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終焉の世界でゾンビを見ないままハーレムを作らされることになったわけで… サイドストーリー  作者: 緑豆空
第2章 長尾栞

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第125話 4人でお風呂に入ろう。 ー長尾栞編ー

それから…


なっちゃんたちを助けてから数カ月が過ぎた。


唯人はもう、つかまり立ちで歩くようになり行動範囲をひろげた。


私の部屋はあっちこっちが散乱している。


「はいー唯人君ー大好きなカレーよー。」


私は入手したレトルトご飯と子供カレーを唯人に食べさせている。


「不思議よねしおりんがママって」


「私自身も不思議なの。でもこの子が居るから生きていられる。」


「本当に不思議な力」


「うん。」


私の隣にはなっちゃんがいた。


すっかり元気になったけどまだ少しだけ痩せている感じがする。


なっちゃん曰くせっかく瘦せたんだからしっかり食べながらも、ジムでトレーニングして体を引き締めるのだそうだ。


「なっちゃん・・」


「なあに?」


「生きててくれて本当にありがとう。」


「こちらこそよ。」


なっちゃんとみなみ先輩と梨美ちゃんには私たちのこの状況を何度も説明し、私たちのルールを教えてきた。


そして私は今日ある事をなっちゃんに聞こうと思っていた。


「なっちゃんはどうする?」


「言うまでもないわ。しおりんがチャレンジしたんだもの私もやる。」


そう・・なっちゃんに聞こうとしたのは他でもない、遠藤さんの子供を身ごもるかどうかっていう事。


未来に向けて新しい命を授かるのかどうかを聞いたのだった。


「でもね。なっちゃん好きな男の人じゃなくて大丈夫?」


「しおりんだって努力したんでしょう?」


「うん。遠藤さんを好きになるようにね・・でも唯人君は忘れてないわ。遠藤さんはそれを了承済みで子供を作ってくれたの。」


「そうか私はいろいろ思うところはあるけど、もうあんな怖い思いはしたくないわ。本当に怖かったんだから・・」


そうなっちゃんたちは私が知らない恐ろしい2年間をすごしてきたのだった。


極限までいって死にかけた。そう考えたらやはり生きるための力は欲しいはずだった。


「わかった。私はなっちゃんの気持ちを尊重する。」


「ありがと。きっとあとの二人も同じよ。」


「みなみ先輩も梨美ちゃんも?」


「うん。彼女たちも生きたいの。」


「そうだよね。じゃあ私の方から優美さんに伝えるわ。」


「あの正妻の人ね。」


「そう。」


「彼女すっごく優しくて心が広いのね。自分の大好きな人がたくさんの人を好きになっていても、それを理解してみんなに分け隔てなく接してくれる。」


「そうなのよ。」


優美さんは新しい3人に対してもまったく分け隔てなく接してくれた。


まあ他のみんなも特にぶつかりあう事もなく接してくれるのだけど、彼女はちょっと違う。


なんというかグランドマザーって感じ。


若いのに。


「しおりん。一緒にお風呂入らない?」


なっちゃんがいう。


「いいねー!」


「じゃあお湯溜めるわ。」


「あ、待って!それじゃあジャグジーを使えるかどうか聞いてみる。」


「ジャグジー?そんなのあるの?」


「うん、ロイヤルスイートにあるよ。」


「えっ!入りたい。」


私は華江先生に内線をかける。


「あの先生。私、助けた3人にジャグジーを使わせてあげたいんですけど?」


「いいんじゃない!名案よ。」


「ありがとうございます!」


「私から優美さんとか他のメンバーには伝えるから。」


「あと唯人を預かってほしいんです。」


「もちろんよ。友達と水入らずでお風呂に入ったらいいわ。」


「ありがとうございます。」


ガチャ


私は華江先生との内線を切る。


「いいって。」


「やった!」


「じゃあ二人も呼ぼう!」


「呼ぼう呼ぼう!」


私はみなみ先輩と梨美ちゃんに内線をかけて呼んだ。


