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332食目 それは戦機に必要なのか

 ファーラの性能を確かめながら進軍する。

 この機体の特徴は、なんと言ってもその柔軟性にあるといっていい。


 通常の戦機とは違い、とにかく装甲がぷにぷにもっちりなので、人間のごとき稼働領域を獲得している。

 したがって、膝を抱えて思いっきり身を縮めたり、ぺたん、と股割りだって可能。

 この事から体術が可能となっていた。


 これは突撃槍をうっかり投げつけてしまった後に発覚したものである。

 もちろん、軽量機体での肉弾戦など狂気以外の何ものでもない。

 急ぎ一つ目小僧を貫いた突撃槍を回収し、中距離戦闘を心がけましたとも。


 尚、投げ技は自動的に最適を選択してくれます。超便利。


「装甲の柔らかさは、こういう事にも使えるってことかぁ」

「あいあい」


 でも、アイン君が指摘するように、投げ技はあくまで緊急回避用にするべきだろう。

 ガチガチの装甲を身に纏っている一つ目小僧を一本背負いすると、やわやわぷにぷにのファーラのお肌が傷つきかねない。


 それに柔よく剛を制す戦法は相当な技術力が必要であり、ファーラに慣れていない俺が多用すると隙が生じる。

 ファケル兄貴やレオンさんのサポートがなければ割と危ない場面が多数。

 既に肩の装甲が破損しており、ポロリも危ぶまれる。


 お肌は傷付けてないからセーフとはいえ、このままでは素っ裸にされてしまいかねない。

 だから、露骨に装甲を引っぺがそうとするんじゃない、この変態どもっ。


『「寄るなぁっ、この変態どもっ!」』


 何故かファーラを集中攻撃してくる一つ目小僧どもは明らかに挙動がおかしい。

 それはまるで灯りに引き寄せられる羽虫のごとく。

 でも、ヤツらから放たれている波動は醜悪で、恐ろしくきしょい。


 伸ばされる手のことごとくは、ファーラを蹂躙、凌辱してやろうという陰湿なものであった。


 ロボット同士のバトルに、そういう要素はいらないからっ。


『よし、いいぞっ! そのままくそったれ共を引き付けてくれっ!』

『「簡単に言ってくれちゃって! にゅわぁ~!」』


 やっべ、組みつかれたっ! 一度、空に逃げるかっ!?


 だが、パワー負けして押し倒される。

 割と、というか大ピンチっ。

 このままではロボットなのに【いや~ん】される、されかねない。


 だから俺は久しぶりにやるだろうな。


 ぐい、とブリッジの要領で一つ目小僧を一瞬、跳ね飛ばした瞬間。


『「ファイアーボールっ!」』


 ゼロ距離爆発で一つ目小僧を引っぺがす、とあの野郎、咄嗟に装甲を掴んでふっ飛ばされていきましたよ。


 えぇ、ご待望のポロリです。やったね、ドスケベども。


『「うわわっ!? ピンクゾーンがっ!」』

『隠せ、隠せっ! 一旦、アストロイに戻れっ!』


 おやっさんからの指示に従って、零れる乳房を腕で隠しつつ、急ぎ帰艦。

 そこには予備の鎧がずら~り、と。


「こんな事もあろうかと」

「鎧を沢山用意するんじゃなくて、もっと面積をだな」

「馬鹿野郎。それじゃあロマンが無くなるだろうが」


 というのは建前で、稼働領域が狭くなってファーラの持ち味が無くなってしまう事を懸念している、とのことだ。

 確かにこの稼働領域の広さは魅力的だが、だったらまともな射撃兵装を用意してくれよな~頼むよ~。


 そんなことをごねる、とおやっさんは「しゃあねぇなぁ」と戦機用のマグナム銃を用意してくれました。


 でも、なんで鎧の胸部分を外しているんですかねぇ?


「外さねぇと両手で構えにくいだろうが」

「いやいや、被弾したら一発アウトだるるぉ?」

「当たるな。当たる前に撃破しろ」

「無茶苦茶だぁ」


 やられる前にやれは基本だけど、それを集団戦で言いますか。


 いろいろと苦情を申し立てたいが、そんな時間も無いので再出撃。

 射撃武器を手に入れたけど、装甲は更に薄くなって嫌になっちまいますよぉ。


 レオタードも破れちゃったので、今度は白のビキニに着替えてカタパルトから射出。

 これがまた際どい。絶対にお尻に食い込んで隠せてない。


 そして、狂喜乱舞する戦機乗りども。


 動く度にバルンバルン揺れるお肉は、本当に戦機に必要なのか気になるところ。


『ふおぉぉぉぉぉぉぉっ! 萌えてきた!』

『やってやるぜっ!』

『オラオラオラオラぁっ!』

『うっ……ふぅ』


 ただ、戦意向上には繋がっているもよう。

 戦場に痴女がいる感じがしないでもないが。


 でも胸部装甲を取っ払ったおかげで両手持ちができ、射撃の精度はすこぶる良好。

 装填数が6発なのは痛いところだが、別にこれをメインにするわけではない。

 本当にメインにするならライフル辺りじゃないと心許ないし。


 基本サイクルは攻撃魔法、精霊魔法となり、両者の回復が追いつかない場合に光素を使用しての突撃槍とマグナム銃とでカバー。

 光素を使用しない分、マグナム銃は負担が少なくて喜ばしい。


 なんやかんやあったが第二ポイントに到達。

 早速「うんせうんせ」とぷち鉄の精霊部隊が大桃先生の設置作業に取り掛かる。


 当然ながら一つ目小僧どもの攻撃は激しさを増す。

 

