第18話
ダレカさんからもらった袋にお肉をいっぱい詰めて、飲み物は透明な入れ物に詰めて、ぐるぐるの階段を登っていきます。
階段は今まで登った階段よりも長く、ぐるぐるぐるぐるしていました。
目が回るくらい登ったところで、通せんぼするナニカが現れます。生えた突起物を捻って中へ。
中は丸い部屋。ぐるぐるの階段は見当たりません。
「階段はないけど~~、えれ、えれ、えれ、エレレーター。だったかな? エレレーターで、壁にくぼみ、くぼみ」
私は「くっぼみ! くっぼみ! くっぼみ!」と口ずさみながら壁の周りを探します。
くぼみはすぐに見つかりました。
一つだけくぼみがあって、目の前の壁には縦線が入っています。見た感じ、左右に開くのかな? と、予想します。
私はくぼみを強く押し込みました。
すると、くぼみは明かりを灯します。
だけど、何も起こりません。
もしかして、他にもくぼみがあって、それを押さないといけないのでしょうか?
そう思い、再び他の壁を探ろうとした時でした。
チーンという変な音と共に、縦線の入っていた壁が左右に分かれて開いたのです。
「開いた。むふ~、やっぱり左右に開くものだった!」
自分の予想が当たって、とてもうれしいです。
エレレーターに近づいて、開いた場所の先を見ます……とても狭い部屋です。
この中に入れ……ということなのでしょうか?
ともかく、入ってみます。
中には、壁にあったくぼみと同じものがありました。
それは二つ。くぼみには何かの絵が描かれていますが意味は分かりません。
とりあえず、両方とも押してみます。
両方とも明かりがつきましたが、片方はすぐに消えて、左右に開いた壁が閉じられました。
狭い部屋に閉じ込められた私。
すると、奇妙な感覚を覚えました。
それは足元がふわふわして、おなかの中身が少し下に引っ張られるような感覚。
さらに、部屋の内部にウ~ンという音が響き、ちょっとだけ頭を押さえられるような感覚も……。
「上に上がっている?」
おそらく、この部屋は上に動いているのだと思います。
不思議な階段です。
かすかに揺れる部屋に、かすかに聞こえる音。
それは眠気を誘います。
瞼がゆっくり降りてきて、世界が暗いに染まろうとした時でした。
チーンという音が響いて、一気に目が覚めます。
縦線の入った壁が左右に開き、先には透明なナニカに覆われた白い通路が見えました。
私はゆっくりと部屋から出ます。
そしてすぐに、右のお目目に映した光景に驚いてしまいました。