彼女達が来る前に唯人を連れて華江先生に預けに行く。


「あらぁ唯人くーん。ちょっとの間ママをお友達に貸してあげてねー。」


唯人は華江先生に慣れているのでキャッキャと笑って抱かれている。


「じゃあ唯人。私ちょっとお友達と一緒にお風呂入ってくるね。」


「ふふ。いってらっしゃい。」


「先生ありがとうございます。」


私は華江先生の部屋をでる。


部屋に戻ると二人はもう来ていた。着替えとお風呂セットをもって準備万端だった。


「じゃあいきましょー!」


「わーい。」


そして私と3人は上階にあるロイヤルスイートルームにむかった。


鍵は華江先生から借りてきたのですぐに開く。


みんなで部屋に入るとそれぞれが感動していた。


「すごーい。きれいロイヤルスイートってこんな感じなんだね。」


「私も泊った事ないから分からなかったけど、最高!」


「映画でしか見た事ないかも。」


3人とも凄く嬉しそうだった。


「ここはみんなでも使うから定期的に掃除してるんだ。ジャグジーも使い終わったら洗わなきゃだけど。」


「洗う洗う!一緒に洗う―。」


なっちゃんがニコニコ言う。


「じゃあお湯溜めてはいろう!」


「おー」


ジャグジーにお湯を溜めて、4人は服を脱いだ。


「うーん、梨美ちゃんはまだ痩せてるね・・」


「食べてるんだけどねー。でもだいぶいいわ。」


梨美ちゃんはまだ少しあばらがういていた。なかなか元にもどらないらしい。


「なっちゃんのおっぱいも、もう少しじゃない?」


「うん。まだ元通りじゃないけど戻って来たかな。なんかしおりんは大きくなったよね。」


「唯人を生んだからよ。」


「なるほどねー。」


なっちゃんのおっぱいは私より大きかったけど、今は同じくらいになっていた。


なっちゃんも少しやせ気味だったから食べるようにした方が良さそうだった。


「あ!みなみ先輩の腹筋割れてる。」


「ああ、痩せてしまったから食べながらもジムで鍛えているのよ。」


「すごーい。」


「引き締まってて凄いですね!!」


すると、みなみ先輩はボディビルダーの様な格好をした。


「ふんっ!」


すると全身の筋肉がはってムキっとなる。


「かーっこいい!イケメン!」


「なっちゃんこんなきれいな人にイケメンって」


「いいのよ栞ちゃん。私も少し自覚があるから。」


「みなみ先輩。」


「私ももっと肉付けたい!」


「食べても太らないのは羨ましいけど、なかなか肉がつかないのも大変なものなのね。」


なっちゃんは梨美ちゃんの体を見てしみじみ言う。


ザブーン


みんなでジャグジーに入る。ちょっと熱めにしたジャグジーが気持ちよかった。


「ふはー気持ちいい!」


「本当ねいいわぁ。」


「あー極楽極楽。」


「みんなでお風呂いいですねー。」


4人でお風呂たしかに。


「ねえあの合宿覚えてる?」


みなみ先輩が言う。


「覚えてますよー。」


なっちゃんが言う。


「あの時も皆でお風呂入りましたよねー!みんなの裸をはじめてみたとき羨ましかった。」


梨美ちゃんが言う。梨美ちゃんは少しやせているのでスタイルのいい先輩たちがうらやましかったようだ。


「みんなで。お風呂、今となってはいい思い出です。」


「そうよね。」


私はお風呂に入りながらあの時の人たちの顔を思い出す。


《みんなまだ元気に学生してたな・・》


今回この3人が生きていたように、みんなもどこかで生きているかもしれない。


私は儚い思いを抱くのだった。

次話:最終話 家族になろうよ

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― 新着の感想 ―
[一言] もう唯人離乳期かあ 、このくらいはお粥にカレーだな 赤ちゃん本舗にレトルトの食品が大量に有るので ベビー用品は専門店に大量にストックされてるので 西松屋とか病人の予後食は離乳食と被るのでこの…
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