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神の下僕は自由になりたい  作者: D沖信
未来襲来
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コード“竜”3

翔が変異体との交戦開始した同時刻、黒鴉と神姫も敵と交戦していた。

複数の腕が生えた4メートル程の巨人、相手を見て黒鴉はがっかりした様子で神姫に質問する。

「キモくてショボいわねー、人型の原型無い怪物期待したのにさー、どう思う?アレ」

「えっと…倒してから話しましょう…こっち見てますよ?」

黒鴉はため息をついて剣を呼び出してスッと剣を敵に向けて呆れ顔で一言。

「消し飛べ」

バハムートが現れて敵の手足を水流のビームで一気にバラバラにして戦いを終わらせる。

「あの人形見た後だと理性無さそうな怪物は弱っちく見えるわ」

「お、お見事です…」

「それ程でもー、さ、帰りましょ」

つまらなそうに武器を戻して手を頭の後ろで組んで転がる石ころを蹴る黒鴉にドン引きする神姫だった。


また別の作戦区域では黒姫とヨロズが遠くに守護者と二足歩行する人間サイズの野ネズミの群れを見つける。

「ネズミ…汚ならしい」

ヨロズが拳銃を向けて呟く。

「多いですね…守護者は一体だけだと思ってました」

「まるで群体ね…逃がさないように」

「わ、分かりました…できるかな?」

指示に不安になる黒姫だったがヨロズが黒姫の準備を待たずに発砲を始め急ぎ援護するように光の球で逃げ道を塞ぐように攻撃をする。

「一際デカいのがボスかしら、まどろっこしいわね」

弾切れした鉄砲を腰に戻して徒手空拳で雑魚を殺しはじめて黒姫はドン引きする。

「ヨロズさん!?」

「クロヒメ!援護なさい!ハッ!」

掌底打ち、巴投げ、正拳突き、小足からの回し蹴り、黒姫の援護の入れる隙も無く敵を千切っては投げを繰り返し伸していく。

黒姫は仕方なく遠方の敵を攻撃していき気が付けばヨロズは一際大柄なネズミと向かい合っていた。

「相手が人型で良かった…まだまだキレは健在ね」

ヨロズはスッと腕を開き天地上下の構えを取る。

(えぇ…アレに素手で挑むんですか!?)

雑魚もボスのタイマンの戦いにしんと静まり返る。

風が吹き抜け痺れを切らしたボスが前歯を突き出し真っ直ぐ噛み付きに飛び掛かる。

目を見開きヨロズは素早く腕を回転させネズミの鼻先を横から掌で弾きネズミを動きを横回転に流す。

空中で力の方向を変えられ上下逆さにされて地に落ちた頭をヨロズは無言で頭蓋を踏み砕いて倒す。

「その動きは想定済みだ、所詮はたわけ者か」

ボスが負けたと見るや逃げ出そうとする雑魚を黒姫がハッとして追撃する。

「全く、逃がしたら面倒だというのに」

ヨロズはその様子を見ながら銃をリロードして入念にボスの心臓を何度か撃ち抜きため息をつく。

あらかた片付いて黒姫はヨロズから説教を受けながら自衛隊に報告を済ませる。

「ヨロズさんって格闘家なんですか…?」

「護身術が行き過ぎた結果、言い触らすなよ?」

「は、はい…」

凄まれて黒姫はペコペコと頷くしか出来なかった。


各地の戦闘を終えて情報の整理をしていた神威の元に最初に戻って来たのは黒鴉と神姫だった。

「ただいま」

「戻りましたよ」

疲れもなく素っ気ない様子の黒鴉に神威は一番面倒なのが帰って来たと感じ、気を利かせて休むよう提案してみる。

「へ、部屋でゆっくり休むといい」

「はぁ?全っ然疲れてないし」

何故か怒られ黒鴉は勝手に席に着く神姫も仕事を手伝おうと既に席に座り色々と用意をしていた。

(君達がいると話がしづらい!…なんて言えないよなぁ)

自身の戦果を周りに自慢気に話す黒鴉に小言を言うのは野暮だと考えながら神威は翔の戻りを待つのだった。

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