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340食目 戦い終えて ~報告~

 アストロイに帰艦後、艦の修理を待つ。

 もう既にへとへとなのだが、まだぶっ倒れるには早い。


 とんぺーを召喚し、艦橋まで運んでもらう。

 そこにはヒュリティア、ファケル兄貴、ユウユウ閣下、ヤーダン主任とリューテ皇女に、ザインちゃんとレオンさん、そしてぽっちゃり姉貴がお茶を飲んで待っていたではないか。

 オカーメ隊の隊長であるオカメインコことフレアさんの姿もある。


 床に突っ伏している頭文字イニシャルHは見なかったことにしよう。

 その上のモフモフは何故かドヤ顔を見せているが、何かしらの激しい攻防があったに違いない。


 Dチームもアストロイに招いた。

 彼らの機体は帝都に置いてきたので、ターウォの艦隊に戻るくらいならアストロイでターウォに戻った方が良いし、何よりも彼らからの意見も聞きたい。


 ライオットさんは青年形態から少年形態へと戻った。

 なんでもこの状態が日常を過ごすには一番都合が良いとのこと。

 青年形態は馬鹿力過ぎて、ほんのちょっと加減を間違えただけで色々と破壊してしまうらしい。


 破壊神かな?


「ただいまなんだぜ」

「……お帰りなさい。見事な桃大結界陣だったわ」

「皆のお陰なんだぜ。決して一人じゃ成し遂げられなかった」

「……そうね。皆の勝利ね」


 コトリ、とティーカップを置いた傍には、当たり前のようにアースラのホットドッグの姿が。

 このことから、ヒュリティアも相当に力を消費しているのだろう。


「よぉ、生きてたか」

「ったりめぇだろ。あれくれぇで、くたばって堪るか」


 ルオウ達の姿を見てファケル兄貴は彼に歩み寄り、ゴツイ拳を突き合わせた。

 男の友情を目の当たりにした俺は、早速ザインちゃんと一緒に真似てみる。


「ふきゅん、生きていたか」

「ふきゅん、あたりまえにてしょーりょー」


 意を汲んでくれたザインちゃんが俺の戯言に付き合い、拳を突き合せんとする。


 すかっ。


「ふきゅんっ」

「ふきゅんっ」


 ミス! 俺たちのちっこい拳は空を切り、モフモフ絨毯へと倒れ込んでしまう!


 痛恨の醜態っ! 故にっ! 何事も無かったかのように転がるっ!


 そう、これは親子芋虫ごっこ! 決して拳を突き合わせるのに失敗したわけではない!


「……ぷーくすくす」

「「ひぎぃ」」


 だめだった! ヒュリティアさんに見破られていたっ! 一生の不覚っ!


