第13話『狂ったファッションショー』(4)
「いやあー、ごめんごめん! すっかり本題を忘れてたよ!」
カグラに大量の下着を買わされたルクスが大きな袋を持ちながら言った。
「ふっふっふっ! この眼帯……そそられます!」
「うむ。ルクスに買わせることもできたし、もう今日の目的は終了だな……」
「タイガさーん! これ買ってええええ!」
「……」
このパーティーって――ルクス以外まともな奴いない?
「あはは……どうしようか?」
「よし、まずはアイツらの暴走を止めるぞ。」
――
「ぐすっ……」
「あれはな、どうせ買ってもすぐ壊れるんだ。モルティナの店に行けば、きっと何か代わりになるものあるから……な?」
ごめんな、モルティナ……俺はお前を生贄にして、この赤ちゃん女神を宥めることにする。
「わかったわ! あのネクロマンサーの店で探すことにするわ! だけど……その代わり――今日の夜ご飯は外食ね!」
よし、次はルミネル行くか。
両目に眼帯を付けるというすごくバカなことをしているルミネルに声をかける。
「なあ、ルミネル? 本題忘れてないか?」
これからの犠牲者になるかもしれない人が思い出させるのも変な話だが……
「――ハッ! べ、別に……わ、忘れてなんていませんよ!?」
ルミネルは両目に眼帯をつけたまま勢いよく前へ進み――――コツン、壁に何かがぶつかる音がした。
彼女の肩が小さく揺れて、掠れた声で言った。
「……み、見えてませんね?」
「いや、当たり前だろ!」
眼帯二つの間から覗くルミネルの顔が、ちょっと誇らしげで救いようがない。
――
「さあ! 気を取り直して――タイガの服を買いに行くわよ!」
「「「おおー!」」」
こいつら、本当に元気だなあ……
「ここで試着とかして……って感じか?」
「違うわよ! ここで全員がバラバラに買って、屋敷に帰ってから、点数を付け合うの!」
「へ、へえ……俺ここに来る必要あった?」
その言葉にレイが目をパチクリする。
「あれ? なかったんじゃ……みたいな顔するな!」
「で、でも! 引きこもりに外出の機会を与えたのだから感謝されてもいいんじゃないの!?」
「……」
俺は無言でレイの頬っぺたを引っ張った。
「やへてー! いらい! いらいからあ!」
よし……帰るか。
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