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どれだけ良識ある善人、エリートであったとしても、エルフにすり寄られて耐える事ができるだろうか? いや、できない。だって人間だもの。


 魔素惑星A上空、人類の宇宙船は艦長がコールドスリープに入り、仮の管理責任者として5名の人間を艦長不在時の保守・管理役として目覚めさせた。

 保守役には任期を設け、1年毎に2名ずつコールドスリープから目覚めさせ、仕事を交代し任期を終えた者は再びコールドスリープにつく。


 だが魔素惑星Aの地上に降り立った者に対して交代人員の派遣は行われない。

 毎日の通信による確認。報告・連絡・相談が行われるだけだ。


 そのころ地上では捕獲により懇意になった現地人の協力の下、効率的な農業が行われ文明が発展してゆく。

 もちろんオーバーテクノロジーは人類により秘匿され、効率的な農業の為にオーバーテクノロジーに頼らない簡易な原始的技術を現地人に分け与えるだけだが、それでも現地人にとってはその技術は夢のようなものだった。


 太陽の光や風、水の動きなど、自然の動きをエネルギーに変え、単一のエネルギーを工夫により何倍ものエネルギーに変える。

 現地人はそんな人類の知恵を目の当たりにして感動し、そして学んだ。学び、技術を知ったのだ。

 何百年、何千年とかけて世代交代と共にゆっくりと気づいていく事を一気に知った現地人は人類を畏怖する。この自分達に似た生き物は、似て非なる者であると。安全と食料だけでなく、知恵までもを惜しみなく与えてくれる人類を特殊視し、現地人はやがて神のように人類を崇め奉りはじめる。


 これが『人類信仰』の始まりだった。


 人は絶対的な存在であり、現地人達は一様に人類に仕えるべき存在であるという思想が生まれたのだ。



 さて神として崇め、憧れられ、慕われる事になった人類。

 エルフという見た目が人間から見て美しい者達から生き神のように扱われ敬われる事になった部隊を率いるサン・ドノ・メシヨ・リエルフスキーは、密かに、仲間を説得し、共謀して宇宙船に内密で行動を開始した。


 その秘密の行動とは一体なにか。


 それは

 『遺伝子の水平伝播検証』

 『遺伝子の交差検証』

 だ。


 まず人柱となったのはサン・ドノ・メシヨ・リエルフスキー。


 つまり、検証を名目にハーレムを作り始めたのだ。

 もうサン・ドノ・メシヨ・リエルフスキーは、しんぼうたまらんかったのだ。


 エルフたちはみなサン・ドノ・メシヨ・リエルフスキーの指示に従順に従った。なぜなら生き神に欲される事は名誉であり喜びなのだ。

 こうして現地人とのハイブリッド人類誕生計画は宇宙船に内密に進められた。


 サン・ドノ・メシヨ・リエルフスキーは日夜実験を行い続けた。

 若いエルフだけではなく幼いエルフや、時には母娘同時になど、その頭脳の閃きに導かれるまま実験を行い続けた。

 過酷に実験に取り組むサン・ドノ・メシヨ・リエルフスキーは病原体等に感染することなく健康体を保ち続け、サン・ドノ・メシヨ・リエルフスキーを見た仲間達もやがて実験に取り組み始めるのだった。


