第13話『狂ったファッションショー』(3)
「――というわけでやってきました! 商店街〜!」
レイがバラエティ番組のように叫んだ。
「……じゃあ、俺は帰ってるから! さよな――」
言い切る前にルミネルが俺の腕を掴んだ。
「それじゃあ、行きますよ!」
「のおお! のおおおおおおっ!」
こうして――俺の魔改造作戦が開始された。
「――で、ここはどこなんだ?」
「ここは、スウェリアの中で一番大きな商業施設なんだよ! 僕の短剣もここで買ったんだ!」
「へ、へえ……」
なんか既視感のあるペンギンが飾ってあるが気のせいだろう――うん、そうしておこう。
「そういえば、ここの社長もタイガみたいな変な名前をしていたな。」
「おい、カグラ。俺の名前だってな? 両親が愛を込めてつけてくれた大切なものなんだぞ?」
「すまない、すまない!」
「タイガ! こっちです!」
ルミネルが跳ねながら、俺を手招きする。そういうところは本当に子どもっぽいなと思う。
「これとかどうですか!?」
ルミネルの指差す先には眼帯があった。
「これを俺に付けろと?」
「……いえ、私が使うので買ってください。」
「……」
こ、こいつ! 俺を魔改造するんじゃないのかよ!
いや、なんで俺は魔改造されるのを期待しているんだ?
「買ってください。」
ルミネルは上目遣いで俺を見つめる。
この女……ずるい。
「――来月のお小遣いから引いておくな……」
「タイガさんタイガさん! これ買いましょ!」
今度はレイか……またロクでもなものを買おうとしているのだろう。
「ね? かっこいいでしょ?」
「……」
いや……これって明らかに――撃ったら音が鳴って光る銃だな。しかも、魔法の杖っぽくして、異世界版になっている。
「……買うなら自腹な?」
「なんで、ルミネルには買ったのに私には買ってくれないのよおおお! 買って、買ってええ!」
レイは泣きながら、床で駄々こねる。
「お、お前……本当に女神か?」
「あ、いたいた! ちょっと僕たちの買い物についてきてくれない?」
次はルクスとカグラか……まあこの二人はうちのパーティーの中でも常識人だし――
「――ここってさ。女性用のしかないお店だよね?」
「うん。そうだね……僕もカグラに呼ばれたんだよね。」
カグラは全く気にしないかのように下着売り場へと行った。
「じゃ、じゃあ俺は気まずいからあっちに行ってるな……」
カグラ……あいつどこか抜けてるんだよなあ。
「ルクスもそろそろ下着を着ろ!」
「人聞きの悪い! パンツはちゃんと履いてるから!」
「胸のそのバックルだけで大丈夫だと思っているのか!?」
「そ、それは僕への当てつけかなあ!?」
楽しそうだなあ……
……あれ? そういえば、俺の服についての話は――
どこに行ったんだ?
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