37 Mちゃん
ここしばらく当日の朝四時とかに完成することばかりだ……。
まずい……まずい……。
しかもまた短い……時間が、ほしい……。
――カチャッ!
「………………」
私はさっきから何をやってるのか。
ベッドに転がりながら、アプリを開いては閉じ、また開いては閉じを繰り返していた。
DOORに届いていた小鞠ちゃんからのメッセージ。
もう何度も読み返しているけど、届いてる内容に変更はない。
書いてある内容は理解できたし、言いたいこともわかった。
私自身それを知ってどうすべきなのか、わかってない。
「……一旦、おいとこ。なんか頭ごちゃごちゃしてきた」
ふと時計を見ると、時間は七時を超えていて、小鞠ちゃんからのメッセージを見てからかれこれ二時間近く経っていた。
「うそ……もう晩御飯の時間じゃん……ほんとなにやってるんだか……」
居間に行くともうお父さんも帰ってきていて、ちょうど私を呼びに来る途中だったらしい。
偶然とはいえ一応タイミングはよかったみたい。
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食べ終わって、部屋には戻らずにいると、お母さんとお父さんが困った声を出してるのが聞こえた。
「いや、だからなぁ? 取引先の人からの貰い物なんだって。で、一応結構レアものの試作品らしいんだよ」
「ふーん、てっきり私は貴方がまた酔って変なものでも買ってきたのかと思ったわ」
「へ、へへへへんなものじゃないやい! あのガラスのカエルの置物可愛いだろ!」
「ああ、あの楽器を吹いてるカエルをモチーフにしたガラスの置物? まあ確かに綺麗だし可愛いとは思うけど、多分あれってオーケストラとかみたいに沢山あるうちに一つなんじゃない?」
「う……」
「それに、あの手のもの高いのよ……だから毎月末ごろにはお小遣い少ないって嘆く羽目になるの」
「くぅ……それは、ごもっともでございます……」
うちのお父さんは酔うと馴染みの骨董品店から妙なものをたまに買ってきたりする。
最初はそれでまた怒られてるのかと思ったけど、どうも違うみたい。
――というか、話逸れてない?
「ねえ」
「ん?」
「なによ美琴」
「多分話逸れてると思うんだけど、結局お父さんは取引先の人から何貰ったの?」
「あ。そうだったそうだった」
「ああ、まあそれが自分で買ったものじゃないなら私としては別にいいんだけど、それも部屋に飾るわけ?」
「うーん……正直なところ、趣味ではないんだよなぁ……貰い物だし、いいものなのはわかるんだけど」
――ちょ、私の質問スルーされてる。
「いやだからさ、何貰ったのって!」
「おっとすまんすまん。これだよ」
そう言ってお父さんが持ってきたのは少し大きめの袋。
中から出てきたのは――――。
「これって…………………………ねえ、お父さん……これ、私が貰っていい……?」
「そりゃかまわんが……お前こんなの興味あったっけ?」
「……ちょっとね」
私はそれをもって部屋に戻る。
「…………次学校に行ったときに使ってみようかな……」
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