440食目 新型機
遂に戦機の宇宙仕様機のプロトタイプが完成。
変態たちの欲望が割と盛り込まれているが、そこはマーカスさんが鉄拳を交えながら抑制したので実にバランスがいい感じに仕上がった。
機体名は全ての企業の技術力を集結して作り上げた、という事もあり新たなる型番MGB-01を拝命。
これは【モモ・ガーディアンズ・バトルロボット】を意味する。
機体名は【MGB-01・スペグラ】。
頭頂高8.9メートル。機体重量7・4トン。全備重量11.6トン。
最大索敵範囲7700メートル。
総推力84400キログラム。
光素出力3800kp。
装甲材質【鉄、一部に桃色鉄】。
宇宙で本格的に活動することからスペース・グラウンドを略したもよう。
決して、何かの推しの略称ではないっぽい。
ファケル兄貴はスペスズ以外は認めない、とのことだが専門用語は分からないので華麗にスルーした。
多分俺の選択は限りなく正解だったと思う。
スペグラの外見は、ほっそりとしてシュッとした紺色の機体だ。
回避を主眼としているので仕方がないが、ちょっぴり頼りない外見に。
でも、安心してください。
変態どもはこんな事もあろうか、と【フルアーマーシステム】を作ってやがりました。
全部装着すると普通の戦機みたいな外見に。運動性、機動性、攻撃力、防御力の全てを劇的に向上させるけど、コストはその上を行くという。
こんなんじゃ資金が壊れて女の子になっちゃう。
戦機のおしゃれは洒落にならないお金が吹っ飛ぶからやめろっ。
防御面を徹底的に削った分、全身にスラスターを設置。
極めて運動性能が高い分、操縦が難しくなった。
でも、乗り込むのはあの地獄を経験したロクデナシどもばかりなので、そこは上手くやってくれるものと信じている。
考えるよりも慣れろという奴だ。
また、レーダーシステムも強化されている。
各企業も集まって協力してくれたらしい。
このような惑星規模の危機でもない限り、一致団結できないからだろう。
武装面でも新型光素ライフル、と【マルチ・エネルギー・チェーンソーブレード】という新兵器を搭載。
目玉はマルチ・エネルギー・チェーンソーブレード、長いので【METソード】。
これは機体とブレードを繋げるチューブから光素、ビーム、桃力を選択し、ブレードに纏わせることが可能。
もちろん、普通にチェーンソーを、ぎゅいぃぃぃぃぃぃん、してもいい。
ビームを纏わせればビームソードをぶった切ってしまう事も確認しているので、こいつを受け止める事ができるとは思わない方が良い。
光素の場合は攻撃力が二倍になる。戦機のメインエネルギーだからね。
桃力は特殊な部類に入り、攻撃力は据え置きだが鬼に特効。
また、不思議パワーで被弾時のダメージを軽減する効果がある。
こちらは対鬼専用と考えてもらえればいいだろう。
尚、桃力のエネルギー供給は俺が担当する。
たぶん、第六精霊界からかなり離れた場所が最終決戦嬢となるため、桃先生には頼れない。
そして、スペグラ最大の特徴は【ダイレクトコネクトシステム】だ。
これは戦機最大の利点であるパーツ交換をより進化させたもので、コアの光素エンジンを強化し各パーツを徹底的に軽量化した結果、合体変形のスーパーロボットのような簡易合体ができるようになった。
光素と光素を連結させ、互いに引き寄せ合ってお手軽ブッピガンできる。
無論、切り離しも可能なので【なんちゃってロケットパンチ】もできたり。
なので――――割と強引な合体もできるぞ! 君だけのオリジナル・スペグラを作ってみよう! が出来ちゃうのだ。
この偶然の産物でスペグラは更なる軽量化を達成。不要なパーツが40も生まれたからだ。
軽い、タフい、操縦激ムズ、の三拍子が揃ってしまい、さぁ大変。
なのでデチューンせざるを得ない。
そう、通常機は性能を下げてこのスペック。
リミッターを外す、とこれの1.5倍の性能になります。
性能がぶっ壊れすぎぃ!
