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「謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める」  作者: 27Be


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第30話 1535年 5歳 飛び加藤の登場だぞ

現代の記憶を持ったまま戦国時代に転生した上杉龍義。

幼くして軍事・経済・諜報を握り、越後を急速に変革していく。

忍びの禁じ手 抜け忍だけで構成される「赤目一族」を仲間に加えた上杉龍義

長尾家に仕えてきた忍者「軒猿」との、静かなる対峙が始まる――。

俺は新たに忍者赤目一族を、俺の直属として迎え入れた。

この動きに懸念を示した祖父・長尾為景から、従来から長尾家に仕えていた忍者「軒猿」との会談を命じられる。


会談の場は春日山城の一室。

俺は赤目滝を伴って部屋へ向かった。


すでにそこには、

軒猿の首領・藤猿と、見知らぬ男が控えていた。


俺「久しぶりだな、藤猿」


藤猿「若様のご活躍、まことに驚嘆しておりまする」


俺「この度、赤目一族を迎えるにあたって――」


そう言いかけた瞬間。


藤猿「お主か。忍びの恥晒しは、汚らわしい」


俺「藤猿、控えろ。第一、俺の仕事を最初に断ったのはお主の方であろう」


――俺が二歳の時、藤猿は俺の依頼を断っている。


藤猿「若様は軒猿を排除し、赤目を使うおつもりか!」


俺「そのつもりはない。

軒猿には国人衆、赤目には他国衆を見てもらう」


藤猿「不満でござる。赤目と軒猿、どちらが上か試そうぞ!」


俺「控えろ藤猿!

赤目を使う理由は国外に長けているからだ。

軒猿は国内では最強だが、国外での経験が少ない」


藤猿「……納得がいきませぬ」


俺「ならば結果で示せ。

軒猿はこれまで祖父や国人衆に対しては結果を出し続けてきた。

だが――俺に対しては、まだだ」


藤猿「若様のご要求とは?」


俺「反乱を起こしそうな連中の内情を探れ。

なぜ反乱を考えているのか、何が弱みか。

噂ではなく、必ず“証拠”を掴め」


藤猿「承知。

若様との連絡役として、こちらの者を使わせていただきたい。名乗れ」


大柄な忍者が一歩前へ出た。


加藤「加藤段蔵にございます」


――こいつ、有名な飛び加藤じゃねぇか。


加藤「若様にお伺いいたします。

若様の身辺警護は、軒猿で?」


俺「赤目だ」


加藤「……納得できませぬ。赤目では縁者か否かすら判別できぬ」


赤目滝「つきます」


加藤「忍者の掟を守れぬ者は半端者。半端者は黙れ」


赤目滝「ならば、腕で決めようぞ」


俺「控えろ赤目、加藤!」


俺は加藤を真っ直ぐ見た。


俺「加藤よ。俺はお前に期待している。本当だ。

だが軒猿は、祖父や父も守らねばならぬ。

俺に付けられるのは、多くても二、三人――そうだろ藤猿」


藤猿「……申し訳ありませぬ」


俺「赤目は一族すべてで俺を守る。

どちらに頼むかは、自明だ」


加藤「……」


俺「加藤よ。俺の期待を裏切るなよ」


藤猿は、俺がなぜ加藤に期待するのか理解できぬという顔で、深く頭を下げた。


俺「藤猿、加藤、下がれ」


二人が下がると、赤目滝が目で合図をしてきた。

――軒猿が、まだ聞き耳を立てている。


俺「赤目よ。

軒猿は優秀で、忠誠心も高い。お主も見習うと良い」


この言葉を、藤猿はきっと誇らしく聞いているだろう。


俺は小さく息を吐く。


――やり過ぎるとバレる。


俺は赤目と共に、静かに部屋を後にした。

今回は軒猿と赤目の緊張感ある回でした!

そしてついに飛び加藤も登場です。

これから忍者まわりもかなり動いていきます。

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