番外編16 結婚前夜〜サラスペシャルレポート〜!
──サラ視点
皆さん……聞いてください……!
いよいよ……
\\明日、エステル様とシリウス殿下がご結婚ですうううううう!!!//
私、昨日から興奮しすぎて寝てません(真顔)
いやもう、推しの門出ですもの!
寝てる場合じゃない!!!
今日という一日は、王宮史に残る大祝福デーでした!!!
———
【AM6:00】
──シリウス殿下、いつも通りの冷静さ(に見える)
早朝から日課の魔法制御訓練をしていらっしゃった殿下。
(王宮の裏庭で、誰もいないと思ってたのに私いました!!)
でも、わたしは見逃しませんでしたよ!
魔力の集中が、いつもよりほんの少しだけ甘くて!
しかも終わったあと、しばらく空を見上げて微笑んでたんです!!
あれは確実に、結婚前の余韻モードです!!
そのあと控え室でマーク様に
「殿下、少し落ち着いてお過ごしを……」
「……私は至って冷静だ」
とか言ってたけど!心の奥は絶対ソワソワしてるって私、知ってます!!
———
【AM9:00】
──エステル様、下着を選ぶ(←最大の事件)
そう、これです!!!本日の最大の山場!!!
本日は!エステル様の「初夜用ランジェリー選定日」でございます!!!
(この言葉を出すだけで、マーク様に「声のボリューム」と怒られましたが気にしません!)
最初、エステル様は本当に恥ずかしそうにされてて……
「これ、本当に必要かしら……?」
なんておっしゃってたんですけどね!
私は全力で答えました!!
「必要です!!!それは武装です!!!女の尊厳です!!!決戦の戦装束です!!!!」
そして選ばれたのが……
──透き通るような上質の白シルク。
──繊細なフレンチレースが胸元を飾り、肌に溶け込むほど柔らかく、エレガント。
──そして、胸元にそっと縫い込まれた紫水晶のモチーフ……!!
そうです!!
殿下の瞳の色を、エステル様の肌の上に飾る……!
これで!殿下も理性崩壊不可避!!!
(※あくまで私の予測です)
エステル様が鏡の前でそのランジェリーを手にした時、ふっと頬を染めて、
「……変ではない、かしら?」
いや、女神降臨かと!!!
大丈夫ですエステル様、その姿で部屋に立ってたら、殿下は確実に理性を置いて飛び込みます!!!(断言)
———
【PM12:00】
──マーク様、騎士団内で「苦労人すぎる」と同情される
「マークさん、あんなに感情豊かな殿下、初めてじゃない?」
「いや……近頃ずっとです」
と、ぼそっと言ってました。
あれ、たぶん殿下のデレに内心やられてますね?(ニヤニヤ)
そして私が「花びらシャワー演出をやりたいです!」って提案したら、
「……やるなら、ちゃんと片付けの人員も確保してからにしてください」って!!
優しさ!!!
マーク様、ほんと信頼してます!!!
***
【PM14:00】
──ミシェル、3回泣いて、3回拭って、そして決意
花嫁姿の最終確認のあと、エステル様を見て、ぐすっ……と。
「私……昔、あんなことして……こんな日が来るなんて……」
「だからこそ、今、心から嬉しいです……エステル様が、ちゃんと幸せになるって……」
そう言って、ぐいっと涙を拭いて
「明日は、私は泣かないって決めてます。笑顔で祝福しますから!」
ミシェル!!
かっこいい……!!!
そしてそのあと、「私、控えめだけどエステル様が綺麗すぎてちょっと妬ましい」と小声でこぼしてました。
かわいい!
———
【PM16:00】
──エステル様ご両親、号泣(お父様も)
お母様:「……こんなに綺麗になるなんて。あの子が、あの子が……(嗚咽)」
お父様:「……シリウス殿下は、誠実で賢明な青年だ。信じて送り出す」
もう、この時点で私も泣いてました。
お父様、殿下に
「我が娘の心を、大切に育ててください」って。
殿下の答え?
「はい。……命に代えても、必ず」
はああああああああああああ!!!
尊すぎて無理ィィィ!!!
———
【PM18:00】──ジークハルト様、式の余興案を熱弁
「あのさ、披露宴で弟とエステルがダンスする時に、俺が楽器隊指揮ってどう?」
「イザベルにも似合うと思うんだよな、こういう荘厳な曲……」
って、お兄様!!!
え!?イザベル王妃とダンスもあり得る!???
あの氷の女王と!!!???
サラの心の中:
(エステル様×殿下 →尊い)
(ジーク様×イザベル様 →尊い)
尊い連鎖で心臓が追いつかない!!!
———
さて、夜も更けてきました。
エステル様は、お風呂を済ませ、お肌を整え、白いナイトドレスに身を包んで、
静かにベッドへと横になられました。
私は最後にそっと囁きます。
「明日、きっと素晴らしい一日になります。
どうか、幸せになってくださいね」
そして私は、布団に潜って叫びます!!!
\\明日は結婚式だあああああああ!!!!!!//
(心の中で!ですよ!?!?)
推しの未来は、愛に満ちたものになりますように!!!
(つづく)




