猫6話
「あの……猫様。ちょっといいか?」
「うるさい」
「いやいや!!!うるさくはないだろ!!」
「もっとうるさい」
俺のベッドで寝ころんだまま、タブレットで何やら作業をしている猫様。声をかけていい雰囲気かわからなかったが……これだけはキチンと確認しておかないといけない。
「あの……今日いつ頃帰るの?」
「……にゃ?」
「いや……流石にうちに泊まっていくのは、色々とヤバイだろうしさ」
「ヤバイって何にゃ?」
「いや……その……一応年齢差はあるけど……男と女なわけでさ?その……い、色々と泊まるのはまずいだろ!」
「……えっち。最低。死ねにゃ」
「し、死ねまで言うことないだろ!!!」
まさにゴミでも見るような冷たい目線で俺を見る猫様。
……でもどこか興奮してしまった自分に自分で引いている。
「死ね以外に言葉が見つからない」
「わ、わかった。仮に泊っていくとして、寝る場所とかどうすんだよ」
「このベッド気持ちいいから、絶対出たくない」
「動きませんよアピールすんなよ!!!」
「ベッドは幸せにゃ」
「……はぁ。わかった。諦めた。俺は今日は床で寝る」
「…………やだ」
「……へっ!?……いや……でもそれは……」
「ゴミはベランダで寝ろ」
「……いやいやいや!おい!?」
まさかの自分の家のベランダで寝る日がくるとは思ってもいなかった。




