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バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~   作者: 出雲大吉
第3章

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第114話 応援?


 エリク君が来るということを聞いてから4日が経ち、木曜日となった。

 学校での話題はやはり魔法大会一色だった。

 今日も午後の授業を終えると、教室に残ったいつものメンバーでその話をしている。

 ただし、ユイカはトウコが連れ去ったのでこの場にいない。


「ノエル、大丈夫か?」


 ノエルの顔が日に日に青くなっている気がする。


「だ、大丈夫です」


 全然、大丈夫に見えないんですけど……


「落ち着きなさい、ノエル。あなたは何もしなくていいから。私が3組とも瞬殺してあげる」

「イ、イルメラさん……!」


 イルメラって女子にモテそうだな。


「相手は?」


 イルメラに聞く。


「Cクラスの1組とAクラスの2組ね。知ってる人達だけど、私の相手じゃないわ」


 か、かっこいい……


「ノエルとのバランスを見たわけか」


 イルメラ+100、ノエル-100。


「そうじゃない? こっちは多人数を相手にできるように槍を使っているわけだから何人来ようと一緒よ」

「お前、マジでかっこいいな。俺が後輩女子だったらホレてるわ」

「なんで女子なのよ」

「わかるよな? お姉様だよな?」


 ノエルに振ると、大きく頷いた。


「わかるのか……あ、でも、そういえば……」


 イルメラは過去に何かあったようだ。

 多分、俺が想像していることとそう遠くない。


「フランクも僕の王子様をしてくれるよね?」


 セドリックがキモいことを言っている。


「どう見てもお前が王子で俺が衛兵だろ」


 うん。

 絶対にそっち。


「頑張ってくれよ」

「少しはやる気を出せ。せめて魔法で援護くらいはしてくれ」

「やる、やる」


 ホントかな?

 セドリックは本当に動かないからな……


「そういうツカサさんは大丈夫です? すんごい組み合わせでしたよね?」


 ノエルが聞いてくる。


「あ、確かに。対トウコとユイカで大トリでしょ?」

「しかも、開幕ゲームもだな」

「さらに言えば、相方さんが生徒会長」


 皆も気になっていたようだ。


「まあな。俺のことは主人公と呼んでくれ」

「っぽいですね。どうなんです? 会長と上手くやれそうですか?」


 ノエルは若干、にやついている。


「タイプが真逆だからな。まあ、何とかなるだろ」

「特訓とか一緒にやってるんですか?」


 ノエルってこういう時だけうざくなるんだよなー……

 さっきまで青かったくせに。


「シャルはメイドとやってるな。俺は特にしてない」

「余裕ねー。相手はトウコよ?」


 イルメラが聞いてくる。


「今さら訓練してもな……魔法を覚えられないし」

「あんたは武術オンリーだもんね。そういえば、トウコと一緒に会長とマチアスと決闘したのに今度は会長と組んでトウコと戦うんだ……本当の裏切者になったわね」

「血統派になったか?」


 イルメラとフランクが笑った。


「なってねーよ。むしろ、血統派の2人に宣戦布告された」

「血統派の2人? 誰よ?」

「開幕ゲームの相手。Cクラスのアーサーとヘンリーだな」


 苗字は忘れた。


「へー……知らないわね。フランクとセドリックは同じ寮生なんだから知ってるでしょ?」


 イルメラが男子2人を見る。


「知ってるな。かなり強い」

「接近戦タイプの似たような2人だけどね」

「ふーん……じゃあ、あんたの相手じゃないわね。どっかのバカみたいに首の骨を折っちゃいなさいよ」


 ホント、物騒なことを言う女だな。


「まあ、やるからには勝ちにいくわ。なんかアーサーには睨まれたし」


 終始睨んでいた。

 あれじゃあ、ヘンリーに言われなくても友達になれそうにない。


「あー……それか」

「宣戦布告ってそういう意味ね」


 男子2人はわかっているようで呆れている。


「え? 意味があるの?」


 俺、何かした?


「ん? まあ……」

「わからないのか……」


 2人がまたしても呆れた。


「え? マジで何? イルメラ、わかる?」

「わかんない……あんた、何かしたの?」


 イルメラもわからないらしい。


「ノエルはわかるか?」


 にやついているノエルに聞いてみる。


「全然わかりませんが、アーサーさんには力の差を示し、完膚なきまでに打ち勝つと良いと思います」


 何言ってんだ、こいつ……


「いやまあ、そうするけどさ……」

「私は御二人を応援してますんで」

「いや、イヴェール派の人間かもしれないけど、クラスメイトの女子を応援したら?」


 俺とシャルよりトウコとユイカだろ。


「そういやその2人はいつもどこに行ってるんだ?」


 フランクがイルメラに聞く。


「特訓だってさ。ユイカはツカサに勝つって息巻いてる」

「あー、あいつ、演習でツカサにみぞおちブローを食らって負けたからな」


 事実なんだけど、俺が暴力男みたいだな。


「トウコも決闘で会長に負けてるでしょ? そりゃもう燃えているわよ。リベンジマッチね」


 燃えなくていいよ。

 鎮火しろ。


「そう思うと、大トリにふさわしい戦いだね。Cクラス対Dクラスだし」


 セドリックも俺を裏切者と思っているらしい。


「お前ら、どっちを応援するの?」

「他意はないけどトウコとユイカ」

「まあ、俺もかな……」

「僕もそっちかなー」


 味方がおらんし……


「ノエル、やっぱりお前はこっちに来い。イヴェール派だろ」

「そうですね。ロミジュリ派なんで」


 だからそれ何よ?


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