表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
屍食い少女は永遠の塔を登る  作者: 雪野湯


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/25

第13話

 奥の部屋にはぐるぐるの階段と……壁のない場所がありました。

 あそこからお外を見ることができます。

 だけど、そのお外の様子が少し変です。


 恐る恐る、近づいてみます。

 お外からはとても冷たい風が流れ込んできて、じくじくと痛む傷を少しだけ和らげてくれます。

 私は風の向こう側へ、片方だけになったお目目を向けました。


 そこに広がっていたのは――暗い場所。暗いお空。

 だけど、暗いお空の先には、たくさんの光があります。


 顔を少し下げて、遠くを見ました。

 遠い遠い向こうにまで灰色の雲が広がっています。

 雲はゆるやかに曲がって見えて、遠い場所では青と暗いお空が混じり合っていました。


 不思議なお空を見ながら、考えます。

「お空は、灰色と青色と暗いところがあるんだ」



 私がいつも見上げていた空は灰色の雲。

 塔の途中に見た空は青色。

 そして、もっと高い場所にある空は暗くて光がたくさん。


 青い空を見つめすぎた時は気持ち悪くなりましたが、暗い空を見ているとちょっぴりだけ胸がドキドキします。


 真っ暗なお空。

 光がいっぱい広がって、にぎやかで、とても……とても……とても、なんでしょうか?


 その気持ちを知っていると思うのですが、思い出すことはできませんでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