コード“楽”10
神楽の薦めで翔と黒姫の二人と嫌々ながら話し合いする事にした黒鴉。
すぐに黒鴉の疑問に対する一言が呼び出した呼び出された翔から出てくる。
「狙い目は神華か神螺だろうな。配った武器を媒介に…って前提だがな、どっちも敵を手駒にする技として使えるんじゃないか?」
「は?何それ…どういうこと?」
突然の話に困惑する黒鴉に翔が説明をする。
「まずは神華だな、彼女の能力は精神感応、支配だ。相手の思考や意志を乱し操作する」
「神田が?そんなヤバい能力を!?」
黒鴉の何も知らない反応に翔はしまったと感じてフォローを付け加える。
「彼女はその力をあまり使いたくないと考えている…と思う」
「そうよね!…そうよね?」
「友達として信じてやってくれ」
じっと様子を見ていた黒姫が更にフォローを入れる。
「今の神華さんなら大丈夫ですよ!」
黒鴉は「今の?」と更に疑念を抱くが本人がいないのに変に話を広げるわけには行かないと翔が神螺の話に移る。
「次に神螺だが…再現する所にもよるが最悪のケースとして人を化物にする可能性がある」
「はぁ!?何それ!?」
また突飛な内容に大声が出る。
「まぁ無敵能力も厄介だけど」
「えぇ…二人ってヤバいモノなの?」
「今更か?二人だけじゃなくて全員本気出せば世界をひっくり返す力はあるからな」
目をパチパチとさせて黒鴉は考える。
「両方適用されて無敵の操り人形部隊なんて完成されたら…この世の終わりよ!?」
「あり得ない話じゃないからな…」
顔面蒼白の黒鴉に翔が唸って考える。
「だがその証明が出来ない、多分だけど危険性の示唆だけじゃ皆動かない…」
「はぁ…でもやらないよりはマシね」
黒鴉は再三の注意喚起をコミュニティで発布する。
「神田め…こういう時になんでいないのよ!」
その愚痴を翔も黒姫も神華の行方を知らず心配する。
「休みって聞いてますが…心配ですよね」
「緊急事態みたいなものなのに休みとか…ほーんと!電話も繋がらないしメッセージの既読も付かないのよ!?確か男探してるんじゃなかった?!」
自分の携帯の無視され続けたメッセージ画面を見せつけて騒ぐ黒鴉を見て遊び呆ける神華を想像して翔は苦笑いする。
「どこに遊びに行ったんだか…お父様に聞くしかないか…海外だけど」
「…知ってるかな?」
苛々した様子で黒鴉は黒姫の疑問を一蹴する。
「んなもん関係なく聞くしかないのよ!…杞憂で終わるならそれでいいけど、兎に角今は神田が必要なのよ。…はぁ、話は終わりよ出て行って」
疲れた様子の黒鴉は二人を難癖つけて追い出し一人研究室に籠る。
追い出された翔達を神威が出迎える。
「その様子だと黒鴉嬢は…ふむ、休むように我から伝えておこう、竜と違って彼女は人だからな…」
迫る危険な予感に翔達も不安になる。
「…もし今の話が本当なら、翔君は人を切れますか?上位世界の人と違い地球の同胞を」
「切らずに済む為に最善を尽くす…としか言えない、覚悟が足りないか?」
黒姫は静かに首を横に振り不安を吐露する。
「今後、本当にどうなってしまうのでしょうか…」
「尖兵達を捨て駒にして人を擬似呼ばわりしてくる連中だ…敵からの慈悲を期待するなよ?」
「気が滅入ります…いえ、そんな事言ってられませんね!私達もできる限りの努力をしましょう」
黒姫は自身を奮い立たせて情報の拡散を行おうと携帯を取り出す。
「そうだな、取り敢えず理解して貰えそうな所から広めていくか」
河内や猪尾達に情報を共有して順々に世間に危険性を広めようと努力するのだった。




