まだ明るい頃
まだ日が出ている時はだらだらする。
日が沈んだら少し観察していつもならおしまい。
今日はたくさん観察する予定。
まあそんな感じ。
今日もまだ日は出ているので、僕は考えごとをしていた。
今年、僕のせいでかなり天文部は弱体化してしまった。
天文部は毎年天体写真コンクールとか、プラネタリウムシナリオコンテストとか、色々なものでそこそこの実績を残してきたわけだけど、今年は全部余裕での落選だった。
さらに、この前あった文化祭でも、あまりお客さんを集めることができなかった。
幽霊部員も部員のうちなので、部がつぶれはしないけど、予算は減るし……なんというか、情けないとは思うよね。今年だけやたらしょぼいのは悲しいなあと。
それなのに、深結芽はいつも天文部に来てくれる。
もともとおとなしかった女の子だけど、だんだんと明るい性格になってきて、だけど時々おとなしくて、どっちでも素敵だったりする。
だからなあ……いよいよ僕は、情けさなすぎる部長にすぎなくなってしまうのだ。
「先輩ー、まだ明るくて暇なので、将棋しませんか?」
「おじいちゃんの遊びのお誘いみたいなノリだな」
「先輩まだ私に一回も勝ってないからって、おじいちゃん呼ばわりしてー」
「ごめん」
たしかに深結芽は将棋が強い。というか頭がいいのだ。
部室の将棋セットは数々の先輩が対決をしただけあってボロボロだけど、まあ普通に遊べるくらいではある。
オセロとか囲碁とか人生ゲームとかそこら辺のものもボロボロなものは色々あるのだ。
望遠鏡系のスペースよりもボードゲームのスペースの方が広い可能性まである。
まあとにかく、深結芽と将棋でもして時を過ごすのだ。
何戦かやったけど、やはり勝てない。
まあね、流石に今日こそはね、一回くらい勝ちたいよね……
「あ、暗くなってきました。将棋おしまいにしましょう」
「えっ」
「え、まだやりたかったですか先輩。なんか、お姉ちゃんに勝ちたい弟感ありますけど」
「マジですか」
「はい、まあ少しだけですけど」
そう言いながら深結芽はベランダに出た。
僕も出る。
部室の電気は消した。もうつけないかな。だってつけたらいくらなんでも人がいるのがバレちゃう。
ほんとはそろそろ下校時刻なんだから。




