35 Hちゃん
今回の話はちょっとした設定のズレの修正も兼ねてます。
そして短いです。
もしかしたら一つ前とくっつけてもよかったかもですが、すみませんストック切れで、引き延ばしみたいになってしまいました……お許しください。
食べることのできるよう、大伴猫の口を開いてから手を洗い、リビングに戻ると、なぜか大我くんが椅子の前で困ったように立っていた。
「どしたの?」
「ん? んー……これ」
「ん?」
大我くんの指さす方向を見ると、椅子の上にスチャッと座っているエビ天ちゃんの姿が。
「……えっと……」
「いや、まあ大体いつもこうなんだけどさ、飯時になると何処からともなく現れて、椅子に座って食卓を囲みだすんだこいつ」
「え、えー……」
それは……どうなんだろ。
というかさっきまでぐっすり寝てたよねエビ天ちゃん。
「と言ってもテーブルに乗ったりするわけじゃないからいいんだけどさ。毎回俺が座ろうとした椅子をチョイスして占領してくるから、いつもどうしようか悩む」
「え、よ、よけたらどう、かな? ちょっとごめんなさいして」
「いや、意地でもよけないうえによけてもすぐ取り返そうとするから……」
そう言いながらもう一つの椅子をエビ天ちゃんの横に設置しだす。
――い、いつも通り感が……。
「じゃあ頂くとしましょうか」
「あ、う、うん!!」
そして大我くんが持ってきたお弁当箱を開こうとする。
ちょっとドキドキするね。
――……あれ、ちょっと? いや、すごくドキドキするよ? 今更ながらすごく緊張してきたんだけど……。
あれだよね、大我くんってスーパーで特売気にしたりするってことは、もちろん料理も出来るってことだもんね。
――……てことは、もしかして私、自分でかなりハードル上げてた?
普段から料理して学校の時自分のお弁当を自分で作ってくる男の子に、お弁当楽しみにしててって言った?
――………………心の準備足りなくない?
「ちょっ、たい、ちょっとま」
「……おお」
私の焦りもむなしく、蓋が開けられてしまった。
「うぅ……」
「え、めちゃくちゃ美味そう……」
「そ、その……一応、精一杯頑張らせてもらいました……」
私がそう返すと、お面越しなのに私のテレを察したのか、大我くんはニヤリと笑い、からかい交じりに褒めてくる。
「うん、本当においしそう……寝坊したって言ってたから、どうなのかなぁって思っちゃったよ」
「うぐぅ……意地悪ぅ意地悪ぅ……朝起きて寝坊に気付いてすぐに作ったの! お顔は書けなくてもお料理はできるの!」
「あーごめんごめん。でも結構時間かかりそうな料理とかもあるんじゃない? 唐揚げとかハンバーグとか」
「あ、その辺はいつものお弁当用の作り置きを流用しております」
「なるほど。姫のうちでもうちと同じ方式をとってるんだ」
「へ?」
「ほれ」
そう言って冷蔵庫に向かった大我くんが取り出したのは、冷凍になったお弁当サイズのハンバーグと唐揚げがいっぱい入ったタッパ。
「あ」
「こうしとけば温めるだけだし楽だよな、いつも朝準備するのは大変だしさ」
「う、うん……」
何やら共感してる感じを出してる大我くん。
ほ、ほんとはお母さんが私のお弁当用に作り置きしてたやつをたかったのは内緒にしておこう。
「………………って、姫のお母さんに伝えといて?」
「すぐバレた!!」
「じゃー、そろそろいただきますしようか。お腹空いてしょうがないし」
「うん!」
「「いただきます」」
短いうえに今回は本当に内容がない……。
ので、設定小ネタを載せます。
キャラの名前は割とフィーリングで決めてますが、女子メンバー数人はそれっぽく苗字決めました。
櫻井姫香→桜→春
椰子木英玲奈→ヤシ→夏
伊調美琴→銀杏→秋
樅野小毱→モミ→冬
みたいな感じで……あ、小鞠ちゃんの苗字出てなかったでした。
樅野さんです。
ついでに式見先生→四季
ですね。
ヒロインとか関係なしに何気なくつけた苗字ですが……。
どこかでしっかり書きますのでご容赦を。
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