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第101話 魔法学園

フィリスと合流した俺は、魔法学園を案内してもらう事にした。ロザリアは宿の手配、アイギスは家の予定があるので一旦お別れだ。ロザリアが心配そうにしていたが、フィリスもいる事とクレスに関してもフィリスと仲が良い事からと納得してもらった。

 崩壊した魔法学園にはゲームでハデス十二使徒の一人ヴァイオレットと戦った時に来たが、ちゃんとした状態で来たのは初めてである。

 同じローブを着た十代の男女が騒がしくも楽しそうにしているのは、前世の学校を思い出させて少し懐かしいおもいを感じる。

 いや、どちらかというとハリー=〇ッターの学校かな? あの本を読んだ時は俺はスリザリンやグリフィンドールで活躍できる才能をもちながらもあえてハッフルパフに入る天才魔法使いという設定で妄想にふけったものだ。

 ちなみに推しはマ〇フォイである。



「結構な生徒がいるんだなー。そういえばフィリスのローブには勲章がついているけど、これはなんなんだ?」



 フィリスの他の生徒にはない勲章が豊かな胸元についているのに気づいて指をさす。



「よくぞ聞いてくれましたね、お兄様。魔法学校では、最初に魔力測定の入試試験があるんです。そこで次席を取ったのでそれを称えるものなんです。それがきっかけで師匠にも声をかけていただけたんです」

「へぇー、フィリスは優秀なんだな」

「えへへ、入学前にお兄様が色々と教えてくれたり、一緒に特訓したからですよ」

「それは違うって、フィリスが頑張ったからだよ」



 俺はどや顔をする彼女の頭を優しくなでながら話を考え事をしていた。フィリスが次席だと? 確かゲームでは主席だったはずだが……

 そう思っていると、何やら強い視線を感じる。男子生徒からは嫉妬の感情、女生徒からは憧れか?



「ヴァイスさん、フィリスは結構凶暴ですが、ぱっと見清楚なお嬢様って感じじゃないですか。だから、男子生徒に人気があるんですよ。そんな風にイチャついていると、やっかみを受けますよ。ちなみに僕は上級生に絡まれたので『ただのフィリス様の犬ですー。ワンワン!!』っていって犬の真似をしたらなんか優しい目で見られて解放されました」

「ああ、確かに……無茶苦茶フィリスは外ではおしとやかな貴族令嬢の模範みたいな感じだもんな。うちでは無茶苦茶甘えん坊だけど……」



 俺の表情で気になっていることに気づいたのか、クレスがアドバイスをくれる。まあ、本来はメインヒロインの一人だけあって可愛らしいし、兄の目から見てもできた妹だ。モテるのも無理はない。

 てか、クリスの性格結構やばくない? ゲームとちょっと違うような……いや、時々出てくるネタみたいな選択肢があった。おそらく、こっちが本来の彼の性格なのかもしれない。

 ゲームでは真面目にならざる負えなかったのだろう。



「あのクレス……お兄様に変な事を吹き込まないでください。私は凶暴じゃないです!! あと、私が甘えるのはお兄様の前だけですから……」


 

 俺達の会話を聞いていたフィリスが顔を真っ赤にして、可愛らしく頬を膨らませる。まあ、この様子ならば彼女にとって学校は楽しい場所なようである。俺としても彼女にはゲームと違ってちゃんと学校生活を謳歌してもらいたいものだ。

 そんな事を思っていると、おかっぱの可愛らしい女の子がこちらに向かって駆け寄ってくるのが見えた。

 


「あれ、フィリスが珍しくクレス君意外の男性といるー!! 誰なの!! しかも、イケメンじゃないの!!」

「ああ、テレサ。こんにちは。この人はですね、私の兄のヴァイスお兄様です。王都に遊びに来てくださったのでここを案内しているんですよ」

「は? テレサ……テレサ姉さん!?」

「え……姉さん……それに、私どこかでお会いしましたっけ?」



 予想外の出会いに思わず声をあげてしまい、テレサに不審そうな目で見られる。俺が驚くのも無理はないだろう。彼女は初期に仲間になっているキャラで固有グラフィックの無い俗に言うモブキャラである。

 ただ、ステータス画面をクリックすると、現れる「男なんてね、押し倒しちゃえばすぐその気になるんだから!!」という勝気なセリフと、魔力のステータスが高いため、序盤は頼れるヒーラーとして運用されるため、ネット上では「テレサ姉さん」と敬意を込められて呼ばれているのだ。



「ちょっと、フィリス!! この人に私の事を何て言ってるのよ!!」

「え、たしかにちょっとは話したかもしれないですけど……そんな変な事はいってないですよ……ね、お兄様」

「ああ、悪い。フィリスからちょっと話を聞いててさ。頼りになるなって思っていたんだ」



 俺が褒めると嬉しそうに頬んでテレサは俺とフィリスを見てにやにやと笑う。



「そうなんですね。フィリスからヴァイスさんの事はよく聞いてますよ。いつの間にハーレムを作っていた噂のお兄様ですよね!! 確かにカッコいいわ。しかも強いんでしょう? そりゃあ、フィリスがブラコンになるわけだわ」

「ちょっと、テレサ!! お兄様の前でへんなことをいわないでください!!」



 フィリスが何やら焦った様子でテレサの口を塞ごうとする。こういう彼女を見るのは新鮮で楽しい。そして、せっかくだから俺も話題に乗る事にした。



「へえー、フィリスは普段俺の事をどんなふうに言っているんだ?」

「それはですねー」

「ちょっとテレサ、本気で怒りますよ。あとお兄様も楽しんでますよね!!」



 こんな風にわちゃわちゃと軽口を叩きあえる関係になったことを嬉しく思いながらも俺はにやにやとしている。

 そして、なぜか沈黙を保ちながらこちらを見つめているクレスと目があった。その目は何かを観察しているようで……気になったが、深く追求することはできず少し雑談して、テレサと別れる。



「もう、テレサの言う事は冗談ですから、気にしないでくださいね」

「ああ、わかったわかった。可愛い妹の焦った顔が見れて楽しかったんだけどな」

「お兄様のいじわる!!」

「ごめんごめん、そういえばさ、気になったことがあるんだが……主席はだれだったんだ?」

「ああ、クレスですよ。彼は珍しい属性の光魔法を使って突破しました。しかも中級魔法を使っていたんです。すごいですよね」

「ふっ、天才ですいません。ごめんね、フィリス。僕が強すぎて」

「うう!! 次は負けないんだから!! お兄様に色々と教わったんだからね!!」



 フィリスに睨まれて余裕の笑みを浮かべているクレスを見て、俺は困惑していた。おかしい……だって、ゲームでは魔力は少ないがその希少さからスカーレットにスカウトされたのだ。ましてはや中級魔法は中盤に覚えるものである。

 俺は嫌な予感をおぼえるのだった。


12月にこの作品の三巻が発売いたします。


また、新作を投稿いたしました。


「悪役転生して世界を救ったけど、ED後に裏切られて追放された俺、辺境でスローライフしようとしたのに、なぜかかつての仲間が病んだ目をしながら追いかけてきちゃった……」



追放物となります。よろしくお願いいたします。


https://book1.adouzi.eu.org/n7588jt/1/

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