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馬面彼女~チェンジ可能!~  作者: 蛇真谷 駿一


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59 T君


 生島さんから情報をもらった俺は、さっそく昼休みに目的の人物の所に行き、直接確認してきた。

 そしたら本当に生島さんの言っていた通りだったわけだが。


「……いやまあ、確かに勝手な先入観だったかもしれないけど……全然考えもしなかったわ…………というか、生島さんはどうやってこのこと知ったんだか」


 とりあえず、心配事が一つ減ったことはいいことだ。


「んー、姫にも話してあげたいところだが、流石に急に昼休み、教室に顔出すのもな……」


 DOORで連絡してもいいけれど、おそらく姫は少し前まで俺からの通知を切っている。

 で、今日その通知切ってることを忘れてる。


 なぜならさっきまで何度か送ってるメッセージが、この数日と同じように返答もなく既読もつかないからだ。


「今日は特売日だから流石に姫の部活終わりを待ってるわけにもいかない……まあ、夜には通知のことも思い出すかな」


 というか俺はここ数日、姫のことが気がかりすぎて猫の世話以外の家事全般もおろそかになっていた。

 今日は久々に速攻で学校を出てスーパーによって家に帰らねばならない。



 ――もしかして帰宅部ってこういう誰より早く帰ろうとする感じの生徒と関係する感じの部活なのか……?


「…………そんなわけないか……さて、メシメシ」


 ~~~~~~~


「ただいったぁっ! 何で!? イカ天、今日は何で!?」


 スーパーの袋を両手にドアを開けると、猛ダッシュで駆けてきたイカ天が跳びかかってきた。


 今日はスーパーに寄ったっていっても、割とスピーディに買い物済ませてきたと思ったんだけど、それでも遅かったですかねェ!? イカ天さん!



「おかえりー」


「……ん?」


 勢いよく噛んだ後、バツが悪いのか跳びかかって引っ掻いた所を舐めてくるイカ天をあしらいつつ靴を脱いでると、部屋の奥から妙に聞き覚えのある声が。



「ねぇー……イカ天はどうしてこうも懐いてくれないなぁ」



「…………母さんが普段家にいないから以外の理由なくない?」


「だよねぇ……エビ天はこんななのに……」


 部屋の奥からエビ天を抱きかかえながら現れたのは、我が家のビッグマムだった。

 どうりでイカ天の機嫌が悪いわけだ。


 俺がいないのに家の中に知らない(、、、、)人が居座ってるんだから。


「エビ天はどこの誰でもそうだわ。てか帰ってたんだ。仕事ひと段落したん?」

「うんにゃ、ちょっと着替えを取りに来ただけ。またすぐ出るよ

「そしてまたイカ天に顔を忘れられるのさ……」


 イカ天は人見知りが極まりすぎて、長く家にいない家族の顔を忘れてる節がある。

 つまりイカ天にとってこの家に住む人間は俺だけ。


 ――エビ天は家族の顔覚えてる感じあるんだよなぁ……父さんが帰ってきたらとりあえず頭突きしてすり寄っていくし、今だってわかりづらいけど他の人より甘えてる感じある。


「イカ天さぁん……顔おぼえてくれませんかねー!」


 その言葉もむなしく、イカ天は慌ててその場から離脱していった。


「完っ全に知らん人への対応。ウケる」

「笑うな。はぁ……あんたは学校どう? ちゃんとやってる?」

「テスト結果はちゃんと報告してますがな」


「そっちはさして心配してないわ。我が子ながら要領よく生きやがって」

「とんだ暴言」

 生きやがってって。

 ちゃんとまともな成績取ってる息子にかける言葉じゃないわ。


「こっちが聞いてるのは学校生活の方。ちゃんと友達いんの? その若さで主婦みたいな生活して」

「家事全般こなしている息子に対してなんてことを。普通にいるわ」


「そこまで無理する必要ないっつってんの。別に学校終わり遊びに行きたきゃ行ってもいいし、買いもんとかも無理にする必要はないの」

「割と好きでやってるからいいって。さっさと家に帰ってうちのお猫様たちに会いたいところもあるしな」


 言いながら母さんの腕の中で寝るエビ天を撫でる。

 全くもって無抵抗。



「……ならいいけど。……後は、なにかしら……ああ、彼女とかは出来た?」


「………………」


「……えっ」


「とりあえず荷物置いて来るわ」

「え、出来たの!? 嘘、見栄とかじゃなくて? ちょっと待ってちょっと待って、ちゃんと言葉にして」

「……いや、わざわざ親に言う事でもないわ」

「いや言う事でしょ! え、え、え、ホントに!? え、どんな子どんな子? 写真とかある!? いつから!? いつから!?」


「しつこいな! 食いつきすぎだわ! そこはもうちょっと静かに見守るとかできないかなぁっ!!」


「あ無理。超気になる」


「即答かよ……もういいだろ、おら、さっさと着替え持って仕事戻れし」

「はぁぁぁっ! 次帰ってきたら絶対教えなさいね! てか連れてきなさい!」

「えー……」


「絶対休み取ろ。有給使おうかしら……」

「おいくだらないことに有給使うんじゃねーぞ!」


「……とりあえず旦那に連絡しよ……」

 そう言い残して母さんは仕事に戻っていった。


「はぁ……まあ、いいか……なんか疲れた」


 あ、隠れてたイカ天、母さん出てったらすぐ出てきた。


今までやんわり存在だけにしてた人をこのタイミングで。

とはいえ、流石にもう出ないですがね。そもそものプロットでも全然登場は先だったので。

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