「へなちょこやなぁ」

「僕は可愛らしいと思うよ」

「今のは予行練習ってやつなんだぜっ」

「そーでごじゃるっ。おとなににゃったら、うまきゅいきゅでしゅーりょーっ」


 急ぎ立ち上がり、ぶんぶんと手を振りながら、ぽっちゃり姉貴とレオンさんに言い訳をする。

 親子の息の合った言い訳は大人たちの笑いを誘ったとかなんとか。




 俺たちが謎の漫才をおこなっている間にヤーダン主任が紅茶を淹れてくれました。

 そして、彼女が作ったというクッキーも用意して報告を開始。

 帝都で遭遇した戦鬼たちの情報を皆で共有する。


 その恐るべき強さに、ヒュリティアたちは危機感を募らせた。


「……新しい鬼の四天王、と言ったところかしら」

「阿修羅戦鬼以外は倒したんだぜ」

「……恐らくは機体だけね」

「えっ?」

「……桃力を使えなかった以上、ヤツらを輪廻の輪に帰すのは不可能。機体を破壊し、一時的に行動を不自由にさせただけ」


 うっ、言われてみると確かにそうだった。


 桃大結界陣を発動するためとはいえ、一切の桃力を使えなかった俺は、それ以外の力で戦鬼を撃破した。

 でも、鬼はそれでは退治したことにはならない。

 極陰の存在には、極陽の力をぶつけて相殺してやる必要があるのだ。


「でも、モヴァエの一撃は桃力が籠ってたよな?」

「そのなんちゃら力は良く分からねぇが、力が籠っていたのは確かだぜ」

「……たぶん、大ダメージは与えているとは思うわ。退治には程遠いだろうけど」


 ヒュリティアの断言に「マジかよぉ」としょんぼりするモヴァエ、不覚にも可愛い。


「そんで、もしゃもしゃ、被害の方は? もぐもぐ」

「あーっ、クッキーが皆殺しにされたっ」


 なんという事でしょう、山盛りのクッキーが一瞬にして消滅していたではありませんか。

 主犯はライオットさん。そしてDチームの面々でした。


 おのれっ、この怒りをどうしてくれようか。


「これはお菓子じゃ足りなさそうですね。サンドイッチでも作りましょうか?」

「そいつぁ、ありがてぇ」

「おう、よろしく頼むぜ、エロいねーちゃん」

「エロっ……えぇ、お楽しみに」


 これにルオウとモヴァエが目をぎらつかせた。

 苦笑いするのはズーイだが、実のところ彼も大いに期待している感は否めない。


 彼らの心情を察したヤーダン主任は席を立ちキッチンへと向かう。

 尚、彼女はパイロットスーツのままなので、ボディラインがもうバッチリでありまして。


「いや、マジでエロすぎるだろ」

「……止めておいた方が良いわよ。骨と皮になりたいなら止めないけど」

「「「ひえっ」」」


 Dチームの面々は、いろいろとヒュンとしたに違いなかった。

 色々と格が違い過ぎるのだろう。


 誠にもって遺憾であるが、虎熊童子を生贄に捧げるしか平和的な解決方法は無いのかもしれない。

 あれならくたばっても問題無いので万々歳である。


「サキュバスか何かかよ?」

「どっかの制圧した惑星にいたよな?」

「ありゃ、トラップも良い所だったよな? 実際、死に掛けたし」


 どうやら、サキュバスに酷似した存在とやり合っていたようで、二の腕を擦る自称青年たちは、それでもヤーダン主任のプリプリのビッグヒップに釘付けになっておりました。


「っと、被害報告を」

『了解。精霊戦隊はルナティック、マネック二機が中破。アインリール、ル・ファルカン小破。フロッゲール8機大破、尚、人員に死者は無し』

「ふきゅんっ、それは不幸中の幸いだぜ」

『ただし、重傷者多数。暫くはオカーメ隊に無理はさせられないかと』

「むむむ」


 意外なところで、ルナティックが中破している、というところか。


「ヒーちゃんのところに敵が集中したのか?」

「……確かに多かった気がするわ」

『他のポイントの二倍弱が押し寄せていました』

「……ふざけんな、だわ」


 不服そうにほっぺを膨らませる親友。

 そのほっぺを指でツンツンして、内部の不満を「ぷひっ」と放出して差し上げました。


「あっ、そうだ。ファーラは?」

『現在、格納庫にてアヘ顔M字回脚にて放置中です』

「えっ?」

『パイロット登録をされた者でなければ動かせないようでして』

「なんでそんな面倒臭い事をしたんだ」

『ロマンとかなんとか』




 面倒臭いけどファーラを元の美少女へと戻すべく格納庫へ。


 えぇ、おやっさんにお小言をいただきましたとも。

 でも、その甲斐もあってファーラは元の美少女型戦機へと戻りましたとさ。


