番外編32 殿下の嫉妬と2人のお昼寝タイム
──サラ視点。
本日も我らが王宮は平和であります!
なぜなら、おふたりは新婚モードで、ず〜〜〜っと甘々状態だから!!!
いやほんとに。
この前の観劇事件から殿下の“愛しさタンク”が完全に溢れてる。
というか、毎朝の見送りが、もう人前でしていいレベルじゃないのよ!!!
———
今朝も目撃しましたとも。
エステル様が王宮の廊下を歩かれていた、ほんの数分間の出来事でした。
エステル様が近衛のひとり(※若手イケメン枠)と軽く世間話をしていた、その瞬間!
「……その方と、何を話していらしたのですか?」
背後から、低音・圧・眼差し三重奏で迫る殿下が登場。
エステル様が「あっ、殿下。朝の挨拶をしていただいただけですわ」と穏やかに返しても、
殿下の眉間の皺は……取れない!!!
「……挨拶にしては、ずいぶんと楽しそうに見えました」
いや!それはヤキモチです殿下!!
いつもの冷静さはどこへ!?
朝から“独占欲フルスロットルモード”じゃないですかっ!!
エステル様も、ちょっとだけムッとしたようで。
「まぁ……では、殿下が挨拶してくださったら、私も“楽しそう”に見えるのかしら?」
その一言で、殿下の目の色が変わるのを見た私は――
(はい、これ次の甘々爆発フラグ!!)
って確信しましたからね!!!!
———
そしてその日――
お昼過ぎのことでした。
執務室に戻られたエステル様が、ふと居眠りしていた時。
殿下、こっそり入室。
「……昼寝など、珍しいですね。少し疲れましたか?」
小声でそう呟きながら、エステル様の隣に座り、そっとブランケットをかける殿下。
そして……ええ、見ましたとも!
シリウス殿下が、
エステル様の指先に、自分の指を絡めて
ほんの少しだけ頬を寄せたのを!!!
(※見えた!確実に触れた!!)
「……離れたくないのです」
小さく漏れた殿下の声が……この世のすべての甘さを濃縮したみたいな響きで。
私は。
その場にいなかったのに。
なぜか物陰からそっと覗き込んでいる自分を幻視した!!!
(そしてそれを脳内再生しながら、メモ帳に記録をつけていた……!)
———
その後、エステル様は少しだけ目を覚まし、
「あら、殿下……お仕事中では?」
と微笑まれたのですが、
「……今は“貴女のお昼寝の見守り役”です」
って返す殿下の破壊力、ヤバいでしょ!!!!
しかもですよ?
「では、あと十分だけ……一緒に休ませてください」
とか言って隣に寝転んだんですよ!?
エステル様も赤くなりながら「……なら、腕を貸していただけます?」って!
うっわぁぁぁん!!!
この王宮、恋愛の教科書でできてるの!?!?
———
【本日のサラの妄想メモ】
・“嫉妬モード殿下”は朝から眼光鋭いけど、優しさと甘さはいつもの200%増し。
・“お昼寝タイム”でまさかの指絡め+添い寝……!尊い!優勝!
・エステル様の「……もう、甘やかしすぎですわ」発言も神。
ミシェル「……サラ、今日はいつも以上にテンション高いわね」
サラ「当然よ!だって、殿下の“独占欲と甘やかし”の合わせ技が炸裂したんだから!!」
ミシェル「……また夜が長くなるわね、あの二人」
サラ「っっっそれなぁぁぁぁ!!!」
この尊さ、記録し続けるためなら、私は何度だって暴走する!!!
王宮の平和は、愛と観察と妄想で守られているのです!!!
——続く(むしろ続けさせてください)!!