そして、ハードポイントシステムももちろん健在。
一度、高機動型にして操縦してみたけど、んごぉぉぉぉぉぉぉっ!? となったので加速のし過ぎには注意。
アダルトモードでも耐えるのきつい、とか大丈夫なのかこれ。
スペグラのテストパイロットは比較的普通人のゴーグル兄貴とワイルド姉貴が選ばれました。
二人とも仲良く、んごぉぉぉぉぉぉぉっ、してたよっ。
そして、そして、マーカスさんが監修した新型アインファイターも完成。
機体型番MGB-02。その名も【アイン・ホーク】。
白、青、赤のトリコロールカラーはエースの証とかなんとか。
まぁ、戦機乗りは自分の好みの色に変えちゃうから、これが基本カラーってだけなのだが。
頭頂高7.6メートル。機体重量5・4トン。全備重量9.3トン。
最大索敵範囲9700メートル。
総推力124400キログラム。
光素出力2800kp。
装甲材質【鉄、一部に桃色鉄】。
武装・光素機関砲。ビームソード。桃ミサイル。ハイメガ光素砲。
戦闘機への変形機構を備えたマーカスさんの会心作。
実に綺麗に纏まっており、戦闘機への変形も二秒以内に完了する。実はこの2秒というのがポイント。
それは変形に桃力を応用しており、変形時には強力な結界が形成される。
そして、その結界に攻撃を加えた場合、そっくりそのまま跳ね返す、というカウンター攻撃になります。
なので、この2秒間はアイン・ホークにとって強力な武器にも。
まぁ、これは桃力の理不尽な性能があってなので、終戦後は速やかに速度を向上させる予定。
既にそんなの入りません、と高速変形を選択している戦機乗りもいる。
なお、この場合は一秒以下で完了できる。おやっさんが考案した【マグネットシステム】の反発、引力を応用しているとかなんとか。
なので、アイン・ホークはコアブロックシステムを採用せず、基礎骨格からの建造となった。
地味に戦機初である。
そういうわけもあってか建造数は僅か10機ほど。
量産には難しく、また、扱える戦機乗りも数えるほどしかいない。
戦闘機乗り、そして戦機乗りの二つの素養を持っていないとダメだからだ。
ただ、これをクリアーしているパイロットはまさに一騎当千。
ようやく本物の翼を手に入れた、と大喜びで宇宙を飛び回っている。
その姿は紛う事なき変態。隕石群の中に超高速で突入して、スン……と何事も無かったかのように抜け出してくる。
挙句の果てには、もっとゴミゴミしていた方がスリルがあるな、とか狂気の発言はクソザコパイロットが白目痙攣するからやめて差し上げろっ。びくんびくんっ。
武装面ではスペグラよりも多そうに見えるが、実はアイン・ホークはハードポイントが少ない。
なので最終的には攻撃力でスペグラに劣ってしまう。
しかし、アイン・ホークの役目はその機動力を生かした強行偵察やかく乱。
そしてピンポイント攻撃による一撃離脱だ。
そのために必要な武装は全て内蔵型であるから、極端な話、武器の携帯が必要無い。
一応、光素ライフルやバズーカ砲も携帯できるけど、変形したら手放さないといけないのがネック。
ここら辺は今後の課題とかなんとか。
アナスタシアさんは物理攻撃を加えたかったらしいけど、機体が重くなるとのことで断念したっぽい。
機体のコンセプトに合わなくなるからだろうけど、俺も乗るなら物理攻撃用のナイフくらいは欲しいかも。
とマーカスさんに言ったら彼は「なら拳で殴れ」と申されました。
俺はただただ「ふきゅん」と鳴くしかありませんでした。これが真理というものなのか。
実際、アイン・ホークの拳はその程度の使い道しかないし。
人型にしているのは光素の循環率を高めているに過ぎないし。
あと地味に凄い桃ミサイル。一応は高威力なので普通のロボットにも効果あり。
しかし、真価を発揮するのは、もちろん鬼相手。
これは陰の力に反応して【核ミサイル】レベルにまで攻撃力が高まる。
もう、これだけでいいんじゃないかな、と思われるが、女神マイアスは確実にニセ全てを喰らう者を使ってくるだろうから、実質雑魚鬼用になる可能性が。
それでも十分過ぎるですがねっ。
こうして、二機の宇宙仕様機が完成したのだが、開発はまだまだ続けるとか。
変態企業たちもそろそろ暴走しているようで、不明なユニットが接続された、という報告もチラホラ。
METソードを五つ連結させてみました、なんて耳を疑う報告とかどう処理をすればいいのだろうか。
何かが起きているとは思うけど、致命的な何かが起こる前に全部終わらせたいです。
後始末は全部が終わってからじゃないとできないからね、仕方がないね。
ちょっぴり、終わった後の事に怯えながら、俺は今日も訓練に励む。
ムセル兄ちゃんも宇宙用にバージョンアップしたので慣らし運転をしようというのだ。
というわけで、無限の宇宙へ、さぁユクゾっ!。




