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第34話 事件の後に(2)

第2章最終話です。

 寄生植物による事件が解決した翌日、職務に復帰したレウニグスは自身が暗殺されそうになったこと、ポンペオが殺害されて暗殺に利用されたこと、警備隊の失態を隠蔽しようとした警備隊長を更迭したことを、ノースブルク村全体に向けて通知した。


 情報は瞬く間に全住民が知るところとなり、レウニグスの生存に歓喜し、ポンペオの凄惨な死を哀れみ、警備隊の醜態に非難を浴びせた。そして、ここまでくると当然ながら、誰が事件を解決したのかという話になってくる。


 本心を打ち明けるとするならば、この時ボクはレウニグスにある頼みごとをした方が良いのかどうかで迷っていた。それは、事件を解決したのがボク達であるというのを公表してもらうか否かということである。


 どうして迷っているのかというと、冒険者として有名になればそれだけ大きな依頼を受けられるようになるが、その代わりに様々なリスクも増大していくからだ。リスクが急激に増大していくのを覚悟の上で、今回の事件をきっかけにボク達の知名度を上げることが正しい選択なのか、ボクにはどうしても分からなかった。


「だから、皆にも考えてほしいんだ。そして、教えてほしいんだ。これから先、ボク達が冒険者として活動していくうえで、何を一番大事にしていくかにもつながるから」


『青い鳥』の食堂に朝早くに集合してもらったレンとローザ、そして花野の三人は、ボクの言葉に三者三様の反応を見せた。


「私は公表してもらうべきだと思うわ。イチノセ村の発展には私達の知名度も欠かせない要素だから」


 真っ先に返答したのはローザだった。彼女の次期村長としての自覚と覚悟を感じていると、レンも朝食後のコーヒーを楽しみながらリラックスした表情で続いた。


「俺もローザに賛成だな。そもそも冒険者っていうのはな、お前が考えているよりもずっと横のつながりを大事にするもんなんだよ。――だから、耳聡い奴らなら俺らの情報を既につかんでいると思うぜ」


 結果的に最後の順番となった花野だが、レンとローザがそれぞれ発言している間も、じっと俯いて考え込んでいた様子だったが、「そうだよね」と、小さく呟いて頷くと、ボクに向かってがばっと勢いよく顔を上げた。


「私も公表してもらうに一票。この選択で何が起こるかなんてまだ全然分からないし、また酷い目に遭うかもしれないけど、何もしませんし何も起こりませんよりは、ずっとずーっと面白そうじゃん!」


 花野はそう言って満面の弾けるような笑顔を見せた。彼女は立ち直りの早い性格だとボクは以前から記憶していたが、事件解決後に冒険者になりたいと言い出し始めたのも含めて、ここまで明るくて前向きな返答が出てくるとは全く予想していなかった。――それだけ今回の事件の解決に貢献できたことは、彼女にとって大きな自信になったということなのだろう。


 気がつけば今回の事件を乗り越えたことで、ボク達のチームとしての結束もより強くなったように思えた。もしかするとこれこそが、今回の事件を解決したことに対する一番の成果なのかもしれない。


次回は9月12日に公開する予定です。

ツイッターもやってますんで、良かったらフォローお願いします。https://twitter.com/nakamurayuta26?lang=ja

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みやすいですね。 特につまることもなく、続きへを押しやすくしています。 世界観やキャラクターにもスムーズに入り込めています。 また、異世界に来てから学ぼうとした武器がというのは好きです…
2020/10/18 09:09 退会済み
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