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45話 師匠に相談

一晩明けて次の日の朝、師匠ことハースキーさん達と巣の麓で獣人族の人達と朝ご飯。

これから暫くはレイテンに通う予定なので、休憩場所の設営のお手伝いがあまり出来なくなる事を伝えないと。


「師匠。 暫くの間、休憩場所を作るお手伝いが出来なくなりそうです」

「ん? 別に構わねぇが、何かやんのか?」

「ええ、母さんに言われましてちょっと……」


流石に、人になって色々とやる事は説明出来ないなぁ。

まぁ、濁せるものは濁しとこう。


「よく解らねぇが、お前の母ちゃん……白の女王が指示を出すくらいだし、余程の事なのか?」

「余程と言う訳ではないです、僕の成長の為に結構近場なのですが、モンスターが居る場所に何度か通う事になりそうでして」

「成長の為? そうか、気を付けろよ」

「はい、モンスターは凄い怖いですが何とか頑張ってみます」

「おう!」


あれ? 何かサラッと流されてしまった様な気がする。

もっとこう、心配してくれるとか思っちゃったんだけど。

何だかんだ言って師匠は面倒見がいい人だから、アドバイスとかしてくれるとか無いのかな?


「モンスターは凄い怖いですが何とか頑張ってみます」

「ん?」

「モンスターは……」

「おい、何で同じことを二度も三度も言う?」

「だって、アドバイスとかしてくれるかなーって」

「今、お前が食ってる朝飯はなんだ?」


師匠が呟きながら僕の朝ご飯を指を指す。

見降ろしてご飯に目を向ける。

朝ご飯はなにか? 謎掛け……?


「お、お肉?」

「だよな。 何の肉だ?」

「モンスター?」

「そこまで分かってて、なぜ俺に向かってアドバイスを求める? さっき近場に行くと言ってたよな、そんな近場にお前を脅かすようなモンスターが居る訳ねーだろ。 居たら俺らがこんな場所に住んでねーって」


ああ! しまった。

人になって行動する事を言ってないんだ。

モンスターが居る場所を人になって行動する事を上手く説明できないだろうか。


「第一によ、お前が通う事になりそうな場所に居るモンスターってのはこの森に居る、お前の食っている様な奴よりつえーのか?」


足元に転がっているご飯を見た後に、昨日見た大ネズミや石の魔導人形を思い出してみる。

どんなに贔屓目に見ても、ご飯の方が強い。


「ご飯かな?」

「なら、何も恐れる事なんてねーだろ」

「で、でも! モンスターがいっぱい居て怖くて……」

「……はぁ、一回深呼吸して気持ちを落ち着けな。 終わったら俺の質問に答えろ」


言われた通りに、大きく深呼吸。

周りを見ると他の人達は殆どご飯を食べ終わって仕事に行ってしまった。


「お前が通う場所にはモンスターが居る。 だがこの森に住みついている奴より弱い。 間違いないな?」

「はい」

「俺が教えてやった、必殺技は?」

「え? 気配殺しですか?」

「そうだな。 この森に居るモンスターに近付いてもばれない位、使いこなせているよな?」

「勿論です! この朝ご飯だって気配殺しで近付いて狩ってきました」

「じゃあ、使えよ。 そこのモンスターに。 まぁ駆除するのが目的なら別の方法を考えねーといけないだろうけどさ」


……あっ!

そうだ、完全に忘れてた。

気配殺しを使えば基本的にモンスターと戦うのを避ける事が出来るのでは。

いや、竜と人では違うだろうし上手く行く気がしない。


「でも……」

「怖いってのは分かった。 でもな、お前の母ちゃんだって出来ない事をやらせようって考えているとは思えないんだよな」

「そうだと思うんですけど」

「ならもう俺が今言える事は何もない。 無理をしろとは言わないけど、やる前から出来ない出来ないって言うのは無しだ。 やれるだけの事をやってみて駄目なら何が駄目だったかを話せ、そん時は俺も何かしら対策を立ててやる、以上。 さて、さっさと飯を食ってお互いにやる事を始めるぞ」


一気にご飯を掻き込んで師匠が作業に行ってしまった。

やるだけやれって言うけど、どうやればいいのさ。

兎にも角にも、気配殺しが人の姿で使えるかどうか試すことぐらいしか今はないかな。

僕もご飯を食べて一旦巣に戻って準備をしよう。


飛び上がる為に動かした羽も、心も重い……


巣に戻ってレイテンへ向かう準備の為、一度人になる。

と言っても、姉さんがお団子を持たせてくれた時に作ってくれたカバンに、母さんに買って貰った地図用の紙と鉛筆、それと獣人の人達から貰った干し肉とドライフルーツを少し詰めるだけ。


よし、準備完了……してしまった。

水筒とか欲しいな、買って貰えば良かった。

レイテンに行ったら少し見繕ってみよう。

あ、そだ。 肝心な物を忘れる処だった、お金はどのくらい持って行こう。

金貨と銀貨をちょっとずつ持って行けばいいかな。


「……はぁ」


気が重い。

自分でお願いして、ここまで準備して貰ってこんな気持ちになるのは良くないと理解はしている。

でも、怖いものは怖い。


「……ふぅ」


駄目だと分かってても、溜息をついてばかりだな。

今日は行くだけ行って気配殺しが通用するのか、駄目だった場合は僕の力だけでどこまで出来るのかをちょっぴり試してさっさと帰って来よう。

あと、何か美味しい物を食べて来よう、そうしよう。

母さんだって、師匠だって、無理をするなって言ってたんだし全力で逃げかえって来よう。

よし、そう考えれば少し気が楽になって来た気がする。


竜に戻って飛び上がる。

昨日は母さんと向かったレイテンへ今日は一人飛ぶ。

最近お肉ばかりだったから、今日はパンケーキでも食べようかな。


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