れる神でも操作しきれない存在だなんて、ユイは全知全能の神すらも超えているのかもしれないわね。それか……そこの全知全能の神が口先だけの無能……か。ふふ……ねえ、アイテール。ここまで話したのだから、それじゃあこの話は終わりでもう帰ろうか、なんて言い出さないわよね? あなたですら知りえない世界の……宇宙の謎、ワタシ()でどうにかするべきじゃないかしら」


 声が聞こえて振り返ると、いつの間にか戻ってきていたカレンがいつものように微笑を浮かべ立っている。


「君って案外こういうの好きだよね」


「そうね。曲がりなりにも神であった以上、ほうっておけないわ」


 仲良いんだか悪いんだかよく分からんな〜。


「ね、あのさ……。まあとりあえず、アイテールの話は一旦受け入れるよ。全部掌の上だったのは死ぬほどイライラするけど」


「初めて会った時も確かそんなこと言ってたっけね。そこは謝るよ」


 なんて言いつつ、まったく悪びれる要素もない顔と態度!


「……で、これからわたし何したらいいの? ナナミを殺すのを目標とするのはかえるつもりないけど」


 少し間を置いて、アイテールは円盤に触れながら言う。


「元の世界に戻ったら……まずは、世界に溢れてしまっている誤魔化しきれてない矛盾点をよく調べて見て欲しい。例えば……あの子が持っていた武器、とかさ」


「まーーーーたそういうはっきりしない言い方! 分かってんなら全部言ってよ!! 引き伸ばしか!!」


 もうそういうのいい加減いいから!


「また近いうちに会おうね。それじゃ」


「……はぁ」


「あ!!!」


 まだ言いたいことがあるのに、アイテールは円盤からよく分からない光を放ちだしてしまった。に、逃げられ……


―――――――――――――――


(……)


「おい」


「うーん……」


「刺していいぞ、それ」


「なんかよくわかんないけどダメそう!」


 不穏な声が聞こえ、意識が一気に鮮明になる。そのままの勢いで体を起こす……どうやらベッドの上で寝てたみたい。


「……ん」


 見渡すと……わたしの家か。そして周りにはさっきの声の主……イブ。それから


 それから……


「……だれだっけ?」


 ベッドを挟んでイブの逆側に座っている子……水色の髪のポニーテール……いや、だれだ……。


「なに? あたしの顔そんな見てさ。……もしかして、忘れちゃった系?」


「えーーーと……いや、待って……いたような……いなかったような……」


 しばらく考えてると、明らかにイライラした様子でイブが舌打ちしながら言う。


「おまえさ〜馬鹿なのは構わないけど会った人くらい覚えとけよ。ボクだって顔と名前くらいは覚えるぜ。おら、やっぱりそれ刺していいぞ」


「ダメだってば!」


 慌てるわたしみて、水色の髪の子は手に持った短剣をしまいながら笑いながら言う。


「まっあたしもユイと会うのめちゃくちゃ久しぶりだしねー。どうせこの後すぐまた遠く行くんでしょ? 」


 ニコッと笑うその顔。……あ!


「ルイ! ルイだ!! 久しぶりすぎて体感的に5年ぶりくらいな感じする!!!!!!!」


「うるせぇな」


 そういえば、いたね〜。ギルドマスターとルイくらいだよ、わたしがこの世界でちゃんと知り合いって言える男の人って。


「……で、なんでわたしは家のベットで寝てて、イブとルイに見守られてるわけ?」


 そもそもこのふたり面識あったっけ?









13話とかに出てますね

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