表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

120/121

116.崩壊していくアジト

「うおおおお、崩壊していくぅぅぅぅぅ!!」



 バイオレットの魔法のせいで崩れていくアジトの中で俺は情けなく悲鳴を上げていた。しかも、俺一人ではない。ちょっとした荷物を持っているのである。

 ちなみにダークネスはスカーレットを抱えて先に行ってしまった。あいつ無茶苦茶足が速かったんだけど!!



「ヴァイス様、よかったら私が持ちましょうか?」

「大丈夫だ。ここは俺に任せてくれ」

「それにしても、こいつは何の役にもたたなかったわね……」



 俺が背負っているクレスにアイギスが辛辣な言葉を浴びせる。いやまあ、それでもこいつは頑張ったと思うよ……ただ、相手が一枚上手だったたけだ。


 というかなんだろうな……クレスの行動が読まれていたっていうのか? ハデス側にも俺やクレスのような存在がいるってことなのだろうか?



 俺は最悪の予想に顔をしかめると、誰かの視線を感じた。ロザリアである。



「ヴァイス様……何か悩みがあるのならばご相談してくださいね」



 そうだよ、もう、俺は一人で悩むことはないんだ。彼女は俺の秘密も知っているのだ。そして、そのうえで受け入れてくれているんだ。そう思うと不思議なほど気が楽になった。



「ああ、ありがとう。その時は頼むよ」

「はい……お任せください」

「むー、私だってヴァイスの力になれるんだから!!」



 俺とロザリアが笑いあっていると仲間外れにされたアイギスが、不満そうにほほを膨らました。彼女にもいつか話すときがくるかもしれない。

 そう思うと不思議とリラックスできた。今の俺には信頼できる仲間がいるのだ。しかし、こういう風な時間制限がある脱出系のダンジョンだと、この時にしか手に入らないアイテムがあったりするんだよな……

 そんな風に考えていると、ちょうど先ほどの通路が目に入った。




「そういえば牢獄の連中はどうなるんだろうな……」

「ヴァイス様……お優しいのはわかりますが、この状況ではあなたが危険です」

「仕方ないわね……あんたは荷物を持っているし、私が代わりに……」



 そんなことを話している時だった。けたたましい笑い声が響いてくるのが聞こえた。



「ふはははは、救世主である私はすべてを救うのだ!! 感謝するがいい、民衆よ!!」

「魔法で運んでいるのは私なんだけど!! それに……彼らは私の妹がさらったんですもの……」



 視線を送るとスカーレットをお姫様抱っこしているダークネスが、あっさりと俺たちを追い越した。彼の後ろから牢獄につかまっている人間たちが宙をういてついてきている。いろいろな身分の人間がいるのようで中には高そうな服に身を包んだ人間もいた。

 どうやら急いで先に行ったのはこういう理由らしい。さすがは十二使徒である。



「なんか解決しちゃったわね……」

「ああ、そうだな……」

「うふふ、めでたしめでたしですね」



 そうして、俺たちはアジトから脱出することができたのだった。だけど、俺はこの時には気づかなかったのだ。これがゼウス十二使徒とハデス十二使徒の戦いのきっかけとなることに……

書籍発売中です。


よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