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44話 やるだけの事はやってみよう

「僕には少々荷が重いと言いますか、難しいかな?」

「安心しろ、大丈夫だ」

「どこからその自信が? と言うか、その言葉は僕が言う事ですよね?」

「母が先導してきたとはいえ、ここまで何も問題無く来れている」


そりゃあ、問題なんて起こる前に全て母さんが潰しちゃいましたし。

でも、僕一人だったら処理できるわけがない。


「よしんば、一層のモンスターなら生モノしか居ないようですし最悪の手段として、通路一杯に逃げ場のない位の炎の魔法でも打ち続ければ何とかなりますけど、二層の魔導人形なんて僕一人じゃ絶対に無理ですよ」

「先ほど母の横で問題無く(?)攻撃を避けれていただろう。 それにあの杖の降り方は中々腰が入っていて良かったぞ」


しまった、調子……乗りすぎたぁ。

なぜ、あの時母さんの横で魔導人形なんて倒しちゃったんだよぅ……

何か断る口実を考えねば。


「このような場所に連れて来られて戸惑っているのは分かるが、母としてはここで学んで欲しいと思っている」

「学ぶ? 戦い方をですか?」

「戦闘訓練なんてものは生きていれば身に付く。 学んで欲しいのは道筋の立て方だ」

「?」


道筋の立て方って、地図の付け方の事?

確かに結構入り組んでいる場所や、倉庫として使われていたであろう小部屋とか多かったし。

でも、それが僕の誇れるもを見つける役に立つのだろうか?


「道筋ですか」

「そうだ道筋だ。 たとえ目標が何処にあるのかわかっていても、そこへ辿り着く為の道筋にはどのような障害があるのか分からん」

「はい、そうですね」


ここまで来るのにもどんなモンスターが居るのかなんて知りませんでした。

三層に降りるにも結界がありますし。


「障害を見つける観察力、自分の力のみで解決出来るのかを見極める判断力、無理をしてでも進むか否かを決める決断力、そう言ったものをここで身に付けて欲しい」

「あ……」

「勿論、難しい問題があったなら母を頼っても構わん。 先程言ったように荷が重いと言うのなら無理強いをするつもりも無い。 だが、肉体的ではなく精神的な面で自分を磨いて見ないか?」


母さんの言葉がストンと胸の中に落ちてきた感じがする。

自分で見て、考えて、判断する……母さんや姉さんの後ろを付いて回る事しかしてこなかった僕には絶対的に足りない力だ。

地図を付けるという事が、こんなにも自分の為になるなんて。


「か、母さん……僕、間違ってました……」

「うむ?」

「正直、モンスターだらけの神殿になんて連れて来られて母さんは何を考えているのだろうと疑ってました」

「そうか」

「でも、母さんの言う通りです。 ここには僕の足りない、身に付けなくてはならない力を得る為に必要な事が詰まっている様な気がしてきました!」

「なら、自分の力だけでこの先へ進んでみるか?」

「はい、直ぐには無理でしょうが必ずどんな障害があって、どう乗り越えるかを記し立派な地図を作ってみせます!!!」

「うん? 地図? ……まぁ、良い。 ならば結界の解き方を教えたら今日は戻るぞ。 まずは結界に手を添えなさい」


言われた通りに、結界に手を添える。

そのまま火の魔法でも撃てば溶けるのかな?

なんて事を考えていたら、僕の手の上に母さんの手が添えられた。


「日常生活で使わない魔法と言うものは、言葉で説明するのが非常に厄介でな。 こういう物は、身をもって覚えるのが一番早い」

「はぁ……えっ?」


あ、いつも通りの何か嫌な予感が。

まって、手の甲がビリビリして来た。


「まさか、僕の手越しに結界の解除魔法を使うとか言わないですよね?」

「……」

「どうして黙っているんですか? あのっビリビリって、すっごい手がビリビリします!」

「そのビリビリが感じられるのなら問題ない。 結界が壊れる事と痺れる事をイメージしながら手に魔力を込めれば良い。 逆に結界が形成されることをイメージすれば、多少鍛錬が必要だろうが結界を生み出す事も出来る様になるだろう」

「わっわかりっ……分かりましたからもうやめてーーー」


結局、目の前の結界が破壊されるまでビリビリが止まらなかった。

しかも、手を擦っていたら破壊された結界も数分したら元に戻っちゃうし。

こう言う場所の結界はどこかに発生装置があるらしくて、壊してもそのうち戻ってしまうとか何とか。

何でこんなメンドクサイ物を作るかなぁ。


「さて、戻るか。 上に戻って食事を取ったら露店でも見て回ろう。 何か欲しい物があるなら折角だし揃えてしまおう」

「欲しい物ですか、それなら紙と鉛筆が欲しいです」

「そんなもの何に使う?」


そんなものって、地図を作る為に決まってるじゃないですか。

頭の中で描いた地図なんて絶対に不鮮明で曖昧になるに決まってる。

……いや、母さん位になると出来てしまいそうで怖い。


神殿から出た後にご飯を食べて、しきりに首を傾げる母さんに紙と鉛筆を買って貰ってその日はお開きに。

別れ際に無理はしない、困ったら相談に来るようにと、さんざん言われたけど今回は出来るだけ僕一人の力でやってみよう。

さて、今日は帰ってゆっくり休もう。

その前に土嚢にお水上げなきゃいけないな。

あ、ダガーの切れ味を落としてもらうの忘れてた……

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