第32話:オモチの心情
ブリジットと領地の開拓を相談するネオンの隣で、仲間と昼寝するオモチ。
水色や黄色、緑にピンクといった色取り取りの丸い妖精が長閑に寝ている様子は、三大超大国でも見られない光景だ。
可愛くて大人しいウニ猫妖精は乱獲の結果、著しく数を減らしてしまった。
今では、"捨てられ飛び地"の一角に細々と住む程度である。
土地に浸透する瘴気のおかげで、人間との接触は避けてこられた。
それでも、"夜鴉の翼"に襲われたときの恐怖は、オモチも仲間も今でもよく覚えている。
(やっぱり、人間さんは怖いウニ!)
先祖代々、人間は恐ろしいと言い伝えられてきた。
実際に、捕まって方々に売り飛ばされた仲間は数知れない。
斧や槍を掲げて群れを襲った盗賊団は、まさにその教えを体現したかのような存在だった。 心底恐怖しつつも命からがら逃げ出したオモチは、もう一つの教えに懸けて飛び地を探し回った。
人間の中には良い人間もいる、という教えだ。
魔物とは会話ができないし、むしろ襲われる危険があった。
助けてくれるとしたら、少なからずいるという噂の"良い人間"だ。
(人間さんは怖い…………でも、ネオンとその仲間たちは違かったウニ!)
"夜鴉の翼"を倒し、自分たちウニ猫妖精を助け、領地に迎え入れてくれた。
草花が咲き誇り、水はおいしく、素晴らしい食べ物もある領地。
以前住んでいた地域よりずっと豊かで、何よりここにいれば大丈夫だという安心感は何物にも代えられなかった。
周りの領民や地底エルフも優しい。
まさしく、ずっと望んでいた安寧の地がここだった。
ふと気配を感じて目覚めると、ネオンが楽しそうにこちらを覗き込んでいた。
自分たちを救って、守って、大事にしてくれる大好きな人。
(ネオンといつまでも一緒にいる……それがぼくたちの願いウニ!)
オモチは他のウニ猫妖精たちと一緒に、ネオンにくっつく。
ネオンの温かさは、そのまま心の温かさに思えた。
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