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終焉の世界でゾンビを見ないままハーレムを作らされることになったわけで… サイドストーリー  作者: 緑豆空
第2章 長尾栞

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第79話 要因は一体なんなの? ー長尾栞編ー

翼さんが優美さんを連れて彼女の部屋に戻っていった。


まずは何事も無くて良かった。


次は・・遠藤さんだった。責任感の強い人だから思い詰めているはずだった。


「どうしましょう?」


「そうね・・・どうしよう。」


あずさ先生と華江先生が話している。腫れ物に触るような扱いになりそうだ。


「とにかくあまり時間を置くと、どんどん思い詰めて自信喪失しますよね。」


「そうよね。」


すると瞳さんが言う。


「あの・・私は今まで数人のタレントのマネージャーをやってきました。こういった状況とは少し違うかもしれませんが、タレントが番組に出たがらず部屋にこもるなんて言う事もあったんです。」


「大変なお仕事ね・・」


「生放送まであと少しという事もありました。それでも収録時間に遅れたことはなかったんです。」


「すごいわね・・」


「私が頑張ってみようかと思うのですが・・」


「えっ・・お任せしてもいいのかしら?」


「うまくいくとは限りませんがあまり時間がないのでしょう?」


「ええそうね。じゃあお願いするわ。」


そして瞳さんが遠藤さんの説得に当たる事になった。



皆が祈るようにしながらレストランで待機していた。


待つこと1時間・・


来た!


「失礼します。」


遠藤さんが消え入りそうな声で皆がいるレストランに入って来た。


「遠藤さんを連れてきました。」


瞳さん・・凄い・・


「遠藤さん!とにかくお腹減ったでしょう。今ごはんを作るから座って待っててください。」


私が遠藤さんに声をかける。


「ああ、すみません・・」


やはりしょんぼりしていた。


私がレトルトのハヤシライスを作ってご飯にかけてもってきた。


「すみません。レトルトですが。」


「いえ・・おいしそうです。」


遠藤さんがハヤシライスをパクパク食べ始めた。


「ゆっくりでいいですよ。」


「はい・・」


ゆっくりハヤシライスを食べ終わるまでみんなで談笑をしている。本当は彼が気になっているのだが、シーンとしてしまうと彼に気を使わせてしまうので何事もなかったようにしていた。


遠藤さんが食べ終わる。


・・・良かった何とか食べてくれた。


「あの俺・・すみません。役にたたなくて・・」


遠藤さんは優美さんと同じようなことをぽつりと言う。遠藤さんもかなりの責任を感じていたらしい。


「大丈夫よ。ちょっと女性陣での話し合いとか大袈裟過ぎたんだわ。」


華江先生が話し始めてみる。


「いえ・・女性の気持ちからすれば当然の事ですから・・」


「別に気にしなくてもいいと思います!あの!何も考えずにジムで発散してもいいかも!」


里奈ちゃんが元気に励まそうとしている。


「はは・・そうですね・・ちょっと体でも動かそうかな。」


「そうですそうです。」


「汗をかいてシャワー浴びて私たちとゲームしましょう。」


里奈ちゃんとあゆみちゃんが遠藤さんに積極的に話をしていく。若い二人は友達の気持ちをノせるのがうまいのかもしれない。


「そうですね・・」


「よし!そうと決まったらあゆみと私と3人でジムに行きましょー!」


「着替えを・・」


「じゃあ3人で服をとりにいきましょ!」


「そうだね・・」


3人はそのまま部屋を出て行った。まずは落ち込ませないという事は大事かもしれない。廊下の先から里奈ちゃんとあゆみちゃんのキャピキャピした声が聞こえてくる。



少しすると聞こえなくなったのでエレベーターに乗ったらしい。


「女子高生もやりますね。」


沙織さんがポツリと言う。


「ほんとね。こういう時若いって言うのは強いかもね。」


華江先生が答える。


「さて・・これからどうするかですよね。」


麻衣さんが次の行動を決める話し合いをしようと言う。


「原因はプレッシャーじゃないかと思うわ。」


あずさ先生が言うと皆も頷く。


「そうよね。最初に精子の提供してもらう時に手伝った時は・・元気だったわ。そのあとはずっと自分で精子の提供も出来ていたし・・」


華江先生が考え込むように言う。


「という事は一人の時は問題なく出来ていたという事ですよね。」


奈美恵さんが言うと皆が頷いた。


《私は・・・正直こういうことは・・どうしたらいいのか分からない。隣にいる未華さんもおそらくは私と同じ気持ちなはずだった。やはり経験した事の無い事は分からない。》


「それで・・どうするかよね。」


華江先生が言うと・・みなが深刻な顔で押し黙る。


「・・・・・・」


「あの・・・」


瞳さんがポツリと話し始めた。


「とにかく次は私の番でした。どうしたらいいのかは正直分からないのですが、やはり心の準備が足りなかったのかと・・」


「まあそうよね。しかも彼は初めてだし、たまたま今回だけダメだったとも考えられるわ。」


華江先生が仮定の話をする。


「たしかにそうですね・・誰でも初めては緊張します。ゆっくり手ほどきすればもしかしたら普通にできるかもしれません。」


麻衣さんが言うと皆も神妙な面持ちでコクコクと頷いた。


「えっと・・私が付き合ってた彼も元気が無い時があって・・その時は仕事のストレスが原因でした。疲れなんて言うのもあったのかと。」


奈美恵さんが元カレの話をすると瞳さんも話し出す。


「私も経験があるわ。代理店の仕事をしている彼が休みなく働いていたんだけど、その間はほとんど・・。もしかしたら遠藤さんは疲れているのかも。」


瞳さんが言うと華江先生が結論付けた。


「そうね、1回の出来事で・・私たちも慎重になりすぎてたんじゃないのかしら。昨日はたまたまという事も考えられるわ。あと数回は試してみる必要がありそう。」


「ただ・・傷つけないようにしないといけないですよ。」


あずさ先生が心配になっている事を言う。華江先生も心配そうな顔でうなずいた。


「ええ、なので改まってやるぞ!と言うのではなく自然にできる時に誘うというのはどうかしら?」


「えっと・・全員が常にという事でしょうか?」


私が聞く。


「ええ、下手に順番を決めて仕事や作業に優先順位を置いたのは間違いだったのかもしれない。優先順位は・・」


「遠藤さん。」


そう、いま一番大事なことは遠藤さんとの事だった。生存のための作業や仕事は大事だが、それに囚われすぎて彼との事が二の次になってしまっては本末転倒だった。


「そうよね・・」

「ええいろいろリスクがあるけど、本業をおろそかにしてはいけませんよね。」

「確かに。優先順位を間違うと今後に支障がでますよね。」


私、瞳さん、沙織さん、麻衣さんがそれぞれに今一番大事な事が何かを話した。


皆もそれぞれに関係性の見直しが必要だと思うのだった。


《やはり・・遠藤さんにはストレスがかかっていた。初めてなのにいきなりやれと言われても出来るような事じゃないはず。だって私がそうだから。私はひそかにその事に気が付いていたのに誰にもいう事が出来なかった・・。》


私は自分が気づきながらも誰にも言えなかった事を反省した。


その事は私の心の中の事なので誰もしらないが・・


私は凄く責任を感じたのだった。

次話:第80話 恋の改善計画

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