39 Hちゃん
感想評価お待ちしてます。
まずいことになっちゃった。
いや、別に何がどうというわけじゃないけれど、お年頃の女子高生にあるまじき行為と言ってもいい。
「……携帯の電池がない……」
昨日ちゃんと充電したつもりだったんだけどなぁ。
もしかしたらコンセントのほうが抜けてたかもしれない。
「うぅ…………失敗したぁ」
モバイルバッテリーも忘れたし、携帯充電機能がついてる快頭爛馬も今日はメンテ中。
そして今日はお昼寝用のお家素眠くんしか持ってきてない。
というか、デートの時に優先順位考えるよう言われたのに、またお面は持ってきたけど必要なものを忘れてしまった。
――……あ、でも! お家素眠くんは、いつどこでもお家で寝ているような安眠をもたらしてくれるお面で、付けて眠れば目の前の光度も調節できるしイージーリスニングもかけてくれる優れもので、目覚まし機能までついている……ってそんなこと誰に言い訳してるの私。
「あぁ…………もう2%しかない……せめて朝携帯を見ておけばもうちょっと持ったのに……と、とりあえず大我くんに今日は部活だから先に帰ってていいよって送って……その後は、あ!! あー……切れたぁ……」
うーん、しょうがない。
とりあえず大我くんには送信出来たから良しとしよう。
「ほへ? ぶ、部活休み……?」
放課後、同じクラスの陸上部員の灰西凛空と一緒にグラウンドに行こうと誘ったら、ポカンとした顔で休みといわれてしまった。
「そうだよ? あれ、DOORのグループ部屋にお知らせ来てたと思うんだけど……」
「えと、でんちがしんでるの」
「えぇ……言ってくれればモバイルバッテリー貸したのに」
「…………それは、盲点」
「うそでしょ……?」
ごめん本当にその考えに思い至らなかったの。
「どうしよ、時間空いちゃった……」
凛空はそのまま彼氏さんと一緒に帰っていった。
部活で忙しいから中々こういう機会ないって嬉しそうに言われてしまった。
それなら私も大我くんと一緒に帰れる! と一瞬だけ考えてみたけれど、ほぼ間違いなく大我くんはもう帰ってると思う。
なんたって帰宅部のエースさんなんだもん。
ポッカリ時間が空いてしまったけど、そのまままっすぐ家に帰るのは味気ないので、少し考えを巡らせる。
――とはいえ、美琴や小鞠ちゃん達ももう帰っちゃったみたいだし……。
「どっしよっかなぁ……お面屋さんに新作でも探しに行こうかなぁ」
行きつけのお面屋さんはホームページを持ってないうえに、唐突に新作を仕入れたりするので油断できない。
「定期的に見に行かないと、珍しいのはすぐ売り切れちゃうんだから……って、あれ? あれ大我くん?」
帰る準備を整え、ふと窓の外を見ると、そこには私の恋人さんが歩いていた。
「珍しいなぁ、大我くんがこんな時間に帰るの、私がお願いしたとき以外だと初めて見たかも………………あれ? 一緒にいるのって……」
下校する生徒が多くて陰になっていたけど、大我くんは誰かと一緒に帰っているようだった。
そしてその相手は――。
「…………う、ま……?」
――私の持ってる快頭爛馬にそっくりなお面を被った女の子だった。
誠に勝手ではございますが、1~2週間ほど更新をお休みさせてもらおうと思ってます。
ここしばらくずっとギリギリの完成なので、もう少ししっかりストックを作るのと、今後の設定の細かい詰め作業を行おうかと。
必ず戻ってきます。エタるつもりはないです。
前科有りなので信用は薄いかもしれませんが。
さして読まれている話ではありませんが、読んでくださってる方への感謝を忘れず邁進していきます。
戻ってきた際、また読んでいただけると幸いです。




