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108.ダークネスの依頼

「はっはっはー、いやー、邪魔をしてすまなかった!! 私は貴公はアイギスと仲が良いと師匠に聞いていたからな。このようなことは想定してなかったのだよ。英雄は色を好むというが女で身を亡ぼすの人間が多いのも事実だ、気を付けるがいい」

「なっ、別に俺はアイギスとそういう仲じゃないっての!! ロザリアも……色々あったっていったろ!! てか、その師匠って……」

「ああ、むろん、ラインハルト殿だ!! 貴公のことはなかなか買っているようだぞ。最近はアイギスと貴公の事ばかり手紙で書いてくるからな」



 あの後色々と誤解を解いた俺は別室でダークネスと向かいあっていた。ていうかラインハルトさん、マジで俺とアイギスをくっつけるつもりなのだろうか?

 ただ、このままからかわれてばかりってのもムカつくな。



「そういうダークネスの方はどうなんだよ。ゼウス十二使徒だし、もてるだろ」



 大体二十歳くらいだろうか、整った顔立ちに不敵な笑み、多分しゃべらなければ女受けはよさそうである。そんな彼は得意げにわらってこう言った。


「ふははは、誰も私の会話のレベルにはついてこれないようでな。それに戦いの道に生きると決めたのだ。女性に気をとられている場合ではないのだよ!!」



 得意げなことを言っているがさっきの言葉と矛盾してない? やっぱりもてないんだろうか……そして、気になったことがある。



「あれでも、スカーレットさんとかと仲良しなんじゃないか?」

「いや……彼女にはどうとも思われていないと思うぞ……なぜか、『失敗したけど、しかたないからこれをあげるわ』といいながら焦げたクッキーを渡されたり、一人で特訓をしていると『仕方ないからてつだってあげるわ』とか言って王級魔法でつくられる火の鳥と戦わされたからな。少しでも焼かれると消えないうえ全身を焼き払ってこようとするからな。死にかけたぞ!! むしろ嫌われてる可能性すらある」

「うわぁ……」



 ダークネスの言葉に俺は思わず大きくため息をついてしまった。多分失敗云々は照れ隠しのつもりなのに、本当にちょっと失敗しているから言葉通りに受け止められているし、善意のつもりなんだろうが、王級魔法は殺意が高すぎるんだよなぁ……

 全てがから回っていてなんとかいうかかわいそうになってきた。



「その……色々と世話になっているようだから今度飯でも誘ってあげた方がいいんじゃないか?」

「ん? そうだな。ならば血のごとき赤き美酒と、魔獣がごとき肉汁うま味のある肉料理でもごちそうしてやるとするかな」



 俺の言葉に素直にダークネスがうなづいた。赤ワインとステーキの肉かな? こまかく考えると頭がいたくなりそうなのでスルーする。


コンコン



「失礼いたします」



 そんなことを思っているとノックの音が響く。ロザリアがお茶を淹れてきてくれたようだ。彼女は先ほどの出来事がなかったかのように自然な様子で俺とダークネスの前にカップを置いてお茶を淹れていく。



「ふむ、ありがとう。先ほどは失礼した」

「いえ……かまいません、ですがいったいどのようなお話をしに来たのでしょうか? わざわざ王都までヴァイス様をお呼びするとはかなり深刻な話だと思いますが……」

「ふっ、聞きたいか少女よ。だが、これ以上は国家秘密でな。ヴァイスにも十二使徒の一員になってもらわねば……」

「ダークネス様……ヴァイス様はハミルトン領を領主としてのお仕事があります。それに先ほどの他人の泊まっている宿への侵入は通常であれば犯罪なんですよ。いくら十二使徒とはいえ許されることではないかと」



 ふざけた様子のダークネスを微笑みを浮かべたまま笑顔で睨みつけるロザリア。なんだろう、無茶苦茶怖いんだけど!!

 そんな状況だというのにダークネスは楽しそうに笑う。



「ほう、いい殺気だな。まるであのエミレーリオと同等ではないか!! だが、詫びよう!! つい、久々にヴァイスに会うことができて楽しくなってしまったのだよ」



 そして、真剣な顔をしてこう言った。



「実はな……匿名の密告でハデス教徒十二使徒の一人バイオレットの潜んでいるアジトがわかったのだ。そこの襲撃の援護をしてほしいのだよ」



 こいつはいきなりそんなことをいった。



ちゃんとした依頼でよかった……

これならロザリアも怒らない?


書籍3巻が17日に発売予定です。

よろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
匿名の密告ねぇ… クレスは関係してるか微妙なラインか? 本来ならダークネスとの接点ないし、密告のタイミングによるけど、ヴァイスと知り合った後ならヴァイスに直接協力頼む方がハデス教撲滅の話通るだろうし。…
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