番外編21 新婚初朝スペシャル☆サラ、突撃します!
——サラ視点
皆さ~~ん!!!
おはようございますぅぅぅぅ!!!
いやぁ、ついに!ついに!
殿下とエステル様の新婚初夜が終わったわけでして!!!
え? いきなりなんだって?
いや、いきなりじゃないわよ!?
昨日のあの愛と祝福の嵐の結婚式を経て、夜は当然──
いろいろあったに決まってるじゃないの!!!!
(ちなみに私は寝室のドアの前まで行きましたが、マークさんに引きずられて帰りました。無念……!)
それはさておき。
本日、わたくしサラ!
朝一番で!勇気を振り絞って!
新婚夫婦の寝室に突撃レポートを敢行いたしました!!!
※なお、この行動は一切許可を取っておりません。
※王族のプライバシーとかそういうのは考慮してございません。
***
というわけで、朝。
私はそーっと、廊下の奥にある特別室の前に立ちました。
(エステル様……無事……? ねえ、どうだった? 心の準備通りにいった?? いろいろ痛くなかった!?)
なんて考えてたら、勝手に涙が出てきた。
勝手に結婚させられてたら、こんな風に幸せにならなかったかもしれないって、昨日も思ったけど……
あの初夜を終えて、今、何を想ってるのか――私は、知りたい。
だから私は、ノックしました!
「エステル様! おはようございます! ご機嫌いかがですか!? おめでとうございます!!お幸せそうで何よりでぇぇぇぇぇす!!!!!」
……数秒後、扉が開きました。
出てきたのは、若干寝ぐせがついたままの、殿下。
上半身、シルクの寝間着の襟元がちょっと緩んでて……
はわわわわ。朝の殿下、破壊力が高すぎる……!
って、いやいやいや!違う違う!
この人じゃないのよ!私が会いたいのは!!
「あ、サラ。おはようございます」
「殿下!まさか、お疲れでは!? むしろエステル様は!?お水とか必要ですか!? お布団に倒れ込んでいらっしゃるのでは!?!?」
「……彼女は、まだ眠っていますよ。とても……満ち足りた顔で」
ふぁっ!?
ちょっとぉぉぉお殿下!?!?
なんですかその含み笑い!?!?!?
言ったよ!?今、言ったよ!?
エステル様が“満ち足りた顔”って言ったぁぁああああ!!!
「殿下、ずるいです。どうせ今朝もお姫様抱っこでベッドから出してあげたんでしょう!?!」
「……彼女が望めば、いくらでも、ね」
あぁぁぁあああ!!!!!
シリウス・アストラ殿下、朝から砂糖を振り撒かないでぇぇえええ!!
もう無理。無理。眩しい。
新婚ってこういうことなのね……!!
そうして、結局エステル様はお顔を出さなかったんだけど。
後から、侍女たちがこっそり教えてくれました。
「姫様、ほわほわのお顔で『今朝、殿下が髪を梳いてくれましたの……』って呟いてましたわ」
……
尊いです!!!!(号泣)
———-
というわけで。
本日の突撃レポート、いかがでしたでしょうか!?
新婚生活、爆速で甘々モード突入です!!!
これから毎朝、サラはこの甘さに耐えながら生きていくわけですね!!!
王宮内糖分過多警報、発令です!!!!!
あ、ちなみにミシェルは「こんなの聞きたくなかった」とか言ってましたが、顔真っ赤だったので多分喜んでます!!
ということで、次回も!
サラの新婚追跡レポートをお楽しみに!!!
以上、王宮専属レポーター(自称)、サラがお送りしましたっ!!




