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終焉の世界でゾンビを見ないままハーレムを作らされることになったわけで… サイドストーリー  作者: 緑豆空
第2章 長尾栞

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第50話 ゾンビを消す人 ー長尾栞編ー

マイクロバスとレンボの距離が開いて行く。


直線で離れてはいるが緩やかに道は曲がっているので、すでにお互いの車は見えなくなってしまった。


「こっちは特に何もないです。」


携帯から連絡が入る。


遠藤さんが運転するマイクロバスの方は特に変化は無いようだった。


こちらも特に変化はない。


「こちらもです。」


すると私の隣に座っている華江先生が言う。


「おそらくしばらく滞在しないと何も来ないんじゃないかしら?」


それもそうだ・・私か遠藤さんの影響で消えたとしても、ゾンビや人が出現するのは時間がかかる。


そして2台の距離が1㎞ぐらい離れた時に遠藤さんから提案がある。


「きっとこっちから呼ばないと来ないんじゃないでしょうか?」


私と華江先生はスピーカーモードにして聞いている。


「確かにそうよね。じゃあクラクションを鳴らしましょう。そうすれば寄ってくるんじゃない?」


「わかりました。そちらも注意深く周りを見ていてくださいね!」


「わかりました。そちらも気を付けて。」


ププー!

ブッブー!


お互いのクラクションが聞こえる。


・・私はサイドミラーに動くものが見えたような気がした・・


「まってください!」


私が言うと華江先生も周りを見渡す。


「先生・・後ろです。」


ミラー越しに後ろを見ると・・ビルの間から1人2人と人間がゆっくりと歩いて出てくる。


しかしクラクションを止めているのでこちらに気が付く気配はない。


「あれは・・ゾンビかしら?遠くて見えないわ・・」


「そうですね。」


「危険だけど確認する必要があるわね。」


「はい・・」


「遠藤君!こちらに動きがあったわ!人かどうか分からないのよそちらから近づいてきてくれる?」


華江先生が遠藤さんに言うと車をこちらに向かわせるという。


プップーとクラクションを鳴らすと、ミラーに移る人々がゆらゆらと大量にこちらに寄ってくるのが見えた。


「先生・・あれは・・」


「ええ・・間違いないわ。」


「ゾンビですよね。先生!車を進めて合流しましょう!」


「待って!まだ・・見てみましょう」


するとミラーの中に見えている人間たちが燃えるように消え始めた。徐々にいなくなっていく人々・・ゾンビだった。


「これで・・確定だわ。」


「ええ・・遠藤さんですね。」


「そうね。じゃあいくわ。」


レンボを走らせるとすぐにマイクロバスが来た。


「そろそろ陽が落ちるわ。暗くなったら危険だから一度、家に戻りましょう。」


「はい」


マイクロバスとレンボは華江先生の家に向かうのだった。


華江先生の家に着くと皆がやはり疲れたような表情をしている。


緊張でかなり疲れたのだろう・・車を動かす作業と恐怖は大きく体力を奪ったようだった・・


「汗をかいたし、みなで順番にお風呂を済ませましょう。」


華江先生が言うと皆が言葉もなくうなずく。


そして晩ご飯を食べる前に皆がお風呂を済ませることになった。


「俺、その間に晩飯の下ごしらえします。」


「無理をしなくていいわ。」


「いえ気晴らしになるんです。」


「じゃあお願いします。」


遠藤さんは皆がお風呂の間にご飯を作るようだった。



お風呂には里奈ちゃんあゆみちゃん真下さん奈美恵さんの4人が入っている。



部屋に残ったのは7人だった。遠藤さんはキッチンで料理を作っている。


「ゾンビを消しているのは遠藤君だったわね。」


「そのようですね。」


華江先生と北あずさ先生が話している。皆も黙って聞いていた。


「でも・・どうして消えるのかまでは分からないわ。いろいろ検査してみなければ・・」


「セントラル総合病院にいかないといけないようですね。」


「ええ。おそらく遺伝子レベルまで調べないと・・」


「病院で検体を採ってくればここで調べられますか?」


「病院にかなりの検体があるわ。それを取ってこればここでも研究は出来るわ。」


2人の話し合いは終わった。


すると吹田翼さんが聞く。


「あの・・大角先生」


「ああ華江でいいわよ。」


「華江先生。遠藤さんがゾンビ消すんですよね?」


「今のところはそう推測されるわね。」


「だとしたら、彼はかなり貴重な人間という事になります。」


「確かにそうなるわね。」


「病気になったりしたら・・困りますよね。」


「そうよねストレスを溜められても困るわ。彼のしたい事をしやすいようにさせてあげることが先決よ。」


私もそう思った。


こんな状況ではストレスが溜まって病気になってしまいそうだ。


彼は何事にも動じないように見えるが、そう見えているだけかもしれない。


出来るだけ彼のやりたいように好きなことをさせてあげるのが良いような気がした。


「遠藤さんには健康を保ってもらう必要があるわね。」


華江先生が言うので、皆がコクリと頷いた。


「私も遠藤さんのメンテナンスは何が出来るのか考えていきたいと思います。」


優美さんが言うとまた皆がうんうんと頷いたのだった。

とうとう50話です!いろんな謎が解けていきます。遠藤君は何気に無敵?ブックマークも増えて大変うれしいです!高評価も感謝感謝です!引き続きお楽しみ下さい!


次話:第51話 冷凍ゾンビウイルス

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