番外編1 未来の王妃と禁断の恋に全力で萌える日々
本編完結後の話
(サラ視点)
きゃあああああ!!!
おっと失礼しました、声が漏れてしまいましたね!! でも!! これはもう仕方ないのです!!!
だって!!
王宮の超絶麗しいお二方!!
私の推し、エステル様とシリウス様が!! もしかしたら王妃と国王になるかもしれないんですよ!!!
これは……尊い!!!!!!
いやいや、ちょっと待って!?
落ち着いて整理しましょうサラ!!
今、ジークハルト王子がフェルディナント王国の摂政王妃を愛してます発言したことで、アストラ王国の王位継承問題が再び議論されているわけで……。
つまり、もしジークハルト様がフェルディナント王国へ婿入りし、王位継承権を放棄することになったら——
シリウス様が王位を継ぐ可能性が高くなる!!!!!!
そしたら!! 当然ながら!!
エステル様は!! 王妃様になるんですよ!?!?!?!?!?
これはもう、アストラ王国の未来が 最高に尊い運命 を迎えようとしているとしか思えません!!!
というわけで、私は最近ずっと王宮のあちこちで「エステル様王妃への道計画!!(仮)」について勝手に盛り上がっているわけですが。
「サラ、落ち着きなさい」
……はい、エステル様に軽く制止されました。
「で、ですがエステル様!! おそらく、このままいけばシリウス様は王位を継がれることになるのですよ!? そうしたら!! エステル様が!! 王妃に!!!」
「……サラ」
「ひぃっ!?」
エステル様が やんわりとした微笑みを浮かべながらも、明らかに『やめなさい』という視線を送っていらっしゃる……!!
でもでもでも!! 落ち着けという方が無理なんですよ!!
だってシリウス様とエステル様の関係は!!!
気品と誠実さに満ちた理想のカップル!!
「でも……シリウス様が王になられた場合……私はそのお役目をきちんと果たせるでしょうか」
「ええええええ!!? 何をおっしゃるのですか!! もちろんですよエステル様!!!」
私は 全力で力説する。
「エステル様は知性も美しさも兼ね備えた最高の王妃候補です!! しかも!! シリウス様とお互いを大切に思い合っている!! これはもう、運命としか言いようがありません!!!」
「……運命、ですか?」
「そうです!!!」
エステル様は 少しだけ頬を染めて 微笑まれた。
か、可愛い……!!!!!!
まさしく王妃の風格!!!!!!!!!
そんなこんなで、私は エステル様の尊さ に悶えていたわけですが。
もう一つ、 最近私をときめかせている問題 があるんです!!
それは——
ジークハルト王子と氷の女王ことイザベル摂政王妃の恋模様 !!
いや、もうこれは最高すぎません!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?
まずですね!!
ジークハルト王子って 超自由人 じゃないですか!!
それなのに!!! 相手がよりにもよって 「氷の女王」と呼ばれる超絶クールな摂政王妃 って!!!!
どう考えても!!!
最強のギャップ萌え案件!!!!!!
「ふふ、イザベルは俺の口説き文句になんて微塵も揺るがないんだよなぁ……」
↑
こんなことを言いながら、楽しそうに挑戦し続けるジークハルト様。
そして!!!
「貴方ごときに私を口説けるとお思いで?」
↑
一切の隙を見せない、氷のように冷たいイザベル王妃!!!!!
でも!!! この二人、絶対にお互いに意識し合ってると思うんですよ!!!!!!!
ジークハルト様は 絶対にイザベル王妃の孤独を見抜いているタイプ だし!!!
イザベル王妃も まさかこんなに真剣に向き合ってくる人がいるとは思っていなかったはず!!!!
これは!!!!
強気な女王と、それを軽妙な口説き文句で翻弄する自由人王子の超絶ロマンティックラブ!!!
あああああ!!!!
気になります!!!!!!
というわけで、私は!!
もうエステル様とシリウス様の尊さと!!!
ジークハルト様とイザベル王妃の恋の行方で!!!
毎日が最高に楽しいです!!!!!!!!!
しかし——
「サラ、そろそろお仕事に戻りましょうか」
「うぐっ……!!」
「あなたの気持ちは分かりますが、今は王宮も忙しいのです」
「は、はいぃぃぃ……」
エステル様に優しくたしなめられ、私は 泣く泣く現実へと戻る のでした……。
(でも、ちゃんと応援は続けます!!!!!)
——だって、推しが尊いから!!!!
つづく




