第13話『狂ったファッションショー』(1)
「今日の朝ごはんは女神様が作りましたー!」
リビングのソファに座っていたら、レイの声が聞こえてきた。
「な、な……煙が出てるんだが……」
カグラから不穏な言葉が響く。
「そ、それは! あれよ! スモーク演出よ! ショーとかで使われるアノ演出よ!」
「それにしては……焦げ臭い気がするのだが!?」
レイとカグラが何やら言い争っている。
「あはは……二人とも朝から元気だねえ――」
「そうですよ! ……でも、屋敷も少し静かになりましたね。」
リアがいなくなってから、一週間が経った。
喧騒も落ち着き、ようやく"いつもの日常"が戻ってきたように思える。
「ああ。でも……またどこかで会えるはずだよ、きっと。」
俺の言葉にルクスとルミネルが頷く。
「じゃん! 女神様特製愛情たっぷり朝ごはんよ! さあ、ありがたく食べなさいな!」
……普通。本当に、至って普通。
「……うーむ、味も普通だな。あれほど焦げていたとは思えない味だな……」
カグラがぼそっと呟いた。
「褒めてるんだか、貶してんだか……」
「そ、そんなことないぞ!? た、タイガ! 人聞きの悪いこと言わないでくれ!」
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