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第25話『冒険の後は宴会で!』(3)

「――お客さん、もうすぐ着きますよ! 起きてください!」


「――ん、んん……」


 ゆっくりと目を開くと、見慣れた門に、見慣れた街並み、見慣れた平原――スウェリアだ。


「ふわああ……やっぱり長かったですね。」


「んぐぐ……そうだね……」


 ルミネルとルクスが目を擦る。


「私とモルティナしか起きてなかったぞ。」


「ええ、皆さん爆睡でしたね。ね、カグラさん?」


「ああ……まだ一人寝てるがな――」


 レイか――平常運転だな。

 馬車の車輪が石畳を踏む音が、少しだけ懐かしく聞こえた。


 馬車から降りると、後ろから声がした。


「おーい、タイガ! 聞いたぜ、魔王軍幹部倒したんだってな!」


「ギル! それにコットンも!」


「おかえり。あと――討伐おめでとう。」


 笑って手を振る二人の姿が、いつもより少し眩しく見えた。

 スウェリアに帰ってきたんだ――そう思った。


「タイガ……今日は――飲もうぜ!」


 ……たまにはいいか。


「よーしっ! 今日はパーっと行くか!」


「そうですね!」


「うむ、それがいいな。」


「僕も賛成!」


「それはいいわね! ――もちろん、タイガの奢りね!」


「今、どさくさに紛れて……俺に奢らせようとした奴がいるな?」


「な、なんのことかしら!」


 笑い声が街に溶けていく。

 今日から再び、スウェリアでの日常が始まる――。

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