 今度は狙撃型の一つ目小僧が出現し、これがまた鬱陶しい。

 レオンさんとヤーダン主任、リューテ皇女の狙撃で壮絶な撃ち合いとなる中、地味に活躍するH・モンゴー君。


 その相棒を務めるのがモフモフのガラクタ号。

 ウサちゃん号の背中に張り付いたそれがまた、ウザい挙動をしまくるお陰で一つ目小僧のヘイトを一身に集めてくれている。次点でくそエロ機体のファーラ。


『やめろぉぉぉぉぉぉっ! 死にたくなぁぁぁぁぁいっ!』

『もっきゅっきゅっきゅっきゅっ!』


 H・モンゴー君は悲鳴を、モフモフは暗黒面を見せつつ蠅のように飛び回る。

 向かってくる弾丸を紙一重でかわす辺り、モフモフの操縦技術は中々のものだ。

 そしてH・モンゴー君の迫真の演技……いや、アレはマジだな。


 そんなこともあり、囮役としては十分過ぎるほどの活躍でした。


『神桃の実の設置完了を確認』


 マザーより大桃先生の設置完了の報告。

 あとはそれを守護する者だが。


「よし、それじゃあ、ここはファケル兄貴に頼むんだぜ」

『おう、任せろっ』


 ここはファケル兄貴に任せることにした。

 あとはターウォの部隊を5隻ほど。


 彼も桃使いなので一つ目小僧に後れを取ることは無いだろう。

 是非、大桃先生を護りきってほしいものだ。


「ユウユウ閣下、出番なんだぜ」

『待ちくたびれたわよ』


 彼が抜けた穴はアストロイに控えていたユウユウ閣下で補う。

 カタパルトから射出される鮮血のごとき暗い色をしたアインリールの姿を確認。

 それは大地に着地するや否や、翅付きの一つ目小僧どもを纏めて地上へと墜落させた。


 彼女の鬼力特性【重】を使用し、ヤツらに掛かる重力を何十倍かにしたのだろう。

 地上に墜落したそれらはぺちゃんこになり爆発。

 百機近い一つ目小僧どもの爆発は豪快過ぎて変な笑いが込み上げてくる。


『うふふ、木端ばかりでつまらないわ』

「フラグを立てるのは止めて差し上げろ」

『超高エネルギー反応』


 言っている傍からこれだよ。


 ザイーガから何か強大な力を持った巨人が、ゆっくりとアストロイに近付いていた。

 デカい力、そうとしか表現できない何かに俺は緊張して。

 気づけば手汗がびっしゃりで、それを服で拭う。


「あい~ん!」

「あぁ、アレはマジでヤバい奴だ」


 それは正しく巨人の鬼。一つ目の鬼だ。

 ただし、その外見はメカメカしさは一切無く生物的ですらあった。

 これに俺はとある存在を想起する。


「金属筋肉っ……!?」


 そう、エルティナイトと同じ、金属筋肉を持つ怪物だったのだ。


『うふふ、面白そうな物を作ってきたわね。任せてもらっても?』

「お任せするんだぜ」


 どうやら、少々予定を変更しなくてはならないもよう。

 あのサイクロプス野郎はユウユウ閣下に任せるので、第三ポイントは代わりにヤーダン主任に任せる。


 というわけで第三ポイントに急げ~!


 まさかの金属筋肉を持つ機体を生み出してくるとは思わず、ちょっぴり混乱気味の俺はまたしても被弾。

 ビキニが千切れて【いや~ん】状態となったので、再びアストロイに帰艦したのでした。


 ナイト~! 早く来てくれ~!


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― 新着の感想 ―
[一言] 第二の珍獣ことモフモフもどき随分久しぶりって感じっすなぁ。 しかし邪悪な回避盾…ニンジャか。 H・モンゴー君とニンニンペア結成なるか!?
[一言] まだまだ戦いは続く 珍獣「また被弾しちまった…装備は…」 整備士「虎縞ビキニに牛柄ビキニ スリングショットにマイクロに 白スク水もあるぞ」 珍獣「無駄技術過ぎるだろ!!」
[良い点] ビキニが千切れて【いや~ん】状態となったので、再びアストロイに帰艦したのでした。 珍獣「ナイト~! 早く来てくれ~!」 ナイト「待たせたな!ナイト参上だ!」 珍「「よかった。これでもう安…
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