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第92話 VSハデス

 彼女とハデスが同化すると、再び圧倒的なプレッシャーを放つ。この世すべての闇を凝縮したような黒いオーラに包まれた彼女は恍惚とした表情を浮かべながらこちらを見つめ口を開くと天から声が落ちてくる。



『まさか、奥の手まで使わされるとは思いませんでいた……ですが、ハデス様となった私に敵はいません。二人を目の前で嬲ればあなたもハデス様の信仰に目覚めるでしょう。アステシア様は本当に幸運ですね』

「きゅー……」



 パンドラの言葉に反応できたのはホワイトだけだった。声を聞いただけで心の底が恐怖で震えてくる。カタカタと音がしたと思うと、自分の歯が震えていたのだった。

 以前倒したから勝てるだろうとは思っていた。だけど、これは違う。あの時の……無理やり現れたハデスとはちがう。ただあるだけで圧倒的な恐怖をまき散らす邪神だ。

 しかも、以前よりも自分が強くなったせいで、よけい実力差がわかる。



「ヴァイス様……私が時間を稼ぎます。その間にアステシアさんをつれてお逃げください」

「なっ、ロザリア……」

「あなた何を言っているのよ……」



 槍を構えたロザリアが一歩前に足を踏み出す。だけど、その声も手も震えているのがわかる。彼女も俺と同様に恐怖を感じているのに助けようとしてくれているのだ。

 ロザリア……お前ってやつは……

 その姿は、ゲームで見た崩れ落ちる屋敷の中でヴァイスが逃げる時間を稼ぐ彼女と重なって……俺は気づいたら足を一歩踏み出して、彼女の横に並んでいた。それに、アステシアも続く。



「ヴァイス様、アステシアさん!? 目の前の相手の強さがわからないわけではないでしょう!!」

「悪いな、その作戦は無しだ。俺を誰だと思っているんだ? ヴァイス=ハミルトンだぜ。俺はお前を……ロザリアを見捨てて逃げたりはしない」

「もともとあいつは私が狙いなのよ。逃げるくらいならここで叩き潰した方が楽でしょう」

「うふふ、わかりました……みんなで倒しましょう」



 俺の言葉にアステシアも続くとロザリアも納得をしてくれたようだ。そんな様子をパンドラがまるで、子供たちのお遊戯でも見ているかのような目で眺めてくる。

 今のこいつにとっては俺達なんて脅威でもないのだろう。

 


『おやおや、逃げないのですか? 徐々に追い詰めて、アステシア様の目の前でお二人の最初は腕を……そして足をもぐのを見ていただくのも一興だと思ったのですが……戦うというのならいいでしょう。神の力をお見せし……うっぐぅ……」



 パンドラが一歩こちらに近づいてきた時だった。彼女は悲鳴を上げて、豊かな自分の胸元を抑えて、呻きだしたのだ。




『痛い痛い痛い、なんでですか? これは生命力が食われていく感覚? それに……体の奥底から異物が入ってくる感覚がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』



 そして、そのまま胸元を抑えて苦しみ悶えて倒れてしまった。一体何がおきているんだ? まてよ、パンドラの受けたダメージはまさか……



「そうか……ハデスは神霊の泉で受けたダメージが回復していないんだ。ハデスは腐っても神だから痛みに耐えられたでも、パンドラは……」

「なるほど……彼女がハデスになったために力と共にあの時の傷も引き継ぐことになってしまったのですね」

「よくわからないけど、今がチャンスってことよね。神の雷よ、我が敵を浄化したまえ」

『くうううーー!!』



 容赦なく攻撃するアステシアが放った神の雷をパンドラが悲鳴を上げながらもかろうじで避ける。痛みを感じながらも、ハデスの力を解かないのはさすがというところだろう。



「パンドラ……お前だってわかっていんるんだろう? そのハデスの力はお前の体をむしばむだけだ。そのままだと死ぬぞ」

『わかっていますよ。なぜかはわかりませんが、。ハデス様の御身体は傷を負っていたようですね……ですが、仮にもハデス様の力をこの身に宿したのです!! なにもせずに解くなどはできません!!」

「なんでそこまで……」



 すさまじい執念を感じさせるパンドラの言葉に俺は思わず問いかけると彼女が恍惚とした表情で答える。



『なぜかですか……教えてあげましょう。かつて聖女候補としてつまらない人生を送っていた私に、真実を教えてくださったあのお方の……」

「そんなの知る必要ないでしょう。こいつは私たちや教会の子たちを傷つけて、ヴァイスの貞操も奪おうとした。ただの敵よ!! 己の愚かさを悔いて死になさい!! 神の雷よ、我が敵を浄化したまえ」

『ぐはぁ……』



 意気揚々と敵キャラにありがちな過去を語ろうとしたパンドラをアステシアのおっぱいサンダーが襲う。確かにわざわざ聞いてやる必要はないな。

 俺がダインスレイブを構えた時だった。



「待て!! これ以上のこのお方を傷つけることは許さん」



 そういって割り込んできたのは一人の冒険者風の女と、ピュラー……そして、なぜか彼女にくっついている教会の子供たちだった。





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