「おやっさん、俺はこの子はセーラー服でも良いと思うんだぜ」

「ほほう、それはどうしてかな?」

「戦艦に乗ってるから」


「「「!? それは盲点だった!」」」


 俺の発言に開発スタッフ一同が大集結。

 円陣を組んでいかがわしい討論が発生した。


 なので俺は、そっとその場を離れる。

 この場にいては危険だと本能が告げていたからだ。

 長寿タイプの俺は基本的に賢いから仕方がないというもの。


 でもこれで、ファーラも少しはまともな姿になるといいな。

 あの姿じゃただの痴女だし。




「ただいま」

「……お帰り。そういえばファーラの乗り心地はどうだったの?」

「ピーキー過ぎておっかないレベルなんだぜ。しかも、壊したらおやっさんに何を言われるか分かったものじゃないから精神衛生上よろしくない」

「……視覚的にも悪いわね、あれ」


 でもヒュリティアが乗った場合、絶対に壊しちゃいそうである。

 戦機は戦機、と割り切るから。


 首が吹っ飛んだ状態で動くファーラを想像し、思わずジョバリッシュしそうになりました。

 下手なホラー映画よりも怖いんですが。


「見ている分には良いんだがなぁ」

「確かにな」

「まぁ、初めて見た時にはなんの冗談かと思ったがな」

「抱くにはデカすぎるがな。がっはっはっ」


 ファケル兄貴とDチームの面々もファーラには好意的なもよう。

 でも、ナイトが復活した今、ファーラに出番はやってくるのか。


「……定期的にファーラには乗ってもらうわよ」

「どぼじで?」

「……言ったでしょ。普通の戦機にも慣れてもらうって」

「あれを普通と言いますか?」

「……」

「目を逸らしたっ!」


 ヒュリティアさんもファーラを普通の戦機としてみていなかったようでして。


「……哨戒するには丁度いいでしょ」

「うちは目立ちすぎると思うんやけどなぁ」

「僕は着せ替え人形みたいで可愛いと思うよ」


 ぽっちゃり姉貴は苦笑しつつファーラをそう評価した。

 確かに目立ちすぎるが、ファーラは魔法の組み合わせで飛行可能という点が魅力だ。

 それはエルティナイトには無い長所であり、偵察といった任務には打って付けである。

 でも、出撃の度に新しいコスチュームを用意されていそうで怖い。


 リューテ皇女はファーラを、着せ替え人形、と例えたが間違っていなかったり。

 今絶賛、野郎どもが欲望をてんこ盛りにした衣装を妄想中です。


 絶対にセクシー系に仕立て上げるに違いない。

 普通のセーラー服でいいと思うんですが。ねぇ?


「俺はアインリールでいいと思うんだけど」

「……それもプランに載せてあるわ。ただ完全マニュアル式の機体に乗ってもらう事になるでしょうから」

「ガンテツ爺さんのしごき前提じゃないですかやだー」


 隙の生じぬ二段構え、好きじゃないし嫌いでもないよ。

 でも、しごきは勘弁な。


「桃大結界陣でどれくらい暗黒の繭を封じ込めれるかな」

「……状況にもよるけど、半年……といったところかしら」

「思ったよりも猶予は短いな」

「……延長させることは可能よ。微々たるものだけどね」

「ずっと桃大結界陣に桃力を注ぎ込むんだろ? 認められるものじゃないな」

「……あくまで最終手段よ。こうなる前に力を集結させるのが好ましい」

「だな」


 こうして、俺たちは戦いの傷をいやすべくターウォへと帰還する。

 そこで次なる行動を検討するのであった。


 尚、ヤーダン主任のサンドイッチを食べたDチームの面々は口から火を噴いて倒れました。

 サンドイッチの中身を見ると……ジョロキアが丸ごと入っている超激辛挽き肉サンドイッチでございましたとさ。


 震えが止まらねぇぜっ。ふきゅん。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 珍獣「おやっさん、俺はこの子はセーラー服でも良いと思うんだぜ」 おやっさん「ほほう、それはどうしてかな?」 珍「戦艦に乗ってるから」 「「「!? それは盲点だった!」」」 その後夏服派と…
[一言] Dチームサキュバスらしきのにも遭遇 珍獣「どんなのだった?」 ルオウ「あのエロいねーちゃんより多少落ちるが 綺麗どころだったな…」 モヴァエ「逃げて来た民間人みたく装って」 ズーイ「先走った…
[一言] 敵も味方も、おっかねえ連中ばっか・・・
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