 こうしてますます現地人愛が強くなってゆく降り立った人類達。

 そして人類達は、やがてそのハーレムの中でもお気に入りの個体を選びだし、そして特別に惜しみなく技術、知識を分け与えた。

 その中には人類を通してオーバーテクノロジーの一端に触れる現地人も出てきたほどだ。


 そして人類もまた未知のテクノロジーである魔法を現地人から学ぶ事になった。


 しかし常態化した隠し事は露見しやすいもの。

 比較的のんびりとした時を過ごしていた宇宙船内だが、そんな宇宙船の中でもサン・ドノ・メシヨ・リエルフスキー達の実験に気が付く者がいた。



 その気が付いた人物は「ゴッタ・ニハー・レム」という男だった。

 ゴッタは事実を知り怒った。

 怒り、拳を壁にめり込ませた。

 血涙を流した。


 なにせ自分達の相手はセクサロイドしかおらず、保管を目的とした作業に近い。

 しかもそのセクサロイドも洗浄やパーツ交換はされていても誰かの使い回し。機能は素晴らしくとも潜在的な不満は大いにあった。

 それに比べて地上に降り立った者達はどうだ。

 よくよく調べてみればエルフだけではなく、ダークエルフ、ドワーフ、獣人。どの地域でも人類は神のように崇められ、皆似たように好き放題し放題だった。


 その事実に唇を噛む「ゴッタ・ニハー・レム」


 だが、この「ゴッタ・ニハー・レム」はクレバーな男だった。

 怒りを飲みこんで頭を捻ったのだ。そして自分が彼らよりも素晴らしい環境に身を置ける可能性に気が付いた。


 そう。

 現地人達は各地域で文明を気付き始め、安定した食料生産や安全圏の確保により増殖を始めている。


 通常の現地人では言語形態の違いでコミュニケーションを取る事は難しいが、増殖を始めている現地人は皆人類を進行し円滑なコミュニケーションを取る為に人類の言語を学んでいる。


 言語の壁を取り払い、尊敬される存在と崇められる状態になるまで、現地の人類の苦労は相当な物があったはず。

 その美味しい所だけを「ゴッタ・ニハー・レム」は横取りする事が出来ると気が付いたのだ。


 彼は業務をこなしながら計画を立てた。

 その計画は『船の乗っ取り』

 「ゴッタ・ニハー・レム」が艦長となることだった。


 ある日、船の中に警報が鳴り響く。

 宇宙放射線から船を守っていたシールドに不具合が発生したという警報だった。


 偶然にも(・・・・)その時に目覚めていた中で最も上官であった「ゴッタ・ニハー・レム」は宇宙放射線の危険からコールドスリーパー達の安全を確保する為に、宇宙船を魔素惑星Aへと下ろす決断を下した。



 サン・ドノ・メシヨ・リエルフスキーは、突如上空に現れた母船に驚いた。

 通信を行い、そして同時に行われた非記録の通信を聞いて青ざめた。

 ゴッタ・ニハー・レムが、コールドスリーパー500人の受け入れと、現地人エルフの献上を言い渡してきたのだ。


 母船の兵装を理解するサン・ドノ・メシヨ・リエルフスキーは従うほか方法は無く、受け入れと現地人の提供を行った。

 ゴッタ・ニハー・レムは用件を済ませると母船と共に去って行く。


 残されたサン・ドノ・メシヨ・リエルフスキーは焦った。

 なにせ現地人に尊敬されている人類が大量にやってくる事になったのだ。それでは自分の人類としての価値が薄まってしまう。

 これまでに築いたハーレムや地位を失う事を恐れたサン・ドノ・メシヨ・リエルフスキーは、この時、王政を宣言した。

 自分達こそが選ばれし人類であり、新しく来た人類はただの移民でしかないと現地人達に宣言したのだ。

 信じがたい母船という存在とやり取りした王の言葉を現地人達が疑う余地は無かった。



 他のダークエルフ、ドワーフ、獣人の所でも同様の取引、そして権力保持が行われることとなり、こうして各国が立国したのだった――



 んで、王達の権利確保の為に文化発展は抑制され、時の流れと共に人類がおなじみの爆発増殖……的な。



 んで、ゴブリンとかオークは、人類の実験で投入された豚や猿たちが、そのあまりに早い世代交代により魔素惑星Aに合う形に進化して生まれ溢れだした感じでどうでしょか?




 いやぁ、久しぶりの更新になってて前の話を大分忘れてたので正直オロオロです。



 ちなみにゴッタ・ニハー・レムはエルフ、ダークエルフ、ドワーフ、獣人のハーレムを作ってオーバーテクノロジーを独り占めしてご満悦。

 でもドワーフの好奇心により母船が壊れてどこかに不時着することになったらしい。的な。


 こんな感じの世界であれば、エルフが人より魔法が上手で長寿にも関わらず、その根底に『人類凄い』という信仰があるから支配せずに、人類を王と認める事も有り得ると思うんです。



 ……こんな感じで、とりあえず続きを投稿しつつ、これまで何を書いて考えてたか一旦読み直そうっと。

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